アメリカ大統領、トランプ氏の動向を注視しています。株価の下落など実害を被っていますが、私はこの人嫌いじゃありません。
メキシコ湾をアメリカ湾に改名したい!
かつて私は自分の著書で「日本海という名前は日韓関係によくない。あたりさわりのない名前に改名するように、日本側から提案すればいいじゃないか」と書いたことがあります。
トランプさんも同じようなことを言いましたね。メキシコ湾をアメリカ湾に改名したい、と。
私の提案のほうが先です。トランプ、マネすんな!
ただ、違いは私の提案が「日本海も東海もダメ、両国にとって当たり障りのないものを」というものであるのに対して、トランプ氏の場合は思いっきりアメリカファーストに振っているところでしょうか。
よくまあこんなことができるなあ、と呆れます。たぶん私はアニメのジャイアンを見るような感じでトランプ氏のことを見ているのだと思います。
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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。
【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●日本海も東海もダメ。あたりさわりのない海の名前を提案すればいいじゃないか
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●もしも韓国に妹がいるならオッパと呼んでほしい
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●「トウガラシ実存主義」国籍にとらわれず、人間の歌を歌え
韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。
「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。
帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。
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領土売買は今でも有効な紛争解決の手段
かつて私は自分の著書で「領土売買は認めるべき。紛争回避のいい手になりうる」と書いたことがあります。
トランプも同じようなことをいいましたね。グリーンランドを買いたい、と。
アメリカはかつてアラスカやカリフォルニアなど、領土を他国から買っています。その延長でこのようなことを言っているのでしょう。売買が成立するかどうかは売り手の意向次第です。
しかし「領土は売り物じゃない」と決めつけるのはどうか、と思います。
グリーンランドの人も、よく考えたら、アメリカになった方がいいんじゃないの? アメリカ人になってハワイで暮らしなさいよ、そんな寒いところにいないでさ。そっちのほうがよっぽどいいと思うよ。
ロシアだってセバストポリがカネで買えるとわかっていたら、世界中からハブにされる戦争に訴えなかったかもしれません。ウクライナだって、クリミア半島を売れるなら、ロシアに渡すぐらいならむしろフランスに売ったかもしれません。そうすればEUに入れたでしょう。たとえばクリミアをトルコに売っていたら、ウクライナ戦争は回避できたでしょう。
トランプ氏のしかける関税戦争
私は経済の専門家じゃありませんが、日本などアメリカ以外の国の関税と、アメリカの関税は、ちょっと性質が違うと思うんですよね。
貿易赤字を是正するための関税という大義名分ですが、貿易赤字も、日本などアメリカ以外の国の貿易赤字と、アメリカの貿易赤字とは、ちょっと性質が違うと思うんですよね。
だって基軸通貨は米ドルじゃん。貿易はほとんど米ドルで取引してるんでしょ? 他国は米ドルを集めなければならないから貿易赤字は大問題でしょうが、アメリカはドルを刷る権限をもっているんだから、輪転機を回せばいいだけじゃありませんか?
そもそも貿易で赤字になっても、投資でカネが戻ってきているわけだから、そんなに気にすることかな?
まあ、軍備を自国で生産、整備できないとなると問題になるのはわかりますけどね。
いくら関税をかけても、工場がアメリカに戻りますかね? それはつまりアメリカ人が工場労働者になるってことだから。
いまさらアメリカ人が工場労働者になりたがるかな?
InstagramやTikTokで、リッチな人、楽しく生きている人、人生の勝ち組、楽な暮らしをしている人を毎日眺めながら、ベルトコンベアーで単一作業を繰り返す工場労働者に、いまさらアメリカ人はなりたがらないんじゃないかな?
世界はひとつになる方向に動いていると思います。それへの反動で保護主義的な潮流が来ていますが、時代の流れに否決されるだろうと、『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『軍事ブロガーが語るロシア・ウクライナ戦争』の著者であるアリクラハルトは予想します。

