どうもハルトです。みなさん今日も元気に走っていますか?
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このブログの作者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』のご紹介
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードをガチンコで競うようになるところまでを描いた自転車エッセイ集です。
※書籍の内容
●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方
●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?
●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法
●ロードバイク乗りが、クロストレーニングとしてマラソンを取り入れることのメリット・デメリット
●ロードバイクとマラソンの両立は可能か? サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?
●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由
初心者から上級者まで広く対象とした内容になっています。
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東日本大震災で、自転車を買って帰宅した人たちがいる
東日本大震災が起こったとき、みんなどこにいたんだろう。関西以西の人は「揺れも感じなかった」と聞くが、関東から北東に住んでいる人はあのものすごい揺れを今でも覚えているはずだ。
あの時、僕は職場にいた。ビルの6階で仕事をしていた。そして大きな揺れが来た。
たしか当時、ニュージーランドに地震があってビルが倒壊したというフレッシュなニュースがあったばかりだった。そのイメージが脳裏に閃き、自分のビルも倒壊し瓦礫に下敷きになるのだと思った。テレビの映像と今の自分がオーバーラップするような、すごい揺れだった。
我が社ビルの倒壊こそなかったが、東京都内は帰宅難民で溢れ返った。何本も走っている電車がすべて止まったのだ。タクシー乗り場には行列ができていたが、需給バランスが完全に破綻していた。いつまで待ってもタクシーなんか乗れるわけがない。
マンガ喫茶になんか泊まれるわけがなかった。区役所などのパブリックスペースでは急遽仮眠室を用意したという。会社で寝た人も多かっただろう。独り者ならそれでいい。しかし家族や家が気になってどうしても帰りたいという人たちもいた。
そんなとき驚くべきニュースをテレビで見た。大地震の夜、ママチャリ(シティサイクル)が飛ぶように売れているというのだ。
電車やタクシーで帰れないから、ママチャリを買ってそれで家に帰るのだという。なんという豊かな発想であろうか。「窮すれば通ず」というが、自分の中ではありえない発想をする人がいるものだなあ、と心底衝撃を受け、驚いたを覚えてる。
タクシーで帰るよりもママチャリ買った方が安いという発想
たしかに片道20kmぐらいならば、毎日のことでなければ、ママチャリで帰れないことはない。さすがに毎日や、往復だとちょっと無理だと思うが、とにかく震災の日は家に帰って家族の顔を見たい一心なのだ。
大震災の当日は急遽ママチャリの値段が跳ね上がったという。個人経営の自転車屋ならばそれも可能だっただろう。しかし自転車チェーン店の雇われ店長では、独断で値札を書き換えるのは難しかっただろう。するとママチャリならば2万円もあればお釣りが来るような値段だったはずだ。タクシーで帰るよりも全然安い、という人もたくさんいただろう。
片道20kmぐらいならば走ったって帰れる。僕ならランニングシューズを買うね。だってその方が安いから。おれの勝負用シューズは「アディダスのREN(練)」。だいたい15,000ぐらいの予算をいつも見ている。
比較すれば、 ランニングシューズも自転車も値段はたいして変わらない。
どちらも15,000円あれば買えるぐらいの感覚である。
えつ! ランニングシューズと自転車の値段が同じ?
ちょっとにわかには信じられない気がするが、これが現実だ。
ランニングシューズと自転車が同じ値段だなんて……昔は自転車は一生ものの高級品だったのに。これじゃあ自転車を買って帰る人がいたっておかしくはない。
自転車は愛して、ずっと乗る乗り物
帰宅難民の理屈「ランニングシューズを買うのも、自転車を買うのも値段は同じ。タクシーで帰るよりもずっと安い」まあ後から理屈を聞かされればその通りである。しかしそれは「コロンブスの卵」というものだ。
僕が心底驚いたのは「使い捨て感覚でママチャリを買う」という発想そのものに対してである。だって電車が動くようになったら、もうそのママチャリ使わないんでしょ?
ランニングシューズなら1年ぐらいで履き潰してしまうからもったいなくないけれど、ママチャリを1年で買い替える人なんかいない。第一、置き場所がないだろうに。
僕の中で、自転車というものは吟味して購入し、大切に乗って、10年ぐらいは使うものであって、「今夜家に帰るのに使えたらそれで十分、あとは捨てちゃってもいいや」というような乗り物では決してない。たった一晩のために、自転車買うかなあ、普通。。。
我が家には「モッタイナイお化け」が出ます。ああ、モッタイナイ、モッタイナイ。
「高いんだから自転車は大切にしなさい」という家で育ったために、今夜使えたら十分、後は粗大ごみに捨ててしまってもいいや、という感覚では自転車は買えないのだ。これが教育の成果、あるいは洗脳の成果というやつであろうか。
帰宅難民になっても、僕なら会社に寝泊まりし、自転車を買ったりしなかったと思う。急遽自転車屋に立ち寄ってその場で即金で自転車を買うという行為の発想がなかったし、その行為の何かが引っかかるのだ。
家族の顔を見て安心するために必死だった人たちを非難しているのではない。我が家には「もったいないお化け」が出ると言っているだけである。世の中には自分とは「コペルニクス的」に違う発想をする人がたくさんいて、そのことに僕は驚いたのである。
自転車愛のためのふたつのルール
何が引っかかるのか。それは「自転車愛」ということに尽きると思う。「自転車を大切に乗ろう」ということである。「モノを大切にしよう」ということである。
自転車を愛するためには二つのルールがある。
ひとつは空気をこまめに入れて、タイヤの空気圧を適正に管理するということである。タイヤの空気圧が低下すると、段差などを乗り上げた時に、タイヤとリムにチューブが挟まれてパンクします。リム打ちパンク(スネークバイト)を防ぐためには適正な空気圧管理が必要である。
もうひとつはきちっと管理・保管することだろう。ときどき掃除して綺麗にしてあげると自転車は見違える。そして外保管する場合には、自転車カバーをかけてあげると、汚れやさびからフレームを守り、いつも気持ちよく自転車に乗ることができるのだ。
愛自転車には「自転車カバー」をつけよう。
自転車カバーは「自転車愛」の必須アイテムである。実際のところ自転車カバーを使用すると車体への埃の付き具合が全然違う。強風の翌朝など、自転車のサドルの埃にゲンナリしたことはないだろうか。とくにスーツ通勤のサラリーマンにとってはサドルの埃は重要な問題である。ビシッとスーツで決めてもお尻がサドル形に汚れていては笑われてしまう。
毎朝、雑巾を持って自転車に行くのも気分が滅入る。やはりここはActive Winnerの自転車カバーで自転車を丸ごとすっぽりと覆ってしまうといい。29インチタイヤもおさまる大きめのサイズなので安心である。100円ショップなどで購入できる安い自転車カバーは小さいために車体の半分しか覆えないことがあるのだ。そのときあなたならギアを守ってハブダイナモを雨に晒しますか? それともハブダイナモを守ってギアを雨に晒しますか? う~ん悩ましい。
いや、悩むことはない。すっぽり覆ってしまえば済むことだ。
安い自転車カバーはすぐに穴が開いてボロボロになる。破れたゴミ袋をかぶせているような状態になってしまうのだ。これは「自転車愛」にはふさわしくない。
錆びないように気をつかうということが自転車を大事にするということである。雨は天敵だ。撥水加工されている自転車カバーがいい。風飛び防止のワンタッチバックルもついているタイプがいい。朝起きたら自転車カバーがなくなっていたなんてことはない。電動自転車や原チャリにも使ってもいい。いやむしろ使うべきだろう。
愛犬に犬小屋があるように、愛チャリには自転車カバーが必要なのだ。