ネイティブアメリカンの手紙。インディアンの首長が、アメリカ大統領に宛てた文明批判
感動する手紙を読んだので、それを書き残しておきたいと思います。
これはインディアン(ネイティブアメリカン)の代表者(スクアミシュ族とその周辺部族のリーダーだったシアトル首長)が、白人たちの代表者であるアメリカ大統領(フランクリン・ピアース大統領)に宛てて書いたものだそうです。
「ワシントンにいる大統領様へ。当時の私たちの土地を買いたいというお手紙をいただいたのですが、土地を買いたいとはどういう意味でしょうか。意味がよくわかりません。
土地を売る場合、空はどうなるのでしょうか。
土地に吹いている風はどうなるのでしょうか。
その土地に訪れた秋や冬をあなたに売ることは不可能のように思えます。
この土地には川が流れていますし、私たちの先祖の墓、思い出、そして私ども部族の神話も残っております。
鳥や獣がおりますが、それを買いたいとは意味がよくわかりません。
もしあなたが来れば、私たちは歓迎します。一緒に野原で遊びましょう。
売り買いする必要はないと思いますが。
土地を買いたいという意味がわかりません」
この首長は白人社会通だったそうです。本当に意味が分からなかったアホの手紙ではなく、無知を装った文明批判の手紙として後世に残りました。
サステナブルなアジア人的な生き方。
アウトドアをやっていると、ネイティブアメリカンの暮らしは現代ではとても高く評価されていることがわかります。日本でいえば、縄文時代の暮らしを高く評価するようなイメージでしょうか。
経済・経営の世界で、サステナブルという言葉が謳われるようになって、ネイティブアメリカンの評価はますます高まりました。釈迦とか老子とかも同じだと思いますが、自然から屹立しようとする西洋思想に対して、東洋思想は自然と一体化しようという傾向があります。
ネイティブアメリカンは結局のところ西欧人ではなく、アジア人であり、東洋的な生き方をしていたのだと思います。
家は買わずに借りる主義。持ち家主義者への強烈なカウンター
私は、家は買わずに借りる主義です。ときどきこの主義と真っ向から対立する主義の人がいて「いい齢して、どうしておまえは家を買わないんだ?」と、理解不能のエイリアンを見るような目をして、問いかけられることがあります。
「家は買うより借りて、その資金を投資に回した方が、財政的に有利だ」とか、持ち家主義者に対して反駁することはできますが、それよりもこのインディアンの首長の手紙を読ませた方が、よっぽど説得力があると感じました。
庭なんて狭いよ。それよりも海や山を自分の庭と思った方がずっといい。そういう場所に住むためには引っ越しが必要です。
日本に家を買ったら日本人になっちゃうじゃん。おれは世界を住処にして暮らしていきたいんだよ。

