ヒルトンホテルのタイムシェア型レジデンス。悪いのはヒルトンではなくハワイそのもの
そしてこの6月。今度はヒルトンホテルからタイムシェア型レジデンスの提案を受けて、そのお試しで三日間無料でホテルに泊まらせてくれるというので行ってきた。今度はワイキキビーチ&ホテルズにある建物だった。買い物や遊ぶ場所に問題はなかったが、今回もタイムシェアマンションの購入は断った。ヒルトンホテルの問題ではない。ハワイの問題で。
高い金を払ってすばらしい経験ができるのは当たり前
朝から朝食に5千円ぐらい使うのは普通のことだ。日本で同じことをするのの三倍ぐらいのお金がかかる。食べ物も三倍ぐらいの値段がする。それでいて三倍おいしいかといえば、決してそんなことはない。
そもそも高い金を払ってすばらしい経験ができるのは当たり前のことだ。なんのありがたみもない。費用対効果に見合っているだけ。たいしたお金を払っていないのにすばらしい経験ができるからこそありがたいのだ。価値があるのだ。
そういう意味で、日本人にとってハワイに価値があるのかといえば、価値はないと思う。ハワイはもう夢のリゾート地ではない。すくなくとも費用対効果にあっていない。
たとえばタイやマレーシアのアジアンビーチとくらべてみよう。海は甲乙つけがたい。サーファーは別として、べつにハワイの海のほうがすぐれているわけではない。むしろ近くて安い分だけアジアンビーチのほうがいいのではないか?
食べ物もアジアンビーチのほうが安くてうまいし、マッサージもある。パラセイリングなども手ごろな値段で体験できる。ハワイに行かなきゃならない積極的な理由がなにひとつ見つからないのだ。ショッピングだって、ハワイイメージの商品のほとんどは中国製だ。トランプ大統領の関税で今後はもっと高価になるだろう。
ハワイはわざわざ立ち寄るような場所ではない。船旅なら別だけれど
いや。もちろん世界に日本とハワイしかなかったらまた行きたいですよ。日本のウェットな過ごしにくい夏と違って、過ごしやすいドライないい気候でした。いい場所なのは確かなのですが、また選択するかときかれたら選択しないと思う。世界にハワイしかないなら別だが、世界はひろい。訪れるべき場所は他にもたくさんある。アカプルコだって、サンタモニカだって、コパカバーナだってあるのに、またワイキキにわざわざ行くかなあ?
そう考えると、もう行かないだろうな、と思わざるをえなかった。
そして私は心の中でハワイにさよならを言ったのだ。
そもそも私がランナーになったのは、ホノルルマラソンに出ようと思ったからである。ハワイへのあこがれのおかげでランナーになれた。
ありがとう。ハワイよ。さようなら。次の世で、また会おう。

