ドラクエ的な人生

海外旅行でホテルを予約するデメリットは、逆に予約に縛られて自由を失うこと

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ネットで予約する海外旅行。勇者じゃなくても旅行できる時代になった

これまで何か国もの国々を、いろんな方法で旅してきました。昔と今で顕著な変化は、インターネットの発展によって、世界中の宿をネット予約できるようになったことです。

「行った先に眠れる場所があるかどうかわからない」と不安で出かけられなかった旅行者にとってネット予約は福音です。

かつて旅に出ることができる最大の力は「勇気」でした。でも今「勇気」はかつてほどはいらなくなっています。帰路の航空券とホテルの予約があれば、勇気なんて奮い起こす必要はありません。ホテルのレセプションにバウチャーを見せるだけでいいのです。不安におびえることはありません。勇気なんていりません。旅程は確約されています。

ところがこの「予約」がくせものなのです。予約というのはメリットもあればデメリットもあります。

メリットは「安心」です。今夜、泊まる場所がないかもしれないという不安は旅のよろこびをかき消してしまうかもしれません。とくに日本人にはビビりの人が多いと感じています。

デメリットは逆に予約に縛られるということです。目の前にすごく安くていいホテルが空いていたとしても、予約のせいで、そこに泊まることができません。もう他のホテルを予約してしまっているのですから、わざわざそこへ移動しなければなりません。

うろつきまわりたい夜の繁華街から、予約したホテルが遠い場合は悲しくなります。

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ネット予約できるホテルは超格安ホテルではない

またインターネットから予約できるホテルは、ホテル予約サイトがお墨付きをあたえるようなクラスのホテルしか掲載されませんから、超格安ということはありません。ホテル予約サイトは利用者から苦情が来ると困るので、超格安宿は排除されています。

すくなくともインターネットで予約を受けつけるほど企業化・近代化されたホテルに泊まることになります。すると、どこもかしこも、似たり寄ったりの、見たことがあるようなホテルになるのです。すると快適ですがあまり記憶に残らないホテルライフとなってしまいます。

旅慣れた人はこれを「つまらない」と感じます。今夜どんなホテルに泊まることになるのかわからない、というのが最大の冒険なので、どこかで泊ったことがあるような代わり映えのしない部屋が準備されていることを「つまらない」と感じてしまうのです。

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管理された宿よりも安宿の方が自由なこともある

いつも開いていて誰かがレセプションにいる安宿と違って、ホテル予約サイトから予約したホテルはフロントにカギがかかっていて誰もいない場合があります。かつて私がトリップアドバイザーから予約したホテルは、午前9時にならないと人がフロントにいないというホテルでした。早朝に到着したのですが、入口にカギがかかっていて中に入れないのです。ホテルの外でまちぼうけをくらうことになりました。保安のために宿泊客以外は夜間は出入りできないようになっているのです。飛び込みの安宿だったら、その場で部屋を確保して、荷物をあずけて市街地散策を楽しめたのですが、予約に縛られてそういうわけにはいきませんでした。これがホテル予約の最大のデメリットでしょうか。

その時はホテルをキャンセルできるものならキャンセルしたいと思いました。しかしクレジットカードですでに支払い済みでした。あとの祭りです。

ホテル予約サイトから予約できるホテルは、こじゃれている代わりに、場所も不便でわかりにくいことが多いのもひとつの特徴です。

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ホテル予約なしの旅=放浪の旅

インターネットでホテルの予約をする旅の対極にあるのが、ホテル予約なしの旅です。今夜、どこに泊まるのかわからない状態で旅をするのです。これを放浪の旅と私は呼んでいます。この場合、ホテル探しも旅の一部です。ホテル探しも出会いのうちです。

みなさん、旅先で、美味しい料理やスイーツに出会いたいと思って旅をしますよね。すてきなお店でいいお土産を探したいと思って旅をしますよね。それと同じようにいい部屋いいホテルに出会いたいなあと思って旅をするのです。

そう思えるようになれば旅慣れた上級者だと思います。今夜のホテルが「予想もしなかった場所」にホテルがあることもあります。部屋が見つかった時には心からホッとします。今夜、野宿せずにすむということですから。飛び込みでのホテル探しは、安宿街を当たるのが鉄則です。安い宿がかたまってある地域では目指すホテルが満室でも、隣のホテルが開いているなど、歩き回る必要がありません。空室があるとわかっていれば歩く気力も湧きますが、ホテルがあるかないかわからない状態では不安で歩くのがいつもの倍以上疲れます。めったに観光客が行かないマイナーな場所で、行き当たりばったりでホテルを探すのは簡単ではありません。

それでもホテル探しのコツというものはあります。旅慣れてくると安宿を探す嗅覚が発達してきます。言葉にすれば、地元の商人が泊まる市場の近く、駅の近くの裏通りに存在することが多いのですが、こればっかりは現地を嗅覚で当てるしかありません。嗅覚をつかむまでは部屋を探して歩き回ることになるでしょう。その経験値を積むための冒険を楽しいと思えるかどうかが、放浪の旅人と観光客との分かれ道になります。

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最強なのは「今そこにある」「目の前のホテル」

世界中を旅してきましたが、不思議と中級ホテルではなく安宿のことばかり覚えています。高くていい宿のことはほとんど覚えていません。高くていい宿はだいたいどこも似ているので感動がないからでしょう。無難ですが、特徴がないのです。予想されるサービスが提供されているだけです。

ところが安宿は違います。あれもない、これもない。こいつも削ってきたか。と心が揺さぶられます。そして普段の生活がどれほど快適だったか知ることができます

ないと思っていたものがあったら感動します。シャンプーとか、テーブルとか、鏡とかがあるとビックリします。ドライヤーなんてあると高級ホテルかと錯覚するほどです。

人間、あってあたりまえと思っていると、あっても感動しないのですよ。

だから安宿は面白いのです。

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観光島のホテルはインターネット予約した方がいい

例外は「島」です。ハワイとかタヒチとかのような島は、予約なしだと危険な時があります。島の場合は予約しておいた方が無難です。

安宿というのは地元の流通業者が商用で泊るから安宿なのです。しかし島にはそのような地元流通業者のための宿はないので、安宿を探すのは難しくなります。

島ではどうせ観光客用のホテルに泊まることになるので、最初からネットでホテル予約してしまった方が無難だったりします。

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