福岡国際マラソン勝手に完走。提言「市民ランナー日本一」を表彰をしたらどうか?

マラソン・ランニング
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【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者アリクラハルトの旅する人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

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どうもハルトです。みなさん今日も元気に走っていますか?

ここではランニング中毒の男がひとりぼっちで福岡出張に行ったら、やることがなくて勝手に福岡国際マラソンを完走しちゃったという話しを書いています。

出走資格が厳しく、そう簡単には出走できない伝統の「福岡国際マラソン」。しかしレースには出られなくても個人的に勝手に完走するという手があります。わたしはそれをやってしまったのでした。

そして走りながら考えたこと。

「福岡国際マラソン」では表の優勝者の表彰とは別に、裏の「市民ランナー日本一」を表彰したら? という提案について書いています。

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男一人で福岡観光。さて何をして過ごそうか

あまり出張のない職場に勤めていますが、ある時、めずらしく福岡に出張に行く機会がありました。

仕事そのものは前日の夜に終わってしまい、次の日の夕方、飛行機で羽田に帰るまで福岡を観光する機会に恵まれました。

さて、男一人、福岡で何をして過ごしましょうか。帰りの飛行機の時間まで、何かをして時間をつぶさなければなりませんが、何をしたらいいのかわかりません。

有名な中洲の屋台が盛り上がるのは夜からです。昼間に行ってみましたが、まったく面白くありませんでした。

福岡というのは不思議なところで、市としては福岡ですが、駅名は博多駅です。戦国大名(黒田家)の国替えが影響しているのだと聞きました。昔の名前を新領地にも付けちゃったことから二重名称になったのだそうです。

せっかく福岡にいるのですから、福岡でしか体験できない何かはないでしょうか。博多はなんでもあるのですが、すべて東京で体験できるものばかりで、都会としては別段の面白さはありません。

せっかくですから「福岡ならではの過ごし方」がしてみたいとわたしは探していました。他の場所では絶対に体験できないものを。

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【釜山弾丸】博多にはプサンに行くというウルトラ技がある

 

最初に考えたのは韓国「釜山」です。「福岡ならではの過ごし方」を探していてどうして釜山を思いついたのかというと、かつて釜山のカジノ・ホテルの周辺の屋台で福岡の市議会議員のサインを見たことがあったからです。

「私はフクオカの市議会議員です。この屋台はおいしいですよ。常連客の私が保証します」というラクガキでした。な、なんと……う、うらやましい……。

なんで福岡の市会議員が常連客になっているのか? おそらく公用ではありますまい。公用だったら税金ドロボーです。おそらく私用でしょう。しかも飛行機ではなく、フェリーで渡航しているのだろうとわたしは思いました。

福岡と釜山の間にはフェリーが出ています。往復1万円ほど。この価格で外国に行けてしまうのです。「船で異国」この発想は関東に住んでいるとなかなか発想できないと思います。

しかし高速船ならたったの3時間で着いてしまうのです。一泊二日の弾丸トラベラーが十分に成立します。う、うらやましい……。

これぞ関東の人間には絶対にできない福岡県人ならではの楽しみ方です。

プサン弾丸。本気で検討しましたが、時間的に厳しいのと、いちおう出張中なので、万が一事故でもあったときにマズいと思い、プサンは断念しました。

釜山

残念でしたが仕方がありません。わたしは放浪の旅人ですが弾丸トラベルは好きではありません。できるかぎり暮らすようにのんびりと過ごすのが海外旅行の理想です。長期であるほど理想です。

遊民とは何か。【ユーミン主義】遊民の生き方。遊民哲学

いろいろ考えた末、ある挑戦をやってみようと思いました。それは福岡国際マラソンを(勝手に)完走することでした。

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福岡といえば福岡国際マラソン

わたしは福岡でしかできないことをして時間を使いたかったのです。でも福岡ならではのことって何でしょうか?

マラソンランナーにとって福岡といえば「福岡国際マラソン」です。これを個人的に完走できないモノだろうか? わたしはそう発想しました。個人的に福岡国際マラソンのコースを調べ、ジョギングで完走してみようと思いました。歩道を走って、信号など順守しても5時間もあれば完走できるでしょう。

福岡国際マラソンのコースはインターネットで調べればすぐにわかりました。スマホのGPSで現在地もわかります。やる気になれば誰でも走れます。これこそ「福岡ならではの過ごし方」ではないでしょうか。

こういうことは発想が勝負です。わたしは出張の道具にランニングシューズをしのばせることにしました。

わたしが雑誌『ランナーズ』でマラソン2時間30分を切る「超人」たちを取材していた頃、或る九州のランナーが「福岡国際マラソンこそ日本一のマラソンランナーを決める大会だと思っています。みんな、福岡で会おう」と紙面にメッセージをくれたことを思い出しました。

サブスリーランナーの私ですが、福岡国際マラソンに出場するほど速くは走れません。福岡はプロやセミプロ、この世界の超人だけが走れる特別なエリート大会です。Aグループで2時間27分、Bグループで2時間35分を切った実績がないと出場できないのです。出られる方が異常です。

本来、出られない大会ですが、ここは勝手に完走させてもらいましょう。名づけて「福岡国際マラソン勝手に完走」です。そして自分が完走したマラソン大会のうちのひとつに、勝手に数え上げさせてもらいましょう。

翌朝、ホテルの部屋を出るまでの準備は本当に楽しいものでした。とうとうオレも福岡国際マラソンを走る日が来たか、と勝手にわくわくしました。

スタート地点に移動し、いよいよ日本一のレースの開始です。ライバルは自分ひとりです。

途中で売店に寄ったりしながら、のんびりランニングです。辛くなったらペースを落とせばいいのですから本物のレースとは全然違います。ただ楽しいの一言です。

テレビのマラソン中継で見ていた風景が目の前で展開されていきます。

コースの距離感や高低差、周囲の雰囲気などは、やはりテレビを見ただけではわかりません。とくにテレビ中継ではランナーばかり映しているため、博多駅や香椎宮など名所はちらっと映るだけですから、走ってみなければわからないことはたくさんありました。

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博多駅の「福岡国際」歴代優勝者の足跡

コース途中の博多駅には、歴代の福岡国際マラソン優勝者の足跡があると知っていました。この足跡はマラソン関係者の間では有名です。わたしもわざわざ立ち寄りました。

ところが博多駅関係者に聞いても足跡のレリーフの場所を知らない人ばかりでした。そもそも福岡の優勝者の足跡があることさえ知らない人ばかりでした。マラソン関係者以外の関心なんてしょせんはこんなものなのです……。

たくさんの人に聞き込みをしてようやく優勝者の足跡を発見しました。たしかにあまり目立つ場所ではありません。普通に博多駅を利用する忙しいサラリーマンにとっては馴染みのないものかもしれません。

しかしわたしにとってはわざわざ見に行くような場所です。つまらない観光地よりもよっぽど見たい場所だと言ってもいいでしょう。

ランナーのみなさんにとって、最も印象に残るマラソン、マラソンランナーは、どのレースの誰でしょうか?

サングラスを投げ捨て、両手を突き上げてゴールしたシドニー高橋尚子でしょうか。

世界一のラドクリフを突き放して眩しい太陽の中を独走したアテネ野口みずきでしょうか。

わたしにとっては福岡国際マラソンの瀬古利彦選手です。

83年福岡国際マラソン 瀬古VSイカンガー

瀬古利彦がタンザニアのイカンガーをトラックのラストスパートで破って優勝した1983年の伝説のレースです。42.195kmの長距離走が、まるで100m短距離走勝負のようでした。あの試合をわたしはテレビで見ていました。まだ子供だったけれど、本当に衝撃的でした。あんなにかっこいいマラソンの勝ち方をそれ以降、一度も見たことがありません。バルセロナ森下広一は瀬古と同じようにトラックでラストスパート勝負してやろうとして黄永祚にその前に振りきられてしまったのでした。森下は瀬古がカッコよすぎたから負けたといってもいいかもしれません。

ニューイヤー駅伝と時期が近いために、実業団選手からは敬遠されがちな福岡国際ですが、市民ランナーには関係ありません。取材した「あの人」がいうように、市民ランナーの日本一を決める大会は、依然として福岡国際マラソンでいいんじゃないでしょうか。

世界最強クラスのマラソンランナーがバンバン走りに来るワールドマラソンメジャーズの「東京マラソン」には、レースの格ではもうどうしたってかないません。

だったら提案ですが、福岡国際マラソンは、「市民ランナーの部」をつくってプロの優勝者とは別に「日本一の市民ランナー」を表彰したらどうでしょうか?

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「市民ランナー日本一」を表彰をしたらどうかという提案です

ランニングで収入を得ていない純然たる市民ランナーが、福岡国際マラソンに出るためにどれだけ努力しているか、自身もサブスリーランナーで、雑誌『ランナーズ』のライターだったわたしはよく知っています。

表彰をテレビ中継に映せと言っているわけじゃありません。テレビには一番速く走った英雄だけが映ればいいと思います。でもその人は走ることでメシを食っているプロの選手ですよね?

そうではなくて、福岡国際マラソンがランナーの永遠の憧れの大会でありつづけるために、「市民ランナー日本一」の表彰を、テレビ中継とは別の場面で、真の優勝者とは別に、裏表彰をやったらどうか、という提案をしているのです。その「市民ランナーの部」は表の表彰以上にメチャクチャ盛り上がること間違いありません。

なぜなら表の表彰はもはや残念ながら真の日本一を決めているとは言い難いからです。所詮、福岡国際マラソンに出た選手の中での優勝です。ニューイヤー駅伝に出る有力な実業団選手は敬遠ぎみで出ませんし、記録も、国民の注目度もワールドマラソンメジャーズ東京マラソンにはかないません。

ならば、ならば、、、エリートの部でかなわないのならば、企画力で勝負しましょう。

市民ランナー日本一の表彰をすれば、すごい市民ランナーたちが目の色を変えて参集し、第二の川内優輝のようなスター選手が福岡の市民部門から出現するかもしれません。高校野球というのは全国優勝を決める試合よりも地方大会の決勝戦の方が球児が捨て身でプレーするから感動的だったりするものです。それと同じように市民の部は地方大会決勝のように盛り上がると思います。

冗談ではなく、本気で提案します。

もはやマラソン文化は市民ランナーが支えているといっても過言ではないのですから。

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福岡国際マラソン勝手に完走。

平和台陸上競技場は週末だったので開放中でした。わたしはトラックを走り、かつての瀬古利彦のように全力でゴールすることができました。

最高でした。どんな観光地をめぐるよりも楽しかったです。

出張のついでに福岡観光する代わりに、勝手に福岡国際マラソンを完走した時の思い出でした。

おかげで、その後、福岡国際マラソンのテレビ中継を見るのが、以前よりはるかに楽しくなりました。自分の脚で完走したコースですから、思い入れが違います。

途中で立ち寄ったお店とか、信号待ちした交差点とか、画面にチラッと映るので「勝手に福岡国際マラソン完走」の思い出がよみがえってきます。

「福岡国際マラソン勝手に完走」したことで、福岡はわたしにとって特別な場所になりました。

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アリクラ・ハルト|note
雑誌『山と渓谷』『ランナーズ』に執筆歴のあるモノカキ。市民ランナーの三冠王(グランドスラム達成)。現在は仮想地球一周(二周目)に挑戦中。アウトドア派の旅人。世界旅行者。 ブログURL= ユーチューブ=grandma-cuisine

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このブログ著者の小説『結婚』
小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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このブログの著者の小説『片翼の翼』
小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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【この記事を書いている人】

アリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。 市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。 また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。 そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。 その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。 登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。
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