藤原定家「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」その意味は?
この稿を書いている現在、ロシアがウクライナに侵攻して戦争状態になっています。
これだけ情報化社会になって、戦争の悲惨さが常識として知れ渡り、争いなんて嫌だという人々の声が上げやすい世の中になっているのに、戦争が起こるとは……。
しかしそれにオタオタする私ではありません。
ね。だから言ったでしょ? 投票なんて行ったって無駄なんだってば。私は生涯で一度きりしか投票したことがありませんが、欠かさず投票していたところで、やっぱりウクライナ戦争は起こったでしょう。
かつて藤原定家はこういいました。「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」。いくさとか政治みたいな争いは、自分には関係ない、どうぞよそで勝手にやってくれ、という態度です。
私の態度はこれとほぼ同じものです。いくら戦争をしなそうな候補者に欠かさず投票していたとしても、やっぱり戦争は起こったことでしょう。
それなら意味のないマニフェスト読んだり投票なんか行ってくる暇があったら、むしろ頭上に核ミサイルが落ちてきたときに、なんら動揺することないように心を整える方に精力を向けた方がいいというのが、私の人生に対する根本的な考え方であります。
わたしが投票に行かない理由。国民に主権なんてない。あるのは選挙権だけ
いつか北朝鮮のミサイルは東京に落ちる。いつか確実に人類は滅びさる。
ロシアのウクライナ侵攻を見て、私はこう思いました。「こりゃあいつか確実に人類は滅びるな」と。多数をしめる人々の非戦の気持ちなど踏みにじる格好で老いた独裁者が強権を振りかざしています。でもそういうのは今にはじまったことではありません。歴史上ずっと繰り返されてきたことです。
ウクライナ戦争でロシアが核ミサイルを使う、使わないに関係なく、いつか確実に核ミサイルは使われ、いつか確実に人類は滅び去ると私は思います。この先、数千年のあいだに、北朝鮮の核ミサイルは、一度は確実に東京に落とされるでしょう。
だってロシアのウクライナ侵攻よりも、北朝鮮のミサイル攻撃の方がずっと確率は高いはずですよ。ロシアはウクライナが憎いわけではありません。むしろ父親が息子をたしなめるように武力行使をしているのです。それに対して北朝鮮は日本を憎んでいます。どっちが確立高いですか?
私たちが生きている間には無事かもしれませんが、将来の人類は無事ではないでしょう。
いつか核ミサイルは使われて、そして人間は滅ぶのです。
子孫を残すことは生命の義務? トップアイドルもアーティストも子孫を残せず。もったいない、と惜しむ必要なし
子孫を残すことが生命としての義務であるかのような論説にときどき出会うことがありますが、そんなのまったく意味がないと思います。だって人類は滅ぶのだから。
松田聖子の娘さん神田沙也加が自殺して日本史上最高のアイドルだった人の遺伝子は後世に残せませんでした。松田聖子だけじゃなくて、中森明菜も、小泉今日子も、薬師丸ひろ子も、原田知世も、TRFのボーカルも、松任谷由実も、中島みゆきも、高橋尚子も、みんなみんな子孫は残せませんでした。
でもそれを「日本の損失」とか「もったいない」とか感じる必要はありません。だってどれだけ子孫を残しても、やがては全員死ぬのだから意味ないですよ。
だから子づくりなんて政府が奨励することではなく、生みたい人、育てたい人だけが、趣味の範囲で勝手にやればいいんですよ。
政府が出産奨励金まで払って日本人の子孫を残そうというのであれば、頭上に降り注ぐ核ミサイルからその子の命をなんとしても守るべきでしょう。でも、狂った独裁者が核ミサイルのボタンを押したら、日本政府になすすべはありません。せっかく税金を投入して産ませた子どもは、有権者もろとも全滅するのです。
だからいっそ無駄な政策はやめたらいかがですか?
石田三成を見習え。ロシアはNATOに入ればいいんだよ
投げやりのように聞こえるかもしれませんが、これでもウクライナ戦争のことを心配しています。(台湾のことを心配しています)
ロシアはNATOという一種の対共産主義軍事同盟が拡大し、かつてのソ連邦の国々までがNATOに加入することで、危機感を覚えたというのが、戦争の発端だとされています。
ここで思い出してほしいのは石田三成のエピソードです。石田三成はかつての仲間だった福島正則、加藤清正、黒田長政、藤堂高虎らに嫌われて一触即発の状態になっていました。
そのとき、石田三成がどうしたか知っていますか? なんと最大の敵である徳川家康の屋敷に逃げ込んで難を逃れたのです。
プーチン大統領にはぜひ石田三成を見習ってほしいと思います。今さら共産主義の拡大に怯える軍事同盟(NATO)なんて時代遅れなんだから、そんなものに囲まれたって怯えることはありません。それよりもいつまでも敵視されるポジションにあまんじているからダメなんですよ。
ロシアはアメリカに「ウクライナがNATOに入れないようにしてくれ」と依頼したそうです。しかし「入る入らないの意志は主権国家の自由だから」と断られたということです。だったらロシアもNATOに入っちゃえばいいじゃん。「入る入らないの意志は主権国家の自由」なんだからアメリカだって嫌とは言えないでしょうよ。核の保有国である最強国ロシアが「仲間に入れてよ」といえば、NATOだって軍事同盟の端くれなんだから拒否はしないんじゃない?
そしてロシアが入ればNATOというのは誰かを敵視する組織ではなくなります。なんのために存在しているのかわからず、ただのお友達クラブになるのです。
石田三成が徳川家康の懐に飛び込んだように、ロシアがNATOに加入すれば、別にウクライナがNATOに加入したって別にどうでもいいことです。戦争する理由がなくなるのです。
どうしていつまでもNATOの敵のポジションでいるのか。共産主義の理念をひろめて世界同時革命を起こす夢に燃えているなら、夢のために譲れないこともあるでしょうが、そんな夢はもうないのだから、敵視されたまま、いじめられっ子のようなポジションに居続けることないじゃないのよ?
そもそも現在の国際連合(国連)の英語表記は、第二次世界大戦中の「連合国(戦勝国)」と同じなのを知っていますか? 戦勝国連合がそのまま国連となったのです。だから枢軸国(敗戦国)のドイツや日本は、すぐには国連に加盟できませんでした。仲間はずれだったのですが、入れてもらったのです。NATOだって同じようなものでしょ。最初は仲間はずれだったとしても、お願いすれば入れてもらえるはずです。だって加盟するもしないも主権国家の自由意志にもとづくんでしょ? それをNATOが拒否するようなことがあったら、そのときは是非を世界に問えばいいんですよ。そのときはきっとNATOが批判され、ロシアが賞賛されることでしょう。
老いた独裁者は手元の駒(軍事力)使いたくなるもの
それでも戦争というのは起こります。老いた独裁者は手元の駒(軍事力)使いたくなるんだろうなあ。そして幾千年のうちに人類は滅び去るというわけです。
だから「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」。これが日本の庶民のとるべき態度なんですよ。
お釈迦様の弓矢のたとえ話をご存知でしょうか。刺さった毒矢がどこから飛んできたかとか、どのような人物が毒矢を放ったのかとか、そんなことを気にしているうちに傷ついた者は死んでしまう。
人類の未来なんて考えるだけ無駄なことだとわたしは思います。
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このブログの筆者の著作『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての感想と提言。
『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか?
●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか?
●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。
●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか?
●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。
ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすることが、人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。それに反する行動は人類全体に否決される。いつかそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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