ドラクエ的な人生

白マスクをしているだけで日本人だとわかる時代があった

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上海、北京は東京よりもずっと近代化された都市

日本にずっといるとわからないことが、実際に海外旅行をすると身に染みてよくわかるということがある。

そして海外放浪者にとって「あたりまえ」のことが、ずっと日本にいる人には「知らない情報」だったりすることがよくある。

たとえばずっと日本にいる人は中国のことを「古色蒼然」とした古臭い「いにしえの都市」だと思い込んでいたりする。しかし実際の北京や上海は東京や大阪よりもずっと近代的な街である。

たとえば上海は空港を降りたらいきなりリニアモーターカーに乗り換えだし、北京のシェアサイクリングは普及しすぎてゴミの山のようだったが、すべてIoTのたまものである。路上のパフォーマーが投げ銭をスマホ決済しようとしているのには開いた口が塞がらなかった。

スマホでQRコードを読み取って、投げ銭金額をタッチパネルから入力するのである。

アフィリエイターは投げ銭稼業
どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか? 旅先で出会った忘れられない人 上海に旅行に行った時のことです。忘れられない人に会いました。 この人です。寒い上海でずっと二胡という中国の古い伝統的な楽器を弾いて、...

このように海外旅行者にとっては常識的なことでも、ずっと日本にいる人が知らないということは結構あるのだ。

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白マスクをしているだけで日本人だとわかる時代があった

最近の新型コロナウィルスの影響で日本ではマスク不足である。マスクのような軽工業製品は中国製が占める割合が非常に高いので、中国の経済・流通が滞ると、日本にマスクが届かなくなって品薄になることは容易に想像がつくことだ。

ところでこのマスク、諸外国の人はほとんどしないということを知っているだろうか?

世界中を旅してきたが、国民的にマスクをしている国は日本だけである。唯一、台湾ベトナムバイク乗り黒い布マスクをしていることがあるが、少数であり、国民皆マスクなのは世界中で日本だけだったと言っていいだろう。

白いマスクをして外国の街を歩いていると、大人たちからはぎょっとされることがよくあった。病人と間違われるのだ。あの白いマスクは病院の象徴であり、健常者が普段使いに使用するものではなかったのである。

子どもたちなどは遠慮がないから、熱い視線を投げかけてくる。「何だろう、あの人。変身ヒーローかな? そのわりにあまりかっこよくないな」という視線でじっと見てくるのだ。あまりにも興味深げにじっと見つめられるので、ちょっとしたアイドルタレントの気分を味わうことができたものだった。

白いマスクをして歩いていると、小さな子供たちのいたいけな瞳がじっと私のマスク顔を見つめるのである。そこで手を振ると、ちょっとしたコミュニケーションができる。子どもはすぐにお母さんの後ろに隠れてしまうが。

にっこり笑い返してもマスクの下だからわかってもらえない。ときどき手を振り返してくれる子もいた。そこには小さな快楽がたしかにあった。

マスク男は子供たちには不気味でもあったろう。しかし怖いもの見たさで子供たちは白マスクの男をじっと見つめてきた。それほど諸外国の人は白マスクをしていないのだ。

子供の視線を集めて注目されるので、マスクをして海外を散歩するだけで楽しかったものである。まさに非日常体験であった。

白いマスク。あれをしているのは日本人だけであった。

逆にいえばコタキナバルのような日中韓入り混じる都市でも、白いマスクをしているだけで日本人だとわかる。中国人、韓国人はマスクなんかしなかったから。

それがこの度の新型コロナウィルスの影響で、世界中の人たちがマスクをするようになってしまった。

感染防止のため、それは悪いことじゃない。

しかし子供たちからもう熱視線を浴びることはもうないであろう。世界中の人がマスクをするようになってしまったから。

物珍しさは失われ、子どもたちはもう私の白マスク姿に興味は持たないであろう。

私の変身ヒーローのような非日常体験は、終わってしまった。

新型コロナウィルスの早期終息を願っています。

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