ドラクエ的な人生

母国語は偉大。外国で怒るときには日本語で怒る

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外国語で悪口をいわれても、痛くも痒くもない

ウチの妻が韓流好きなので、ときどき韓国ドラマを見ることがあります。

すると「イーセッキ」という言葉がよく出てきます。韓国語の悪口ですね。「このクソ野郎」ぐらいな感じでしょうか。そしてその言葉を聞いて「ヤヤヤヤヤヤ」と韓国人が大声で激怒しているわけです。

韓流ドラマ、よく叫びますよね。国民性でしょうか。絶叫系民族という気がします。

ちなみに私は韓国ソウル帰りの帰国子女。小三から中一まで四年間、韓国ソウルで暮らしていました。韓国人じゃありません。れっきとした日本人です。

この韓国ドラマで人を激怒させている「イーセッキ」という言葉ですが、わたしは子供のころソウルでよく公園などで遊んでいると韓国人から「イーセッキ」と面罵されました。すごくよく覚えています。今でも韓国で日本人は嫌われていますが、当時は今よりももっと嫌われていたと思います。

YouTubeなど文化の交流があるから、偏見はこれからは小さくなっていくでしょう。昔は日本文化そのものがタブーだった時代があったのです。だから偏見まみれ、憎しみまみれでした。

ところが私はれっきとした日本人。母国語はもちろん日本語です。小三まで日本語以外の言葉を知らず、いくら「イーセッキ」と面罵されても、すこしも悔しくありませんでした。「いい石器」ぐらいに聞き流していました。いい石器って、もしかして誉め言葉かしら?

このように外国語で悪口をいわれても、ぜんぜんこたえません。

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母国語は偉大。外国で怒るときには日本語で怒る

他の国でも似たようなことがありました。向こうは悪口を言っているんだけど、なんか外国語の語感がおかしくて笑っちゃいました。外国語で悪口をいわれても、ぜんぜんこたえません。

日本語で「バカヤロ、バカヤロ」と言われても笑ってしまいます。コメディアンがマネする外人そのままでお笑いの一場面にしか思えないのです。おれのこと好きだからからかっているのかしら? それぐらいの感じです。母国語かそうでないかで、ぜんぜん心のノリがちがいます。

ちなみに外国で、ぼったくりタクシーなどに激怒するときには、英語や現地語で怒らない方がいいですよ。

マザータングです。母国語で怒りましょう。脳内で翻訳しているあいだに、怒りも冷静に翻訳されてしまうので、こっちの激怒が伝わりません。わたしは言霊の信者ではありませんが、言葉にはこういうところがあると思います。

母国語は偉大だ。

外国で怒るときは母国語で怒りましょう。大声で、大きなゼスチャーをつけて、テレビドラマのヤクザがそうするように激しく怒ります。そうすればまずまちがいなく伝わります。脳内で翻訳していてはダメです。

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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Bitly

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