ドラクエ的な人生

「性格」が「人」。簡単に変われるなら「性格」なんてない。「性格」がないならどうやって他人を愛したらいいのだろう?

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お金持ちの世界を一瞬で手に入れる方法

お金持ちになったらどんな気持ちだろうか、と思うことはありませんか?
貧乏な私たちとは「触れているもの」「感じていること」何もかもがお金持ちは違うと思ってはいないでしょうか?
しかし実際は「同じ本」や「同じ映画」を見て感動している時、感動の種類や人生の味わいの深みは、お金持ちも私たちビンボー人も変わりはありません。わかりますよね?
そうは言っても向こうはたくさんの蓄財があるじゃないか! そう反論しますか?
それは、この瞬間、「いま、ここ」を強烈に生きていないから、そう感じてしまうのです。
「今がすべて」ではなく、過去や未来を見てしまっているから、お金持ちは違うとイメージしてしまうのです。
アドラー心理学を「哲人」と「青年」の対話形式で書いた『嫌われる勇気』という本があります。

『嫌われる勇気』を読み進めているうちに、こういう生き方をしている人は誰だろうかと考えました。

そして岡本太郎の顔が浮かんできてしかたがありませんでした。
この瞬間、「いま、ここ」の強烈な光に過去は関係ないし、未来もない。
イマココ哲学を体現できれば、お金持ちの世界(感じていること)を一瞬で手に入れることができます。
お金持ちも、貧しい私たちも、瞬間瞬間を生きていることに変わりはないからです。
この瞬間の命の爆発に、蓄財の多寡は関係ありません。
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トラウマは存在しない。過去など関係ない。本当か?

過去など関係ない。過去の経験の意味を自分が決めているのだからトラウマなんてない。すべては本人の解釈次第である。『嫌われる勇気』ではそう言っている。
言っていることを理解はできる。が、どうか?
戦闘ストレス反応というPTSDを知ってるだろうか。シェル・ショック(砲弾神経症。戦場ショック)と言ったりもするのだが、塹壕の中でいつ死ぬかわからない銃弾や爆弾の音の中、死の恐怖に常時さらされて、神経を病んでしまうという病気だ。
戦場ショックで痙攣して歩けなくなってしまっている人に、それと同じことが言えるのか?
「君は砲弾ショックにひたって病人でいた方が楽チンだから、過去を自分に都合よく利用しているんだ」
「砲弾が降ってきたのは過去のことじゃないか。今は関係ないだろう」
「戦場が恐くて病気に逃避しているんだ。仮病みたいなものだ」(終戦後も症状が続いているにもかかわらず)
「いろいろ不満はあったとしても、「このままの私」でいることの方が楽で、安心なんだろ?
「今のライフスタイル(世界や自分への意味づけ)をやめる、という決心をしろ!」
私は疑問だなあと思う。
難しいことは言っていない。理解はできる。でも「こじつけ」な気がする。はっきりいって間違っているんじゃないか? いうまでもないが、アドラー先生が言っているからといって、すべて正しいとは限らないのだ。
もう一方の大家フロイト先生は「トラウマはある」と言っているのだから。なにもアドラーを妄信することはない。おれは、過去に否応なしに影響されることはあると思うよ。
プライマル・スクリーム(原初からの叫び)
この瞬間に人は変われるというが、人には「反応の傾向」というものがあって、それが「性格」だ。「性格」が「人」なのであって、そう簡単に人が変われるというならば「性格」なんてないってことになる。「性格」がないなら、私たちはどうやって他人を愛したらいいのだろう?
「性格」がないなら「個性」もない。「個性」がないなら、人格は何に香るのだろう? 
こう考えた方がハッピーになれるんじゃありませんか? という方法論として提示しているのなら、わかる。
しかし「これが真実だ」と提示されたら、嘘つけ、と言うねオレなら。
哲学とか心理学ではなく、カウンセリングの方法論と言った方がいいんじゃないか?
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この瞬間、自分の問題と他者の問題をわけて考える

自分に対する評価を下すのは「他者の問題」で自分ではどうしようもないんだから、他人の評価を気にするな。
「自分の問題」と「他者の問題」を分けて考えろ。
分けて考えることで世界はシンプルになる。
アーティストならいいが、政治家にはなれないタイプの考え方ではないかなあ。

瞬間を生きる哲学、この本は政治家向けの本ではないと思います。アーティスト向けの本だと思います。

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「一人じゃ孤独を感じられない、だからfor you」宇多田ヒカル

「一人じゃ孤独を感じられない、だからfor you~♪」
宇多田ヒカルの『For you』という歌の歌詞です。
孤独を感じるのにも他者を必要とする。アドラーと同じことを歌っています。
人間の悩みはすべて対人関係の悩みだとアドラーはいいます。
それには100%同意します。
歓喜はすべて対人関係のなかにあるとは思いませんが、悩みはすべて対人関係の中にあるといってもいいと思うなあ。
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この瞬間、誰とも競争することなく、ただ前を向いて歩いていけばいい

芸術は、爆発だ
岡本太郎さんの言葉ですが「この瞬間哲学」は、お金持ちとか貧乏とかを消してしまう力があります。
たとえば本書『嫌われる勇気』ですが、YouTube上では中田敦彦さんが解説をしています。
中田敦彦さんは年収が億超えの超大金持ちですよね?
しかし『嫌われる勇気』を読んで咀嚼している「この瞬間の人生の味わい」は、貧乏な私も、お金持ちの中田さんも変わりません。
ほら、「この瞬間、イマココ哲学」は、貧富の差を消してしまいましたよ!!
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対人関係の軸に競争がある限り、不幸から逃れられない

「自分が自分であろうとするとき、競争は必ずそれを邪魔をしてきます」
競争の世界に生きていると、いつのまにか、他者全般を、世界を敵だと見なすようになるから。
競争に生きている限り、成功しても幸せを実感できない人が多いといいます。
「お前の顔を気にしているのはお前だけだよ」
競争から解放され、人々は仲間だと実感できるように、原因論でなく目的論に生きるべきだと本書はいいます。
あなたが正しいと思うなら、他の人がどんな意見であれ、そこで完結すべき話で、勝ち負けとは関係ない。
その正しいと思う道を貫くとき、嫌われる勇気が必要になるのです。
好かれようとすると、他人にそった生き方をすることになるから。
「これは誰の課題なのか」他者の課題には踏み込まないようにしようと本書はいいます。
アメリカ合衆国の大統領に聴かせてやりたい言葉ですね。
世界の警察官とか称して他国の問題に口出ししてはもめ事をまき散らしているのがアメリカです。
「自国の課題」と「他国の課題」が分離できていません。
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ドラクエ的な勇気の心理学

ドラクエの主人公は「勇者」です。勇気のあるもののことですね。
いちばん大切なのは、力でも知力でもなく、勇気なのだと『嫌われる勇気』は主張しています。
アドラー心理学はドラクエと同じ結論なのです。勇気こそが大事だ、と。
私もずっとそう思っていました。そうでなければ本ブログの名前を『ドラクエ的な人生』なんて名付けたりしません。
あなただけの冒険に出発しましょう。できるのは「自分の信じる最善の道を進むこと」だけ。
他者がどのような評価を下すかは、他者の問題で、あなたにはどうすることもできません。
だから嫌われてもいい勇気を持て、というのが本書の要旨です。
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勇気って何だ?

他者の課題を切り捨てるのが勇気。
好かれるために他人の価値観に生きることを捨て去るのが勇気。
自分を貫くために嫌われるのが勇気。
「あの人の期待を満たすために生きてはいけない」
この瞬間、他者からの承認を求めることを否定するのが勇気。
他者の期待など満たす必要などない。
他人の評価ばかり気にしていると最終的には他者の人生を生きることになる。
承認欲求は不自由を強いる。
他者の評価を気に掛けず、嫌われることを恐れず、承認されないかもしれないというコストを支払わない限り、自分の行き方を貫くことはできない。
関係が壊れることだけを恐れて生きるのは、他者のために生きている不自由な生き方です。
生き方を変えられないのは、能力が足りないのではない。勇気が足りないのだ。
『嫌われる勇気』はそのようなことを再確認させてくれました。
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この瞬間、「いま、ここ」の爆発。イマココ哲学

我々は「いま、ここ」にしか生きることができない。
計画的な人生なんて不可能なことだ。
「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てて生きていたら、過去も未来も見えなくなるでしょう。
この瞬間、「いま、ここ」の強烈な光に過去は関係ないし、未来もない。
「いま、ここ」を真剣に生きていたら、そんな言葉など出てこない。
人生の物語は必要なくなり、瞬間瞬間の爆発だけが人生になる。
人生最大の嘘は「いま、ここ」を生きないことだ。
私はアドラー心理学の、この瞬間「いま、ここ」哲学が最も印象に残りました。
アドラー心理学のすべてが正しいと証明されたわけでもありませんし、腑に落ちたわけではありません。
「現状維持に都合のいい解釈のため、過去を利用している」とか「自分と他者の問題をわけて、他者の問題に土足で立ち入るな。自分の問題に他者を立ち入らせるな」とか、「他者の期待を満たすために生きることはやめろ。それは他者の課題なのだから」とか、和を以て貴しとなす日本人にはちょっとどうかな?? と思うところも多々あります。
しかし勇気が最も大事だというドラクエ的な結論と、この瞬間「いま、ここ」哲学には、非常に共感を覚えました。
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