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このページでは錬金術って何だ? を主題に『鋼の錬金術師』について語っています。
錬金術という言葉に惹かれて視聴したら、めちゃくちゃオモロかったので。
ファンの方と同じ思いを共有できたら、と思います。
ンギモヂイイイイィィ!!!!
【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのハルトと申します。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。日本脚本家連盟修了生。
その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
夢は海外移住。希望移住先はもう決まっています!!
※この稿の内容は以下のとおりです。
錬金術ってなんだ?
もともとは金をつくろうという発想でした。カネじゃなくて、キン。
しかしピカピカする黄色い重たい金属が欲しかったわけじゃないだろうから、結局はカネをつくりたかったのだと思います。
カネがほしかったんだね。お金持ちになりたかったんだね。
錬金術を魔術っぽく認識している人がいると思うけれど、そう考えると人間くさい術だと思いませんか?
錬金術は存在する!
現代でも、濡れ手で粟のお金儲けのことを錬金術と呼んだりします。
そういう意味では錬金術というのはマボロシのワザではなく、実在します。
錬金術は恐竜みたいに現代も生き残っている
鈴や鉛を化学変化によって金に変えようとしたことから、錬金術は化学のご先祖様です。
恐竜が鳥になって現代でも生きているように、錬金術は化学になって現代にも生き残っています。
賢者の石=永遠の命、となったのは人の夢を体現したから
卑金属を金に変える秘密と、賢者の石とよばれる物質が、いつしか同一視されるようになりました。
賢者の石と呼ばれる物質をみつければ、夢がかなうことから、究極の物質と呼ばれるようになり、ついには永遠の命を得ることができるとまで言われるようになったのです。
心臓をとめて弁膜症の手術をした後、心臓を再び動かす術式を「錬金術」だと私が呼んだのはそのためです。

人類すべての夢を体現した物質が賢者の石なのです。
ハリー・ポッターにも登場します。
ゲーテのファウストにも登場します。

無からは何も生じない。等価交換の原則
『鋼の錬金術師』の中に登場する錬金術の原則「無からは何も生じない。等価交換の原則」ですが、これは完全にアニメの脚色です。
「無からは何も生じない。等価交換の原則」というのは科学の原則で、いにしえの錬金術の原則ではありません。
あるいはパルメニデスとかデモクリトスの哲学です。
魔術視されることもあるいにしえの錬金術は、無から何かを生じさせようとしていました。
キメラをつくる錬金術
ギリシア神話にも出てくるキメラは、ライオンの頭、山羊の胴体、尻尾が蛇という怪物です。
タイフーンの語源となったテュポーンの息子ですね。
ヒューム(アリストテレス)の哲学サンプルにもってこいの糊と鋏でつくりあげた複合概念です。
キメラもいにしえの錬金術では厳密にはないのですが、「不可能を可能にする」という文脈の中で『鋼の錬金術師』では錬金術扱いされています。
わたしが『鋼の錬金術師』を凡百の他のアニメと違うな、と感じたのは、作品冒頭の「人語を解するキメラ」の章でした。
人語を解するキメラの錬成に成功した、という錬金術師。しかしその人語を解するキメラは、死にたい、とただ一言だけ発して食事もとらずに死んでいきました。
結局、その錬金術というのは犬と人間を混ぜ合わせた禁断の錬金術だったのです。
自分の娘と飼い犬をまぜあわせて人語を解するキメラをつくったのです。
オカルトですよ。
よくアニメでこれをやったなあ、と驚きました。
この章だけでも、『鋼の錬金術師』を見る価値があります。いや、ホントにびっくりした。
アニメ化に際して普通このエピソードをまるまる削除しそうなものですが、監督はじめ「よくやった」と褒め称えたいと思います。
人の命と等価で交換できるもの
その後も魅力的なエピソードがつづきますが、省略します。
ラストエピソードだけ最後にご紹介します。
弟の命を「真理」に奪われた主人公エドは、人の命と等価で交換できるものとして「自分の真理(錬金術)」を差し出します。
錬金術師はすべてを解決できると思い込んでいたが、人語を解するキメラひとり助けることもできない。最初からただの人間だった、と。
錬金術がなくなっても、これまでの旅で結ばれたみんながいる。
だから錬金術をなくしてもいいというのが「真理」でした。仲間、友だちこそ正解だったのです。
そして恋人に「オレの人生を半分やるから、おまえの人生を半分くれ」と等価交換を持ち出しますが、「バカじゃないの? 半分どころか全部あげるわよ」と簡単に錬金術の真理をひっくりかえされるのです。
こうして愛には錬金術の等価交換の法則は通用しませんでした。
愛は錬金術以上の法則だったのです。
✖✖はレベルが上がった(まとめ)
いかがでしたでしょうか。
『鋼の錬金術師』の魅力が伝わりましたでしょうか?
中世ヨーロッパ風のファンタジーが舞台です。
少女が人語犬になるシーンでいっぺんにとりこになりました。
長い旅路の涯。チビだった主人公はもうチビではなくなっていました。
錬金術という魔術を描きつつ、人間の絆の大切さを純文学以上に打ち出してしまうところがジャパニメーションが世界を熱狂させる理由なのだと思います。
クオリティがめちゃくちゃ高いのです。
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また原作マンガもおすすめですよ。
電子図書kindleでも発売されていますよ。

