ドラクエ的な人生

体験ダイビング。溺れているけど溺死しない不思議な世界

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体験ダイビング。レギュレーターに吐くかと思った初体験

かつて私は体験ダイビングというものを二回ほど経験したことがあります。二回ともろくな体験ではありませんでした。

一回目は沖縄の離島・無人島での体験ダイビング。沖縄の離島・無人島はほんとうに素晴らしかったです。体験ダイビング終了後、私はただ一人で島の裏側まで歩いたのですが、珊瑚が白く化石となっていました。そうなるまでにどれほどの時間が流れたのか。誰もいない世界に、ただ時間がとまったかのように波音だけがする「世界の終わり」のようでした。

離島の無人島はすばらしかったのですが、そこに行くまでのクルーザーが最低最悪の経験でした。船酔いでゲロゲロになりました。思わず船から海に飛び込もうかと思ったぐらいです。拷問なみに苦しかったです。どうも船酔いしやすい体験らしく、ホエールウォッチングに挑戦したときも船酔いでクジラを見るどころではありませんでした。もう二度とやりません。

さて、ゲロゲロに船酔いした状態で離島に着いたのですが、ダイビングインストラクターが無人島に着いた直後に体験ダイビングをやらせようとしたので、私は猛然と反対意見を述べてすこし時間をもらいました。このままやったらレギュレーターに吐いてしまうと思ったからです。

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体験ダイビング。溺れているけど溺死しない不思議な世界

二度目に体験ダイビングをしたのは東京島(式根島)でのこと。東京島へは大型の東京汽船で行ったので船酔いはありませんでした。船酔いなしのベストコンディションで海に入ったのですが、これも最低の体験でした。

目の前を自分の上半身ぐらいの大型の魚が横切ってパニックになってしまったのです。

海というのは「あっちの世界」です。我々陸上動物が暮らす「こっちの世界」とはあきらかに別の場所です。そういう相手のフィールドで巨大な魚が目の前を横切ったものだからパニックになって溺れてしまいました。ジタバタジタバタ……

しかし……いくら手足をもがいても、これが死なないんですよ、溺れているのに。酸素ボンベ(レギュレーター)を加えているので溺れているのに溺死しないのです。じつに不思議な体験でした。

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ジンベイザメと泳ぐなんて……そんなアホな

私たち夫婦は今年の夏はフィリピン・セブ島に行こうと計画中です。セブ島はいいのですが……うちの妻が狂ったことを言いだして私はおびえています。

イロハ

ジンベエザメと泳ぎた

なんでもセブ島にはジンベエザメと泳げるスポットがあるらしく……飼われたジンベエザメと一緒に泳げるというアトラクションがあるらしいのです。一種の体験ダイビングですが……。

ハルト

式根島で人間の上半身ぐらいの魚でパニクったおれがジンベエザメなんかと泳ぐわけないだろ。ちびるわ!

イロハ

ジンベエザメは人は食べないよ。おとなしい性質だし、人慣れしているから大丈夫だよ。

ハルト

ついでに言うと、プランクトン食だし、鋭い歯も持っていないっていうんだろ。そんなことは百も承知だ。それでも嫌だおれは。

なぜ私はこんなにジンベエザメと一緒に泳ぎたくないのでしょうか。

海という「あっちの世界」で確実に勝てない相手(ジンベエザメ)と無防備に向き合うことに本能的な恐怖を感じているからでしょう。相手がイワシぐらいの大きさならいいのですが……ジンベエザメはデカすぎます。デカいというだけで恐怖の対象です。

こういうことは女性の方が勇気があるというか、無鉄砲というか……なぜろくに泳げないくせに(ダイビングライセンスをもっていないくせに)あんな巨大な魚と泳ごうなんて思うのでしょうか。

「結婚は人生の墓場だ」は男女の脳差の断絶に絶望した者が言った言葉

もしかしたら信頼感の問題かもしれません。人に飼い慣らされているというジンベエザメのことを彼女は信頼しているのでしょう、人間を襲ってこないと。しかし私はしょせんは魚にすぎない巨大生物のことをまったく信頼できないのです。指先サイズぐらいしか脳ミソのない魚畜生のことを何でそんなに信頼できるというのでしょうか。

ハルト

『白鯨』を読んだからかな。尾のひと叩きで死ぬイメージがある。

メルヴィル『白鯨』立ったまま死ぬエイハブ船長。モビーディックに啖呵をきるイシュメル

バンジージャンプをやりたがる人と同じぐらい嫁の気持ちがわかりません。

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