アニメのキャラクターが、リアルな初恋の女(ひと)だったりする人は多い
男性諸君、みなさんそれぞれに初恋の人というのがいると思います。相手は学校の同級生という人も多いんでしょうけれど、実際にはもっと子供の頃に、たとえば幼稚園の先生だったりする人も多いのではないでしょうか?
わたしの場合は、アニオタだったので(今でもか?)、アニメのキャラクターがリアルな初恋の女(ひと)だったりします。超電磁ロボ『コン・バトラーV』の南原ちづるが、私の初恋の人なのでした。
南原ちづるとは?
南原ちづるとは、コンバトラーVの脚にあたる四号機、バトルマリンの搭乗者でチームの紅一点。主人公・葵豹馬と恋仲となる作中のヒロインです。お色気シーンもあったかな?
私の初恋の憧れの女性がなんで南原ちづるなのかといえば、私の年齢がたまたま放映時期と合致したからとしか言いようがありません。いわゆる「椅子取りゲームの音楽が鳴り終わった時」のタイミングだったのです。そしてコンバトラーVというアニメが好きだったから、というのが理由のすべてだと思います。べつに南原ちづるが特別な女性だったからではないとずっと思いこんでいました。
さすがおれの初恋の人。結婚相手はアニメ界の帝王。ささきいさお
ところが、ふと南原ちづるのことを思い出して、実際にどんなキャラクターだったのかと大人目線で詳しく調べてみることにしました。暇だったのでw。そして驚きました。
「さすが、おれの初恋の女(ひと)」
と、調べるほどに、何度も思いました。その感動が、こうして記事を書かせています。
アニメのキャラクターをつくるのは、大きくいえば声優と監督です。
まず、南原ちづるの声優さんを調べていて、めっちゃくちゃ驚きました。上田みゆきさんという方が声を当てているのですが、この人、誰と結婚したと思います? 結婚相手は超大物でした。
アニメ界の帝王ですよ。あの、ささきいさおさんです。コンドルのジョーです。これには本当に驚きました。帝王ささきいさおと結婚するなんて、さすがオレの初恋の女だと思ったのでした。
アニメのキャラクターをつくるのは声優と監督
アニメのキャラクターをつくる声優さんが「ささきいさおの妻」だとすれば、もう一方の監督のほうはどうなのでしょうか?
コン・バトラーVの総監督は、長浜忠夫さんです。この長浜さんというのが調べたらものすごい人でした。このコン・バトラーVの続編が、フィリピンで国民的な人気があるという『ボルテスV』です。国民の大半が主題歌を歌えるとか、ものすごい視聴率だったとか、アメリカにおけるビートルズ的ないろんな逸話があって、フィリピン人監督の手でリバイバル作品もつくられました。私にとってボルテスVは「なんか鳥みたいな顔」「剣が必殺技」というのが受けつけなくてあまり好きではありませんでした。超電磁スピン、かっこよかったなあ。ボルテスは先輩を見習えよ! なんでロボットが剣で切るんだよ、サムライか!?
まあボルテスVの私の評価は別にして、他国の国民的アニメなんて作ろうと思って作れるものじゃありません。さすがは長浜さん。南原ちづるをつくった男だけのことはあります。
ちなみにコンバトラーVの前作といえるのが『勇者ライディーン』だそうです。敵に体当たりして、どてっ腹に風穴を開ける必殺技というところが共通していますね。
長浜さんはその後、『ベルサイユのばら』にも参画しています。あの男装の麗人・オスカルの中にも、いくらか南原ちづるの血が流れているかもしれません。
コンバトラーVには、長浜さんの他にも、富野由悠季さんや、安彦良和さんも関係しているそうです。錚々たるスタッフで作り上げた作品だったんですね。その作品のヒロインが南原ちづるだったのです。さすが私の初恋の女だけのことはあるなあ、と調べれば調べるほど思ったのでした。
コンバトラーVの最終回はデウス・エクス・マキナ
たしかコンバトラーVの最終回は、デウス・エクス・マキナ的な展開だったと思います。主役メカのコンバトラーVでもどうにも対処できない巨大な災厄に見舞われて「もう終わり。絶望」というところで、神秘の力によって事態が急転直下で解決するという……当時は子供だったのでなんだかモヤモヤしたものでしたが、この手法は長じて見ればデウス・エクス・マキナという古典的な作劇作法なのでした。さすが長浜忠夫! ギリシア悲劇に通じるものだったんですね。
そして平和になってバトルチームの三人が故郷に帰っていくのですが、なぜか主人公・葵豹馬だけは帰らずに南原ちづると一緒に残るという終わり方でした。南原ちづると葵豹馬は結ばれたんでしょうね。
初恋の人をとられて、嫉妬したかって?
いいえ。葵豹馬は熱血漢で子供が感情移入しやすいキャラクターでした。少年はみんな豹馬に自分を投影していたはずです。浪花十三(ちびまる子ちゃんのナレーター)西川大作(初代ジャイアン)北小介(ぴょん吉)に自己投影した少年はいないはずw。ガンダムのアムロのような屈折キャラではなかったので、子供はみんな自分を豹馬に投影していたと思います。つまり豹馬とちづるが結ばれるのは、自分の初恋がかなうような展開だったのです。
ふとしたきっかけで、南原ちづるのことを思い出しました。そして大人の目線で調べれば調べるほど、さすがおれの初恋の女だなあ、と感心したのでした。
初恋の女(ひと)が、そういうすばらしい彼女でよかった。

