ドラクエ的な人生

市民マラソン大会のブランド化の提言。持ちタイムによる参加資格制限

どうもハルトです。みなさん今日も元気に走っていますか?

アスリート系市民ランナーを長く続けていると、何か特別な大会に出場してみたくなります。「このタイムを切らないと出場できない」持ちタイムで制限される出場資格のある大会に出てみたくなるのです。福岡国際マラソンびわ湖毎日マラソンのように出場するだけで名誉であるような大会に、自分も出てみたくなります。

「完走したことがある」だけで勲章になるような大会を走ってみたいのです。頑張ってきたことの証が欲しくなるのです。これはタイムを狙って走るランナーの性(サガ)だと申せましょう。

しかし「福岡」や「びわ湖」は、一般市民ランナーにはあまりにも難易度が高すぎます。ほぼ実業団選手のための大会と言ってもいいでしょう。

しかし「福岡」や「びわ湖」のような「出場資格制限こそが大会をブランド化する」というのが本稿の趣旨です。

「持ちタイムで門戸を狭めてランナーの射幸心を刺激する」「一生懸命に練習しているランナーのプライドをくすぐる」というマラソン大会のブランド化戦略は「あり」ではないかとわたしは考えています。

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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。

「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何?
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。

Bitly

星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。

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※※※YouTube動画はじめました※※※

書籍『市民ランナーという走り方(マラソンサブスリー・グランドスラム養成講座)』の内容をYouTubeにて公開しています。言葉のイメージ喚起力でランニングフォームを最適化して、同じ練習量でも速く走れるようになるランニング新メソッドについて解説しています。

『マラソンの走り方・サブスリー養成講座』

世界名作文学紹介チャンネル
読書系ブログ『ドラクエ的な人生』のYouTube出張局です。 アリクラハルトの出版書籍 ※当チャンネルは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者...

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ブランド大会は全国にどれだけあるのか?

ピラミッド状にいるたくさんの選手たちの頂点にいるのがプロのエリート選手です。

選手層が頂点と底辺だけということはありえません。頂点が存在するためには、中間層の存在もまた重要なことです。中間層の突き上げがなければ頂点が高く聳え立つことはありえません。

エリート選手はニューイヤー駅伝や、福岡国際マラソンなど、目標とする大会があります。女子ならば「大阪国際女子マラソン」がそれに該当するでしょう。

それでは中間層は? 福岡やびわ湖に続くブランド大会となると、国内に何があるでしょうか。

残念ながら極端に減ってきます。

男子ならば「別府大分毎日マラソン」でしょうか。別大マラソンはまだプチエリート大会と言えるレベルで頑張っています。カテゴリー2(2時間30分1秒~2時間59分59秒)、カテゴリー3(3時間~3時間30分)。カテゴリー2ならばサブスリーランナーです。

私もかつて別大マラソンを走ったことがあります。関東の人間ですが、わざわざ別府まで泊まりで走りに行きました。テレビで見たあの別大を一度は走ってみたかったからです。そのために多少の宿泊費、交通費がかかろうともまったく気になりません。これまでトレーニングに費やしてきた時間や汗の量を思えば、多少の出費なんて惜しまないのがランナー種族というものです。

一度でも自分が完走していると、別大マラソンのテレビ中継を見るのが断然楽しくなります。テレビ中継のたびに「ああ、あの時は辛かったなあ」とか「〇〇走友会のTシャツを着た兄ちゃんと競い合って走ったっけなあ」とか当時の思い出が蘇ってきます。

つくばマラソンではそういうわけにはいきません。誰でも出場できますし、そもそもテレビ中継がありません。

別大マラソンの次はどうでしょうか? 別大に続くようなブランド大会があるでしょうか。かつてはあったと聞いていますが、もうほとんど壊滅状態なのではないでしょうか?

防府読売マラソン」がかつてはサブスリーランナーじゃないと出場できないプチエリート大会だったのですが、今は大衆に迎合してほとんど誰でも出場できる大会になってしまいました。マラソン4時間の出場資格制限ではとてもブランド化しているとは言えません。「泉州国際市民マラソン」も似たようなコースを辿って、ブランド大会から転落してしまいました。

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門戸開放に向かう主催者側の気持ちはわかる。わかるが……

ランナーに門戸を開放したくなる主催者側の気持ちはよくわかります。道路封鎖して走らせるんですから、多くの人を走らせた方が単純に実入りが多いわけですよね。どうせやることは同じなんですから、エントリー代金がたくさん懐に入ってくるように出走者を増やした方が資本主義的には理にかなっています。

しかしランニング業界でライターのような仕事をしていると、市民ランナー側の要望によって門戸が開かれたような話しも耳に入ってきます。4時間をやっと切れるぐらいの人が「私にも走らせてください。私だって頑張っているんです。3時間30分の人はよくて、どうして私じゃダメなんですか?」とごり押しに要望することで門戸が開かれたような話しも聞きました。

大会主催者「持ちタイムで出場資格制限をしていますので」

ごり押し市民ランナー「そんなの資格制限を緩めればいいじゃないですか。多くの市民が走れることの有意義をあなた方は正確に理解していませんよ。大きな経済効果があるんですよ。

私だって同じ税金を払っている市民なんですよ。公道を利用しておいて、わずかの走力の差で走れないなんて不公平です!

「どうしてサブフォーの私じゃダメなんですか?」と聞かれたら、主催者側としては返答に困ることでしょう。道路封鎖する大会という性質上、地方公共団体が主催者に名を連ねていますから、断れないというよりも、できるだけ公平に受け入れる方向になるのが当然です。

ごねられたら面倒くさいし、収入が増えて実際にメリットもあるし、門戸は開放に向かうのは必然だと思います。

しかし、シリアス市民ランナーの心情を理解して、制限タイムありのままで踏みとどまってくれる大会はないものでしょうか。

わたしの知るランナーたちは「走れれば、どこへだって行く」という人が非常に多かったです。遠方から来て宿泊して、走って、飲食して観光して帰る、という人は驚くほど多いのです。北海道マラソンの出走ランナーよく調べればわかることです。

わたしもその一人です。走れればどこへだって行きます。もっとも遠いところで、アメリカのニューヨークシティマラソン。スイスのユングフラウマラソンまで走りに行っています。南半球のロトルアニュージーランドマラソンも走りに行きました。

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ランナーのプライド。ボストン・クオリファイ

ボストンマラソンは第1回近代オリンピックの翌年1896年に始まった世界で最も歴史のあるマラソン大会です。ワールドマラソンメジャーズのひとつであり、有名な「持ちタイムのエントリー制限」があります。ボストンを走れるほどの走力(ランナーとしての質)をもったことの証としてこの制限のことをボストン・クオリファイと呼んでいます。

ボストン・クオリファイは、本気で練習しないとクリアできない厳しいレベルの制限タイムであり、このタイムをクリアできないためにボストンを走れない選手はいくらでもいます。逆にボストンマラソンの正式選手ということはこの出場資格タイムをクリアしたという意味であり、それゆえボストンを走ることはランナーの憧れとなるのです。

そのため、ボストンを走るために、世界中からランナーが集まるのです。わたしもその中のひとりです。福岡国際マラソンは正式選手のタイムが切れず、歩道を勝手に完走したわたしですが、ボストンマラソンは正式選手として、正規の位置からスタートしています。世界一有名なマラソンコース『ハートブレイクヒル(心臓破りの丘)』を走っている選手のひとりですよわたしは。

正式選手になるためのボストン・クオリファイは年齢・性別で変わってきます。それが「頑張らなければ達成できないけれど、頑張れば何とかできるかもしれない」という絶妙なタイム設定となっているのです。ボストンマラソンはそそる大会なのです。わたしには確実に「ボストンに出るために」練習していた時期があります。日本にはこういう「目標となる」大会がありません。福岡はレベルが高すぎるし、今の防府はレベルが低すぎます。

どうせみんなサブスリーを目指して走っているんだから、いっそ3時間に資格を切ったサブスリー大会をつくればいいじゃないですか。

ユングフラウマラソンはAIMS(国際マラソン・ロードレース協会)公認42.195kmの中で、標高差1810mの「世界で最も過酷な42.195km」と呼ばれています。完走タイムはサブスリーランナーでも5時間6時間はあたりまえの山岳レースであり、それゆえに面白いのです。歩くのがあたりまえの大会です。ハイジの世界を歩いてゴールを目指す大会です。やはり世界中からランナーがスタート地点のインターラーケンに集まります。世界自然遺産の真っ白なユングフラウを目指してランナーたちが一斉に走るのです。本当に素晴らしい大会でした。

これをレースのブランド化と呼びます。日本のマラソン大会にはこういう「そそる」大会が残念ながらありません。

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持ちタイムで門戸を狭めてランナーのプライドをくすぐれ

「エリート大会をつくれ」「持ちタイムで門戸を狭めてランナーの射幸心を刺激せよ」

あまりこういう主張をする人を聞いたことがありませんので、私がここに主張させていただきます。

山田敬蔵さん。ボストンマラソンエキスポにて

地元民だけが日帰りで参加するようなノンブランドの大会では単純にエントリー代だけしか入ってきませんが、大会をブランド化すれば、大勢のランナーが飛行機や新幹線でやってきて、ホテルに泊まり、カーボローディングでドカ食いし、完走パーティーで大酒を飲み食らい、家族にお土産を、自分にはマラソングッズを山ほど買って帰るのです。こうして「経済効果」というものが発生するのです。成功すれば世界中からランナーが飛んできますよ。

一時期、東京マラソンの黎明期に、ゴールタイムによってエントリー代金を変えたらどうか、という笑い話がありました。道路占用しているのだから、遅い人は道路占用時間が長時間なのだから、その分たくさん道路占用料を払えという冗談です。

ランナーに対してそういう差別をすべきではないと思いますが、「持ちタイムで門戸を狭めてランナーの射幸心を刺激する」「一生懸命に練習しているランナーのプライドをくすぐる」という大会ブランド化戦略は「あり」ではないかと思います。こういう大会ならばエントリー費用がかなり高くても文句が言われません。

ボストンマラソンのような走れるだけで名誉であるような市民大会が日本にも誕生してくれることを願っています。

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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。

「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何?
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。

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星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。

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