帰国子女の第二の故郷。韓国ソウルに対する複雑な感情
イロハ「ハルトの第二の故郷、ソウルに対する気持ちがよくわからないんだよなあ。好きになろうと思えば誰よりも好きになれるし、嫌いになろうと思えば誰よりも嫌いになれるってどういう意味?」
ハルト「う~む。じゃあ、ひとつのたとえ話をしてみよう。僕が全能の神と会話していると仮定するよ。全能の神の言うことは絶対であり、正直に答えなければならず、すべての神の意志は無条件で実現されるものとする」
イロハ「わかった。たとえ話で気持ちを表現してるのね」
神の意志は必ず実現される。全能の神との対話
神「神に誓って正直に答えろ。お前が次に旅行に行きたいのはラスベガスか、ソウルか?」
ハルト「少しも迷うことなくラスベガスです。全能の神よ」
神「それでは移住するとしたらどうだ。お前が日本を追われて日本以外のどこかに住まなければならないとしたらどっちを選ぶ? パリか、ソウルか?」
ハルト「少しも迷うことなくパリです。全能の神よ」
全能の神「お前はわがままな奴だから罰をあたえる。もし世界が再び洪水で滅ぶとして、日本以外のたったひとつの街と人々しか救うことができないとする。その町をお前が選ぶのだ。どの街を選ぶ?」
ハルト「散々悩みました。でもソウルです! どうかソウルとそこに住む人たちをお救いください。全能の神よ」
成長期を過ごした場所は特別な場所
こんなたとえ話で、なんとなく、わかったかな?」
イロハ「ううむ。ますますわからなくなった」
ハルト「だから説明してもわかってもらえないって言ったじゃん。帰国子女の第二の故郷に対する気持ちなんて、同じ国の帰国子女にしかわからないと思うよ」
イロハ「ただ好きなだけじゃないの? ツンデレなだけなのでは?」
ハルト「そんなに単純じゃないんだよ~。本当にうまく説明できないなあ。とくにずっと同じところに住んでいるイロハのような人にはわかりがたいと思うよ。人は故郷に対して特別な思いを抱くものなんだよ。成長期を過ごした場所は特別だ。ソウルはおれにとって特別な場所なんだよ」
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