どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?
強い沖縄のブランド力
沖縄旅行で感じたことは、沖縄ブランドの強さでした。
たいてい暖かいところで観光客を呼びたいとハワイを持ってくるというのが常道です。
よくありますよね。「××のハワイ」という表現。
たとえば済州島は「韓国のハワイ」と呼ばれています。半島の中ではめいっぱい南国の島ですから。観光イメージ戦略としてハワイに寄せてくるわけです。
たとえば千葉県の南房総では、暖流・黒潮のおかげでほんの少し都心よりも暖かいだけなのですが「アロハガーデン」なんて、いじらしいほど必死にハワイ・イメージをかぶせて観光客に来てもらおうとしています。
ハワイイメージで売り上げを伸ばしたいお店では店員が「アロハ」とハワイに寄せてきます。ところが沖縄には「ハイサイ」で通せる力があるのです。「マハロ」よりも「メンソーレ」の方が観光客が喜ぶのです。それが沖縄です。
実は優劣がはっきりとした表現
「××の〇〇」という表現がよくつかわれますよね。ベトナムのグエン・ザップ将軍は「赤いナポレオン」という異名をもらっていました。
地名だと戸越銀座とかアルプス銀座とか出羽富士とか讃岐富士とか。
修辞上「××より〇〇の方が素晴らしい」という前提に立って、この比喩は成立しています。その上で××も素晴らしい、と褒めている表現です。銀座や富士山のほうが素晴らしいから、表現として成立しているわけです。
浪速のモーツアルトとか。素晴らしいのはキダタロー先生ではなくモーツアルトですね。でもキダタロー先生もすごい、と褒めている表現なわけです。
だからエベレストのことを「ネパールの富士山」とは言いません。相手は世界一高い山ですから。いかに富士山でもそこまで凌駕する力はないのです。槍ヶ岳は日本のマッターホルンと呼ばれたりします。
沖縄を「日本のハワイ」と言うことは、素晴らしいのはハワイだと認めていることになります。だから沖縄のことを日本のハワイと言う人はいないのです。
ハワイをライバル視すらしていない
負けていない、というよりも、沖縄はハワイをライバル視すらしていないようでした。太平洋戦争はハワイに始まりオキナワに終わりました。特別な縁を結んでもよさそうなものですが、沖縄は他国のイメージを必要としていません。南房総などとは違い、沖縄にはそれほどのパワーがあるのです。
アロハシャツではなく「かりゆし」です。那覇のビジネスマンがかりゆしウェアを正装にして働いているのを見て、すがすがしい思いがしました。ビジネスマンはワイシャツにネクタイなんていうのは思い込みの常識です。そういう習慣は壊してしまえるということを那覇のビジネス街は見せてくれます。
「ハンバーグ目玉焼き丼」のロコモコ料理よりも沖縄料理の方がバリエーションに富んでいます。泡盛という地酒もあります。ハワイよりも沖縄の海のほうがきれいだというダイバーは世界中にいくらでもいます。「常夏の楽園ハワイ」によせて売ろう。沖縄にそういう姿勢は見られませんでした。そんな必要がないのでしょう。それほど沖縄オキナワという言葉そのものがブランド力を持っているということでしょう。
たとえば暖かい国に将来移住したいとして、ハワイに住むのはビザなど問題がありますが、沖縄ならば非常に現実味があります。
そういう場所が自分の母国にはあるということが、とてもありがたく、誇らしいことに感じられるのです。
日本に沖縄があってよかった。そうは思いませんか?