バックパッカーのたったひとつのメガネ。遠近両用メガネを選ぶべきかどうか
リアルドラゴンクエストのラスボスをウユニ塩湖、マチュピチュに決めた私です。ウユニの標高は3600m、痛恨の一撃は「高山病」ではないでしょうか?
高山病対策は、肉体を鍛えることで対処するとして、現在私は南米旅に持参する「たったひとつの私物」を収集しています。ドラクエ的にいうと、ラスボスと対決するため、究極の武器や防具を集めているような気分です。一軍選手と二軍選手をふるいにかけている監督のような気持ちで手持ちのモノを眺めています。
実際にグレゴリーの肩掛けカバンを旅の相棒にいったん決定したのですが、ほんの少しだけ大きさに違和感を感じて、別のカバンを買い求めました。大きさや、肩掛けの感触や、鞄そのものの重さや、使い勝手を考慮して別のカバンをスタメン・エースにすることに決めたのです。ほんのわずかの差でしかないのですが、数か月の旅の「たったひとつの相棒」には、妥協せずに選び抜きました。
そんな私が旅に持参する「たったひとつのメガネ」に悩んでいます。目はひとつ(一対)しかないのだからメガネはひとつしか持っていけないじゃないですか?
ところで強い眼鏡をかけると近くが見にくい私にとって、遠近両用メガネという選択はどうなのでしょうか?
このブログでは、遠近両用メガネの未経験者が、それを検討した様子を描いています。
遠近両用メガネはオールシーズンタイヤのようなもの
これまでに一度も遠近両用メガネというものを試してみたことがありません。だから買う前にいろいろと調べてみることにしました。まずは情報収集からです。
調べたところ、遠近両用メガネというのは、機能が遠く半分、近く半分の50%50%眼鏡のように聞こえますが、実際にはそうではないのでした。基本的には遠くを見る眼鏡(80%強)で、はがき数枚分の範囲だけ、視線を落としたときに近くを見るためのポイントがあるのだそうです。つまり近くを見るための機能は20%弱ぐらいなのです。
この20%の近くを見るポイントをどう考えるかで、遠近両用メガネを選ぶかどうかが決まります。
遠くばかり、あるいは近くばかり、どちらか一方を長時間眺めるのならば、遠近両用メガネはかしこい選択ではありません。遠く用のメガネ、近く用のメガネ(これがいわゆる老眼鏡)を使い分けて、二本持ちにしたほうがはるかにいいそうです。しょせん専用のものにはかなわないというわけです。オールシーズンタイヤみたいなものです。晴れの日の制動力はノーマルタイヤに劣り、雪上の制動力はスタットレスタイヤに劣る……。
実際、老眼鏡というのは英語でリーディンググラスといいます。読書用メガネなのです。本を読むときのためにかける眼鏡だと認識されています。ところで私は本は裸眼で読んでるのでした。
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『ギルガメッシュ叙事詩』にも描かれなかった、人類最古の問いに対する本当の答え
(本文より)「エンキドゥが死ぬなら、自分もいずれ死ぬのだ」
ギルガメッシュは「死を超えた永遠の命」を探し求めて旅立ちますが、結局、それを見つけることはできませんでした。
「人間は死ぬように作られている」
そんなあたりまえのことを悟って、ギルガメッシュは帰ってくるのです。
しかし私の読書の旅で見つけた答えは、ギルガメッシュとはすこし違うものでした。
なぜ人は死ななければならないのか?
その答えは、個よりも種を優先させるように遺伝子にプログラムされている、というものでした。
子供のために犠牲になる母親の愛のようなものが、なぜ人(私)は死ななければならないのかの答えでした。
エウレーカ! とうとう見つけた。そんな気がしました。わたしはずっと答えが知りたかったのです。
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マチュピチュは妙高山、ウユニ塩湖は富士山に匹敵する高度
また、私のようにパソコンの前で長時間過ごすのが日課の人間に、遠近両用メガネはまったく向かないことが判明しました。なぜなら近くを見る部分が眼鏡の下部にあるため、パソコン画面を眺めるには顎を上げて睥睨するようにPC画面を見なければならないからです。こんな不自然な格好では首が疲れてしまいます。
それでは路上を彷徨い流離うバックパッカーに、遠近両用メガネはどうなのでしょうか? 実は遠近両用メガネは、路面状態を常に見る必要がある活動ほど不向きだそうです。ウォーカーにはあまり向いていないんですね。
マチュピチュは山です。天空都市と呼ばれることもあります。標高は2430m、妙高山の山頂とほぼ同じ高さです。バスで行けば標高差も距離もないようですが、遺跡を歩くのにやはり足元を見なければなりません。遠近両用メガネはマチュピチュには向かないといえるでしょう。
またラスボスのウユニ塩湖は高度3600m、北岳よりもはるかに高いのです。国内で比較できるのは富士山の山頂しかありません。私が行く予定の雨季には水が溜まっています。水が空を映して天空の鏡と呼ばれるのですが、足元の水たまりを見ないで歩くのは危険でしょう。
私にとってラスボスに対抗できる勇者の剣は、遠近両用メガネではないということでしょう。
高地のラスボスを討伐しにいくような旅をするならば、それにふさわしい眼鏡を選ぶべき
最新作のドラクエはよくできていて、昔のような防御力のみではありません。防具には特殊効果があって、たとえば火を吐く相手には火に耐性のある防具を使った方が、たしょう防御力が劣っても、そちらを使った方が有利な仕様になっています。バックパッカーもそのような装備の選び方をすべきでしょう。たとえば会議室でプレゼンするような使い方をするなら、遠近両用メガネを選ぶべきかもしれません。しかし私のように高地のラスボスを討伐しにいくような使い方をするのならば、それにふさわしい眼鏡を選ぶべきです。それは、遠くがよく見える、強めの遠用単焦点眼鏡ということのようです。
今使っているメガネはパソコンに特化した仕様になっています。近くが見やすい反面、遠くがすこし見にくいのです。せっかくの旅行で、景色がよく見えないのでは、なんのために行くのかわかりません。私は見るために行くのです。そのために眼鏡にこだわっているのです。私にとって「たったひとつのメガネ」とは何なのか? それは単純に、遠くがよく見える単焦点のメガネであるようです。
そもそも旅の途中で、そんなに近くを見るでしょうか? どんな眼鏡を選ぶかは、旅のスタイルにかかっています。私は旅先でパソコンを見ないでしょう。本も読まないと思います。パソコンも電子書籍リーダーも持っていくつもりはありません。よく眠り、明日の予定を調べ、旅先の景色や出会った人たち、思い出の追想に費やすに違いありません。遠近両用メガネを選ぶべきかどうかは、旅の途中で近くをよく見るかどうかにかかっています。スマホは見るでしょうが、これまでどおり裸眼で見る予定です。
ウォーカー、ウォーキング愛好家に、遠近両用メガネは向いていない
たくさん歩く人にも、遠近両用メガネは向いていないそうです。石畳にせよ、不整地にせよ、階段にせよ、足元を見なければならないからです。遠近両用だと、距離感が狂いやすく、転倒・踏み外しのリスクがあるそうです。ところで私は南米に歩きに行くのです。ウォーカー、ウォーキング愛好家に遠近両用メガネは向いていません。
たくさん見る人にも遠近両用メガネは向きません。遠近両用メガネには視界の歪んでいる部分があるため、眼球を動かすのではなく頭全体を向けて対象を見なければならないのです。さらにその視界の歪みで気持ちが悪くなる人もいるようです。
私は南米に見に行くのです。体を使うために行くのです。快楽と、感動のために行くのです。私には遠近両用メガネは向いていません。
ラスボス討伐のための装備が、こうしてまたひとつ決まりました。最高の武器が決まって良かったです。眼鏡は遠くがよく見える強めの遠用単焦点のものにしようと思います。
そしてもしさらにひと工夫するとするならば、オーバーサングラスではなく、マグネットでサングラスを装着できるタイプのものにすれば、荷物が軽くなるというメリットがあります。そういえば近くのメガネ屋さんにそのタイプの新作があったなあ……。
おれのたった一つのメガネ、勇者の剣はアレにしょう!
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本書の内容
・「ユーミン主義(遊民主義)」→ 限りある時間の人生を、遊びながら生きていく方法。
・「プアイズム(ビンボー主義)」→ お金を使わないからこそ、人生はより楽しくなる。
・「新狩猟採集民としての新しい生き方」→ モノを買うという行為で、どこででも生きていける。
・「お客さまという権力」→ 成功者にも有名にもならなくていい。ただお客様になればいい。
・「スマホが変えた海外放浪」→ なくてよし、あればまたよし、スマートフォン。
・「強くてニューゲーム」 → 人生ゲームをもう一度はじめからプレイする方法。
・「インバウンド規制緩和」→ 外国人の感受性が、日本を自由に開放してくれるのだ。
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