ドラクエ的な人生

太平洋戦争に負けた日本の「敗戦の美学」。敗戦にも意義はあったとする独特の価値観

どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?

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サッカーの時間切れ狙いパス回し戦術を批判する

サッカー・ロシア・ワールドカップ(2018年)の日本代表がポーランド戦において、試合に負けているのにパス回しで現状維持のまま時間切れ試合終了となった件について、一言意見を書き込みたいと思います。

同時刻に行われていた裏試合(コロンビア対セネガル)の結果、ライバルのセネガルも敗戦濃厚だったために、フェアプレーポイントの差で、負けても一次リーグ突破できそうだったためにとった戦略的決断だと評価されています。

つまり「試合に負けても次に行けそうだ」という作戦です。下手に攻め込んでカウンターアタックにより失点したり、乱戦になってイエローカードをもらうよりは、接触をさけてひたすらパスを回して、他力本願でのベスト16進出に賭けたということです。

結果、日本代表は狙った通りフェアプレーポイントの差で決勝トーナメントに進出したということになっていますが、あれのどこがフェアプレーなんだ(怒)。

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「勝てばいいのか?」生き残ればそれでいいのか?

「勝てばいいのか?」戦争なら話は別ですが、スポーツはそうではないと私は思います。

しかしロシアの試合会場が大ブーイングだったように、日本の世論も大ブーイングかと思ったら、そうでもないことにとても驚いています。とくにマスコミ関係者が「ブーイングによく耐えた」とか「上に行くためにやむを得ない戦略的な英断だった」とか、パス回しの評価が高いのには心底驚きます。

プロの解説者が言っているから、それが正しい意見だと思うのは間違いです。テレビ放映権という莫大な利益のことを、みなさんは知っていますか。サッカーワールドカップは視聴率が50%近くもある「お化けコンテンツ」だから、テレビ局は一試合でも多く放映したいのです。そのためには何としても決勝トーナメントに進んでもらわないとなりません。それが社是なのです。雇われ解説者だって同じです。次の試合だって絶対に視聴率とれますから。テレビ局もサッカー解説者もお金が儲かります。一試合分仕事が増えて、ロシアに長く滞在できるわけだから、利害で考えれば、「よくやった」と褒めるのがむしろ当然でしょう。

しかし本当にそれでいいのか、と私は思います。入場料を支払っているロシアの(世界中からの)観客にあれほどの大ブーイングをもらって、よく平気でしたね。お金を払っている人にあんな試合(パス回し)を見せてもいいと思っているのでしょうか。

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世界の恥さらし。相手チームの選手に失礼。

一銭も損していない日本のテレビ視聴者なんてどうでもいいですよ。どうせ彼らは祖国を愛するあまり、どんなぶざまな試合を見せてもサムライ・ブルーのファンから離れませんから。しかし世界中の人たちが見ていたということをお忘れなく。彼等は日本代表のファンをすぐに離れてしまいます。彼等は日本という国をどのように思ったでしょうか?

対戦相手だったポーランド代表は、決勝トーナメントに出られないために、あの試合がロシア・ワールドカップ最後の試合でした。あの試合は、ポーランドの選手にとって、どうせ上に行けない消化試合で、どうでもいい試合だったのでしょうか?

いいえ。決してそんなことはありますまい。世界中のサッカー少年の夢舞台のワールドカップです。男らしかった中田英寿のようにワールドカップの試合を最後に引退する選手だっているかもしれないのです。

サッカー人生最後の試合があんなパス回しで終わって納得できると思いますか。相手のチームの選手にも失礼ではありませんか。

同じ日本人として、恥ずかしいことです。フェアプレーどころか、むしろサムライ・ブルー全員がレッドカードで退場になればいい薬になったのではないかと思います。

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たった一試合の延命のために、リスクを恐れる小心ゲーム展開

いっそセネガルが勝って、ベスト16に出場できなかった方が、伝説の試合として歴史に残ったのではないでしょうか。

同じ伝説の試合でも、絶対に「第二のドーハの悲劇」とは呼ばれることはないでしょう。それは必死に戦ったドーハの戦士たちに失礼です。

そうまでして勝ち残った日本代表ですが、あと一試合か二試合で確実に負けますよ。そして一か月もすればロシアワールドカップそのものが終了してしまうのです。

そのたった一試合の延命のために、勝っているならともかく負けているのに時間稼ぎのパス回しをするようなブザマなことをして本当によかったと思っているのでしょうか。

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敗けたからといって、すべてが否定されたわけではない

太平洋戦争で、日本はアメリカに負けました。たとえば神風特攻隊のような必死なことをしてさえ戦いには負けたのです。

しかし負けたからといってすべてが否定されたわけではありません。むしろ敗戦にも意義はあったとする独特の価値観を日本は育ててきたといってもいいでしょう。

漫画『あしたのジョー』は、敗戦ニッポンの価値観の上に咲いた名作です。矢吹丈は試合に敗れて燃え尽きますが、彼の生き方に価値がないと思った日本人は一人もいませんでした。その生きざまは、たくさんの読者の心を動かしたのです。

大切なのは勝ったかどうかではなく、他者の心に何かを残せたか、心を動かせたかどうかではないでしょうか。

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ほとんどすべての人は「敗者」。敗戦に意義はないのか?

「敗戦にも意義はあった」とする価値観は悪くないと思います。なぜって世の中のほとんどの人は「負ける」からです。勝つのは一人。残りは全員敗者です。ほとんどすべての人は「敗者」です。あなたも。私も。

おそらく次の試合で日本代表は負けるでしょう。その時、敗者に価値なしとするのか、敗れてもなお価値があったとするのか?

負けても価値があったと意味づけなければ、すべての汗や努力は無駄になります。次のベルギー戦で負けた日本代表に「よく頑張った」「感動をありがとう」と声をかけるのなら、やはりポーランド戦の戦い方は否定するしかないはずです。

もし万が一ベルギー戦に勝つとしたら、それはポーランド戦と真逆の、捨て身で勝ちにいく戦い方をしたときのみでしょう。やはりポーランド戦の戦い方は否定するしかないはずなのです。

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勝てばいいってもんじゃないぞ

マスコミはスポンサーあっての企業です。スポンサーの意向に逆らうような意見は発言することができません。お金をもらってモノを書く人が書けないので、こうしてお金をもらっていない個人のブログで、正直なことを書きました。「勝てばいいってもんじゃないぞ」

日本代表はスポーツマンシップにのっとらない戦い方をして一次リーグを突破しましたが、おそらく次の試合で負けるでしょう。たった一試合多くやるためだけに、あんな大ブーイングをもらうことが肯定されていいはずがありません。

どうせ負けるんだ。だったら胸を張って真っ向勝負で戦ったらいいじゃないか。

それが太平洋戦争に負けた日本がたどり着いた「独特の価値観」なのだと思います。それがサムライスピリッツではないのですか。

スポーツにせよ、仕事にせよ、勝つのは一人だけです。ほとんどの人は負けるのです。負けても価値があるというのは、いい考えではありませんか? この価値観は、そんなに悪いものではありません。

日本代表も同じです。いつかは負けます。あるいは次の試合で。

時間切れのパス回しを狙うなんて、すがすがしいほど真っ向勝負で散っていった英霊たちに、日本人として顔向けできない恥ずかしい戦略だったと思っています。

たった一試合多く試合をするためだけのために。どうせすぐに負けるのに。

試合に負けているのにパス回しで時間切れを狙うようなチームが、ワールドカップで優勝できるはずがありません。

「いつかはどうせ負けるんだ。すべてを出し尽くして、力の限り戦って、堂々と負けて帰ってこい!」

こういうカタチのエールを、日本代表におくりたいと私は思っています。

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