生姜紅茶の致命的な二つの欠点
私は生姜紅茶を毎日飲んでいます。生姜紅茶はとても健康に良いとされています。
血行促進、体を温める。抗炎症作用などが期待できるそうで、多くの医者が「生姜紅茶」をすすめています。生姜紅茶というのはほとんど四字熟語のようなもので、どちらかが欠けてもダメであるかのように、いつもワンセットで語られます。生姜だけ白湯で飲みなさいという人はいません。紅茶にいれなさい、とみんなが言います。なぜでしょうか?
しかし長年愛飲してきた経験者にいわせてもらえれば、生姜紅茶には二つの致命的な弱点があります。それは、
①ものすごい利尿効果。トイレが近くなる。
ひとつめは、ものすごい利尿効果があることです。どちらが効くのか、あるいは相乗効果かわかりませんが、生姜紅茶を飲むと、ものすごくトイレが近くなります。
普段はいいのですが、ドライブなどに出かけると困ったことになります。ちょっとドライブしたらすぐにトイレに行きたくなるのです。
ちょっとトイレ! 止めて!
さっきからトイレしか行ってないじゃないの
コンビニなどで放尿し、落ち着いたと思ってすこし先に進んだら、またすぐにトイレに行きたくなります。
コーヒー等他の飲料で、ここまで尿意を感じることはありません。そこが生姜紅茶のものすごいところです。放尿というのは体に不要なものを排出する行為です。それがすごいということは、それだけ生姜紅茶の健康パワーがすごいということなのかもしれません。デトックスがものすごいとも言えますが、旅の途中でやたらとトイレに行きたくなるのは正直言ってかなり困ります。
②超強力ステイン。歯が紅茶色になる。
もうひとつは、超強力ステインで歯が紅茶色になるということです。生姜紅茶というよりは紅茶が原因なのですが、とにかく歯が黒くなります。
そもそもティーバッグがなんでああいう形になっているかというと、すぐに紅茶葉をお湯から引き上げられるようにするためだそうです。もしも紅茶が緑茶のようにずっとお湯に浸かっていたら、ステイン効果が爆上がりして、すぐにお歯黒女のようになってしまいます。
だからすぐに紅茶葉を引き上げなければならないのですが、生姜紅茶の場合、生姜の方も浸出していますので、どうしてもお湯に浸している時間が長くなりがちです。
その結果、歯に色がついてしまうのでした。
生姜紅茶じゃなくて生姜緑茶なのだ
そこで私は考えました。生姜紅茶が二つも大きな欠点があるのなら、生姜緑茶にしたらどうだろうか、と。
想定外の化学反応をして毒物反応でも出たら困りますが、紅茶と緑茶はもともと同じチャノキという葉っぱから出来ています。発酵度合いが違うだけなので、生姜緑茶にしたら毒物反応が出るということはありません。素材は同じなので。
生姜緑茶をためしてみたところ、生姜紅茶ほどトイレに行きたくはなりませんでした。
これは科学的にいうと、生姜紅茶でトイレに行きたくなるのは、生姜の血行促進効果のほかに、緑茶の大量のカフェインが体を温め自律神経を刺激することによるブースト利尿効果によるものでした。
ところが緑茶は紅茶ほどカフェインがありません。素材が同じチャノキなのにどうしてカフェインの分量が違うのかというと、紅茶の方が発酵によって細胞壁が壊れやすくなっているので抽出量が緑茶よりも多いためです。そのために生姜紅茶ほど利尿効果はないのでした。さらには緑茶のカテキンが利尿を抑制するそうです。素材が同じチャノキなのにどうしてカテキンの分量が違うのかというと、紅茶の方は発酵によってカテキンが酸化して別の物質に変質しているためです。
そういうわけで、私は生姜紅茶から生姜緑茶に転向しようと思います。生姜紅茶のふたつの欠点である、利尿効果とステインについて、生姜緑茶はクリアしているので、こちらの方が優秀です。利尿については抑制的ですし、歯が黒くなることもありません。
残るは味の問題ですが、これは慣れでしょう。紅茶にはミルクや砂糖を入れることがあって多彩だけれども、緑茶にはなにも入れないものだと思い込んでいる日本人がいます。しかしそれは日本風の飲み方とイギリス風の飲み方の違いなだけで、単なる先入観、偏見です。別に緑茶に砂糖やミルクを入れたっていいのです。東南アジアでは砂糖の入った緑茶のペットボトルが普通に売っていますし、抹茶ラテにはミルクが入っています。緑茶に生姜が入っていたってすこしもおかしくありません。
生姜紅茶のステインや利尿効果に悩んでいる人は、生姜緑茶に転向することをおすすめします。

