ダイヤモンドヘッド232mに登れなかった女のキナバル山4095m登山挑戦。第2章「アプローチ」

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バックパッカーが登山しても、普段と同じ格好

1月1日の初日の出をキナバル山上で拝むことは入山規制(山小屋の収容人数オーバー)のために無理であったが、その数日後は現地旅行会社に飛び込みで申し込んでも大丈夫だった。

現地ツアーの内容はコタキナバルへの送迎と、登山ゲートでの入山手続きとガイドの手配だけだ。国内手配ツアーだろうが個人旅行だろうが山頂までの山道は自分の脚で登っていくしかない。

午前6時にコタキナバルを出発する。安宿街のインド系経営のホテルに荷物をデポジットしてもらい、ここからはアタックザック一つでキナバル山に向かった。

アタックザックといっても元々バックパッカースタイルで旅行しているため、メインザックをそのまま山上まで持ち運ぶだけだ。バックパッカーが急遽登山しても、ほとんど普段の旅と同じ格好で山に登る。

明後日の夜はまた同じホテルに予約済みなので、登山に関係のない荷物は預かってもらった。サブバックなどに登山に必要のないものを集めて置いていくということである。

現地ツアーバスのピックアップは近くのシャングリラホテル(リッチホテル)を指定した。本当は歩いて5分もしないところにある安宿に泊まっているのだが、こういう場合は誰でも知っているリッチホテルに出向いて拾ってもらった方がいい。インド系安宿の場所なんて誰も知らない。

登山ツアーのバスといっても、ワンボックスワゴンで実際には私たち二人しか客はいなかった。

市営モスクのある郊外まで走ると、手前の山の向こうにキナバルの山頂だけは見ることができた。そもそもコタキナバルというのは「キナバルの町」という意味なのだ。富士市から富士山が見えないわけがないように、街中から絶対にキナバル山が見えるだろうと思っていたので、むしろコタキナバル市街地から遮蔽物のせいでキナバル山が見えないことが意外だったくらいである。

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キナバル山へのアプローチ

日本の田舎道のような舗装道路を走ってキナバル山へと近づいていく。車はやがて熱帯雨林のジャングルに入っていった。キナバル自然公園の中に入ったのだ。

世界最大の花ラフレシアの情報を必死に聞き出そうとするが、運転手も通りいっぺんのことしか知らなかった。どこに咲いているとか具体的な開花情報は何も知らなかった。このインターネット時代にラフレシア開花情報を誰ももっていないことには本当に驚いた。いくらインフラが整備されても情報発信する人がいなければどうにもならないのだが。

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死ぬまでに一度は見たいラフレシア たった一度の人生だから、できるだけたくさんの素晴らしい経験をしたいと思う。 感動の人生を望む。それは誰しも同じだろう。 感動の種類にもたくさんある。読書の感動なども捨てがたい魅力がある。そのこ...

キナバル自然公園の中に入ってからも、かなり長い舗装道路のアプローチをクルマで進んだ。「どんどん行け、どんどん進め」と私は思った。途中見えたキナバル山は「あの山頂まで行くのか」とうんざりするような高さである。標高232mのダイヤモンドヘッドさえ一気に登れなかったイロハにはあの山は無理だと思う。

ダイヤモンドヘッド232mに登れなかった女のキナバル山4095m登山挑戦。第1章「入山規制」

幸いにして舗装道路は大胆にキナバル山へと続いていた。コタキナバルから2時間ほど走った午前8時。車は登山のためのキナバル公園管理事務所(入山ゲート)で停車した。もう完全にキナバル山の中腹まで来ていた。ここまで送迎してもらえば文句は言えないというギリギリのところまで舗装道路が続いていた。

マレーシア政府が観光客のため最大限のアプローチを整えてくれている。だからキナバル山は標高の割には難易度が低いと言われているのだろう。ここまで運んでもらえばもう十分である。これで登れなかったら、それはもう自分の責任だ。

入山ゲートでこれから山頂までのルートをご一緒する登山ガイドを紹介される。ロナウジーニョみたいな顔をした色黒のマレーシア人だった。山麓の町に住む地元民だという。ガイド業に従事することで山から収入を得ているのだ。

入山ゲートから登山ガイドと一緒に最終アプローチ地点まで更に10分ほど車に乗り込む。

ティンポフォン登山口から、いよいよ登山開始である。

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ダイヤモンドヘッドに登れなかった女のキナバル山登頂作戦とは?

パスポートを見せるなどしてID(入山許可証)をもらい、9時頃、登山を開始することができた。

「入山許可証はずっと首からぶら下げて求められたらいつでも見せるように」言われるが、馬鹿正直に首からブラブラ下げていてはいけない。この先、風で飛ばされてなくしてしまうかもしれない。山では首から何かをブラブラさせてはいけない。入山許可証はきちんとしまっておこう。「求められたらいつでも見せられるように」しておけばそれで十分だ。

山域に入ると冒険を祝福してくれるようにいきなり滝と橋が現れる。周囲の緑は熱帯雨林の緑である。これからの登山が楽しみになる。

ダイヤモンドヘッドに登れなかった女を、キナバル山に登らせる大作戦といっても、私にできることは限られている。到底「お姫様抱っこ」して登る事なんてできない。ポーターのように二人分の荷物を担ぎ、彼女の背中の負担を軽くしてやるぐらいしかできることはない。

二人分の水や食料、着替えなどをアタックザックに詰め込んで、私の肩にかかる負担は大きくなったが、途中で出会うポーター(ボッカ)のものすごい荷物を見ると、こちらの泣き言は吹き飛んでしまう。

このポーターは三人分のザックを担ぎ上げている。なるほどザックを三つ担ぐときにはこうして紐で結べばいいのか。放浪のバックパッカー旅行の参考に……ならないな。そんな機会は絶対にないだろう。

キナバル山では別途お金さえ払えば、自分の荷物をラバンラタ小屋までポーターに運んでもらうことができるのだ。

こちらの方は山小屋に水や食材を運んでいるのだろう。いや、こんな荷物で登るのはおれには無理です。

このようなシェルター(休憩所)があってラバンラタ・レストハウス(宿泊する山小屋)まで7か所ある。すべてに水洗トイレがある。トイレは日本の富士山のような現地処理のバイオトイレではなく、下水道が引かれていて下まで運んでいるということだ。

こちらが下水管。汚水管が登山道沿いにずっと下まで引かれているからキナバル国立公園を汚さないというわけである。

私はかなりの数の日本の百名山を登っているが、このように山上のトイレから下水管がずっと下まで引かれている山は知らない。日本の山はたいていバイオ処理(現地処理)である。この下水管作戦は日本山岳界も見習ってもいいのではないか。富士山では凍結などの問題があるんだろうが。

登山道の脇に食虫植物ウツボカズラがあった。大きくて見ごたえのある美しい食虫植物であったが、私が見たいのは食虫植物ではない。世界最大の花ラフレシアなのである。

山道にラフレシアが咲いていないか聞くが、ガイドもラフレシア情報はもっていなかった。キナバル登山道にラフレシアは咲いていないのだろう。もっと低い場所、ポーリン温泉の方に咲いていると聞いた。

やはりお前も通りいっぺんの情報しか持っていないのか。

ガイドは休憩中、ずっとスマホをいじっていた。ところどころ電波が通じるようで、情報があれば教えてくれるはずである。ラフレシア情報はネット上に無いのだ、そう思わざるを得ない。

12時ラヤンラヤン・ハット(比較的大きな休憩所)で昼食をとった。

シェルター(休憩所)で休んでいるとリスが餌をねだってやってくる。すべてのシェルターでリスが来た。もう完全に人間から餌をもらえることを覚えてしまっているな。

ところでダイヤモンドヘッドに一気に登れなかった女イロハであるが、一歩一歩快調に登っている。後ろから見ていて何の不安もなかった。

やはりダイヤモンドヘッドに登れなかったのは、あの時の甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモン減少)橋本病が原因だったのだろう。甲状腺ホルモンは代謝を調節するホルモンで、減少すると筋力が低下し、疲労しやすくなり、気力がわいてこなくなるらしい。

9時ごろから登り始めて、直線距離で約6kmのラバンラタ・レストハウス(山小屋)に15時30分には到着した。

ダイヤモンドヘッドに登れなかった女のキナバル山。第3章につづく

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~~このサイトについて~~

比叡山の大阿闍梨(千日回峰行者)様を超える生涯走行距離の中で走りながら感じたことをサブスリーランナーが綴るコラム。

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プロフィール


サンダルマン・ハルト。雑誌『ランナーズ』等に執筆歴のあるライター。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。サブスリーランナー。グランドスラムの達成者(100kmサブテン。富士登山競争登頂)。スイス・ブライトホルン。マレーシア・キナバル山。台湾・玉山ニイタカヤマ。南アルプス全山縦走など登山歴も豊富。キャンプ・車中泊マニア。アウトドア派の放浪の旅人。現在、仮想地球一周ランニング中。
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