書籍『市民ランナーという走り方(グランドスラム養成講座)』まえがき

マラソン・ランニング
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心の放浪者アリクラハルトの人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー養成講座)』『結婚』『片翼の翼』(無料公開中)キンドル書籍にて絶賛発売中です。ぜひご一読ください。

『車泊でGO!!』YouTube動画 始めました。(grandma-cuisine

※このブログの筆者の書籍です。Amazon電子書籍で発売中。

「ハサミは両方に開かれる走法」「アトムのジェット走法」など、言葉のイメージ喚起力で速く走れるようになる新メソッドを提唱しています。

みなさん、はじめまして。私はアリクラハルトと申します。私自身シリアス市民ランナーとして長年ランニングの世界に関わってきた知見を総動員して、このたび書籍を発行することにしました。

オリンピックの金メダリストをはじめとするたくさんの陸上経験者が引退後にマラソンコーチをしているのに、どうして私ごときが書籍を出版するのか、まず最初にそこを明らかにします。

市民ランナーとして、またランニング雑誌の執筆者として、私はたくさんのランニング関係本を読破しています。

著名なコーチが書いた本でも、説明が下手くそだなあ、と思う点はたくさんあります。そんな説明じゃダメだよ、と思うことがよくあります。

たとえばそれはこういうことです。

最初にひとつ問題を出します。

「二本の脚は円を描くコンパスのようなものです。腰を落とした方が歩幅はひろがります。腰の位置を高く保つと、必然的に歩幅は狭まります。しかし従来のマラソン本では腰高のランニングフォームをすすめています。どうして陸上コーチたちは歩幅が広くなる腰低フォームではなく、歩幅が狭くなる腰高フォームを推奨するのでしょうか?

この問題を即答できないようでは、ランニングフォームについて考え尽くしたとはいえません。

この答えがわからないのなら、あなたのランニングフォームには大きく改善する余地があるでしょう。この本を読めば記録が大幅に向上する可能性があります。

あなたの陸上コーチに、同じ質問をしてみてください。この質問にスラスラと答えられないようなコーチだったら、その人から教わるのはやめて、この本を最後まで読んでください。きっとその方があなたの記録は向上するでしょう。

簡潔に答えを教えると「歩幅が狭まっても、ストライドが伸びれば速く走れるから」というのが正解です。一歩一歩の距離(ストライド)は滞空して稼ぐものであり、開いた股の距離(歩幅)だけを見ても意味がありません。もっと大局的な視点でものごとを見る必要があります。

また、ある陸上コーチが「マラソンの走り方」を教えている場合、そのやり方を真似すると、どう考えてもスピードが落ちるため、おかしいなあと私たち市民ランナーは感じます。

走り方というのは、場面場面で変わったりもします。たとえばあるコーチは「スピードを殺してでも筋力温存するマラソンの走り方」を教えている場合があります。筋力温存して後半勝負、ゴール地点では勝っている長距離の走り方を教えてくれている場合だってあるのです。

実際にそれでタイムレースのマラソンで勝てたりするので、その教えは無駄ではありません。しかしそれは逆にいえば「スピードが遅くなる走り方」を教えているともいえます。教えられる側がそこを理解していないと(コーチがそこを理解させられないと)、ただ「スピードが遅くなる走り方」を一生懸命習得しようとして、教われば教わるほど遅くなるということになってしまうのです。

あなたのランニングコーチに、質問してみましょう。

「フォアフット着地、ミッドフット着地、ヒールストライク着地、結局のところ、どの着地を選択すべきなのですか?」

あなたの読んでいる「マラソンの本」には、フォアフット着地がいいとか、ミッドフット着地が正解、とか書いてあるかもしれません。

しかし私にいわせれば、そのような答え方をしているランニング本を選ぶべきではありません。

なぜならこの問いにはこう答えるべきだからです。

「足裏のどの部分が着地するかを意識してもしかたがありません。意識を向けるべきは脊椎や骨盤や膝であって足裏ではないからです」

まっさきに意識を足裏に向けて、フォアフット着地が正解とか、ヒールストライク走法は間違っているとか言ってもしかたがありません。「意識するのはそこじゃねえ!」とツッコミを入れるのが正解です。

足裏は結果です。結果としてそうなっているだけであって、足裏からランニングフォームを考えるのは本末転倒なのです。末節の足裏を意識してランニングフォームをそこから改造すると、正しいフォームをミスリードすることになってしまいます。

そういう指摘を正しくできるランニングコーチが書いた本を参考書には選ぶべきなのです。とくに市民ランナー相手であればあるほど平易な表現が求められます。

ちゃんと状況を他者に説明できない執筆者はおどろくほどたくさんいます。

そういう説明が下手な本から教わると、後半勝負するスタミナもないのに、ただスピードが遅くなる走り方だけをマスターして、マラソンのタイムが落ちることになるのです。

これがAコーチとBコーチの教えていることが真逆だったりすることの正体です。

しかしその前提がわかっていないため、未熟な市民ランナーは戸惑います。

Aコーチはスピード走法を教えているのに、Bコーチはスタミナ温存走法を教えているのですから、それぞれ違ってあたりまえです。

しかし、その前提を明確に示して説明している本は皆無です。

誰に対して、何を教えているのか、よくわからないで、ただやみくもに理想のフォームを教えているランニングの本がどれだけ溢れていることか!!

この書籍はその風潮に一石を投じようとするものです。

実はこの「狭いストライド」とスピードの関係については、あっと驚く大どんでん返しが用意してあります。そのことについても書籍の後半で触れていますので、楽しみにページをめくってください。

この書籍は、市民ランナーの大きな目標である『グランドスラム』の達成を目指すためのノウハウを提供するものです。

グランドスラムとはマラソンのタイムが3時間切り。100kmウルトラマラソンのタイムが10時間切り。富士登山競争の制限時間内の登頂。その三冠を達成することをいいます。

がむしゃらの練習による達成ではなく、走り方の効率化によって達成するというスマートな書籍を目指しています。

まずはじめに、どのような人物が執筆者なのか知らなければどんなにいい内容が書いてあっても読んでいただくことはできないと思いますので、筆者ハルトの紹介をさせていただきます。執筆動機ともかかわる部分ですので、しばらくお付き合いください。

わたくしアリクラハルトは、初マラソンのホノルル4時間12分から防府読売2時間58分(グロス)まで、知恵と工夫で1時間15分もタイム短縮した市民ランナーのひとりです。

市民ランナーのグランドスラムを達成しています。

マラソン大会での実績としては、大きなものでは、ちばアクアラインマラソン招待選手、ボストンマラソン正式選手などがあります。地方の小さな大会ではいくつか入賞経験もあります。

海外マラソンも多数完走しています(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。

地元走友会のリーダーをつとめています。

そして、ランニング雑誌『ランナーズ』で執筆をしていました。
『市民ランニング小史』や『マイ・トレーニング』というコーナーを書いていた者です。

『マイ・トレーニング』というコーナーでは、毎月、フルマラソンのタイムが2時間30分を切っている市民ランナーに対面で取材して記事をつくっていました。ここで私は、たくさん学んだと同時に、大きなフラストレーションをいだきました。

フルマラソンのタイムが2時間30分を切っている人というのは、女子なら国際大会で優勝争いをしているという超人レベルの人たちです。当然ちょっと「普通の市民とは違う何か」を持っている人たちなのですが、『マイ・トレーニング』というコーナーでは、そういうことは何も書けませんでした。

「トレーニング方法を聞く」というコーナーだったからです。

どのようなトレーニングをすれば、市民ランナーがそんなに速く走れるようになるのか、というコーナーでした。

主役は「市民ランナーのトレーニング方法」であり「人物」はオマケの扱いでした。

忙しい本業とトレーニングをどう両立させているか、ということは書くことができるのです。

しかしなぜ金にもならないのにそうまでして走るのか? という心の内面に関することは書けません。

走り方の効率化に関することも書けませんでした。書けるのは「月間何キロ走るか?」とか「週に何回スピード練習をするか? その時の設定スピードはキロ何分ぐらいか」とか、あくまでも市民ランナーのトレーニングに関することばかりでした。

こんな記事がおもしろいのか? と私は思っていました。
実際、書いている私がおもしろくありません。

たとえば、Aさんはキロ3分のスピード練習をして、Bさんはキロ3分20秒までしかやらないとしても、それが大きな問題でしょうか?

AさんとBさんが国の威信を賭けてオリンピックの金メダルを争っているならば、競争相手の詳細なトレーニング強度を知ることには大きな意味があると思います。

しかし「マイ・トレーニング」は市民ランナーが対象です。ここでの、トレーニングの差異は、各々の能力や体調に応じた差に過ぎません。数字に絶対的な意味などないし、細かい数字の差にたいした意味はないと私は思っていました。

もしそれに死ぬほど興味があるとすれば、それは「あなた自身もマラソン2時間30分を切ることを命がけで狙っている市民ランナー」である場合でしょう。その場合は興味津々だろうと思います。

しかし、そんな人たちが、いったいどれほどいるのでしょうか?
あなたの身の回りに、そんなハイレベルの人は一人もいないのではありませんか?

実際、トレーニングなんて、「故障しない範囲で、超回復が見込めるギリギリのところまで、休養も取り入れつつ限界まで追い込んだ練習をした方がいい」に決まっているのです。

言葉にすれば、ただそれだけのことです。

以上、終了。もうすでに語るべき内容は、語りつくしてしまいました。

同じ方法で私が「サブスリー養成講座」をやるとすれば、数字が大きくなるだけです。キロ3分30秒の練習がキロ4分の練習に代わるだけです。

私はここでそういうことが書きたいのではありません。書くつもりもありません。

走り方を効率化させることで速くなることはできないのか?

頭のよさ、クレバーさで、ライバルに走り勝つことはできないのか?

走ることに対する工夫や、心構え、生き方を変えるだけで、速くなることはできないのか?

私が書きたかったことはそういうことでした。

この本ではそういうことを書こうと思います。

結論を書きましょう。

練習量が同じでも工夫や効率化で速くなることができます。

走ることに対する心構え、生き方を変えるだけで、速くなることは可能です。

そのことをこの書籍では証明していきます。

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初心者から上級者までに対応している本

この本はいわゆるトレーニング本ではありません。

トレーニングの本には、キロ何分といった数字の羅列の他に、陸上競技の専門用語がたくさん出てきます。

「ミドルペース走」とか「ビルドアップ走」とか「快調走」とか「ウインドスプリント」

とか。

それらの言葉の定義がわかりますか? ほとんどの人はよくわからないと思います。

私は専門書の執筆者だったのでこれらの言葉を使いこなすことができますが、この書籍ではそれらの言葉や数字はいっさい使いません。

サブスリーを目指すようなシリアス市民ランナーは、既に探求的で専門家です。専門用語や数字を使って解説したほうがわかりやすかったり、効果を実感しやすかったりすることでしょう。

そのことをわたしはわかっていました。しかし「これから走りだそうとしている初心者」のことをどうしても無視することはできませんでした。

また、ほとんどの市民ランナーの実力はマラソン4時間前後のはずです。その人たちにも届く何かがなければ本を執筆する意味はありません。

いわはこの本は初心者から上級者まで対応している本です。わたしは上級者向きだけでない本を書きたかったからです。

ランナーズハイの浮遊感のヤミツキだとか脳内モルヒネだとかサブスリーを狙う人にはいまさらのことを、書籍に書いたのは「今、走っていない人を、どれだけ走らせることができるのか?」意識していたからに他なりません。

市民ランナーに「グランドスラム達成の充実感をあじわっていただきたい」その他もう一つの本書の願いは、これから走りはじめようという人の背中を押すことでした。一人でも多くの人が市民ランナーとなり私たちの仲間になってほしいという願いのことを執筆に際して常に忘れませんでした。

初心者ランナーに必要なのは、トレーニングの種類や強度を示すことではないはずです。

なによりも練習強度を示したトレーニングスケジュール(案)には、「走っていなかった人を走らせる」効果が全くありません。

いちばん大切なのは「走っていなかった人を走らせる」そのきっかけとなる感動です。

テレビに映るアスリートが偉大なのは、この力を持っているからでしょう。

アスリートたちは「走っていない人を新たに走らせる」チカラをもっています。

これは市場経済では業界が新規顧客を獲得したのと同じことです。

今後数年をかけて、あるいは生涯を通じて、ランニングシューズを買ったり、マラソン大会にエントリーしたりして、業界の発展に力となってくれる人たちを新たに増やしたということです。

物書きとして私が追求したかったことは、トレーニングスケジュール案の作成ではありませんでした。

言葉の力で「走っていなかった人を走らせる」ことはできないものでしょうか?

この書籍にはその工夫が詰まっています。

たとえば「ヘルメスの靴」というのはどうでしょうか? この本に出てきます。

ギリシア神話のヘルメス神は、羽根の生えた靴を履いて、自由に宙を飛び回ったといわれています。

あなたは、目には見えないヘルメスの靴を履いています。

ヘルメスの靴のように、神さまからもらった宙に浮くための装置が、あなたの足には備わっているのです。

これからその使い方を教えます……

といわれたら、本当に宙に浮くのか、走り出して試してみたいとは思いませんか?

この書物にはそのような独特な表現が「おもちゃ箱」のようにつまっています。

「アトムのジェット走法」とは足裏に鉄腕アトムのジェットが仕込まれているように、地面と水平になるぐらいまで膝を曲げるという走法です。たったこれだけのことで奇跡のように速く走ることができるようになります。その理由は本文で説明します。

「踵落としを効果的に決める走法」とは、カラテ技の「踵落とし」を決めるように、前に振って掻き戻してきた足で着地するという走法です。スピード破壊力のある踵落としが決まれば、速く走ることができます。

「ヤジロベエ走法」とは、腰椎の一点でヤジロベエのようにバランスをとって上半身の体重を処理する走法です。

「ハサミは両方に開かれる走法」とは、支脚で大地をプッシュするのではなく、遊脚を遠くまで投げるようにしてストライドを伸ばす走法です。するとハサミが両方に開かれるように、支脚で大地をプッシュしたようなフォームができるのです。

「ヘルメスの靴」というのは、足底筋膜やアキレス腱の伸縮反射を利用して、宙に浮かぶバネ・ジャンプ走法です。

これらの表現は、入力ワードです。

脳ミソから筋肉への指令が、生き生きとした表現によって活性化して伝わり、速く走ることができるようになります。

ランニングというのは歯車がかみ合って回る機械のようなものです。一つの歯車が動き出すと、すべての歯車が噛み合って、回転します。
ひとつひとつの表現が、あなたの歯車を回転させるきっかけになれば、と思っています。

最後に、この本は、ライバルたちに数秒でも速くゴールするためのノウハウを刻んだ書物ですが、それだけではありません。

なぜ走るのか?
走ることで、人生をよくすることはできるか?
走ることで、幸せになれるのか?

そのような心の内面、走る哲学についても語っています。

それらを語らずに書籍を終わらせることはできません。

むしろ本当に書きたかったことはそっちのほうだったのかもしれません。

迷いがあっては、決然と走り出せないでしょう。

走る魂が、禅の悟りの境地に近づくことが、本当の意味で生きることだと信じています。

それでは一風変わった私ハルトの『グランドスラム養成講座』を開講します。

どうかよろしくお願いします。

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記録保持者でもない市民ランナーがマラソン本を出すことについて

元日本記録保持者ならともかく、たかだかマラソンでサブスリー程度の実力で、よくランニングの本を書く気になるなと思う人もいるかもしれません。

しかし私は初マラソンから自己ベストまで1時間20分のタイムを短縮したランナーです。「初マラソンからサブスリーなんか楽勝でした」というエリートランナーの言葉よりも「1時間半ちかくも工夫でタイムを縮めたサブスリーランナー」の言葉を聞いてみたいという人も世の中にはいるはずです。すくなくとも私だったら後者の本を読みたいです。自分にとって役に立つことは後者の本に書いてあるだろうと思うからです。

また私は競技自転車ロードバイクのホビーレーサーでもあります。ロードバイクに乗れば、自分の脚力だけで、人類最速ウサイン・ボルトの最速スピードよりも速く走ることができます。マラソンを走ったら1時間ほどでゴールすることができるのです。

ロードバイクのスピードに慣れると、たかだか時速20kmぐらいしか出ないマラソンランナーのスピードなんて「その程度か……」と思わざるを得ません。この本の中で私がマラソンのスピード持久力をかなり「上から目線」で語っているとしたら、そのような筆者の事情があるものとご容赦ください。

※このブログの筆者の書籍です。Amazon電子書籍で発売中。

「ハサミは両方に開かれる走法」「アトムのジェット走法」など、言葉のイメージ喚起力で速く走れるようになる新メソッドを提唱しています。

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