ドラクエ的な人生

ロシア・ウクライナ戦争。国家をやめて世界連邦、世界政府のようなものをつくる以外に恒久和平の道はない

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アニメ『進撃の巨人』巨人は核兵器。避けられない絶滅戦争

アニメ『進撃の巨人』後半を見ていて、ウクライナ戦争を思い出しました。非常にリアルな描写で驚きました。前半は巨人の襲来に怯える人類という巨人vs人類というゴジラ的なSF作品なのですが、後半になると国家vs国家の戦争にドラマがシフトしていきます。そのドラマが実にリアルでロシア・ウクライナ戦争を彷彿とさせました。

ウクライナ戦争。美女が国を救う。

国家と国家が過去の遺恨で争うのですが、肉親を殺された恨みもあって、おたがいに相手が絶滅すれば平和が来ると思っていて、絶滅戦争の様相を呈します。

『進撃の巨人』の後半戦では巨人というのは「有力な兵器」という位置づけになります。ウクライナ戦争における戦術核兵器みたいな存在と思えばますます現実の戦争とドラマがオーバーラップしてくるのでした。

ゴジラは核

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どちらかが善、どちらかが悪という単純な図式ではない絶滅戦争

『進撃の巨人』における国家対国家の争いは、どちらかが善、どちらかが悪という単純な図式ではありません。自分たちが生き残るためには相手をやらなきゃならないという正義の使命感を背負って登場人物たちは絶滅戦争に突き進んでいきます。

人によって立場はそれぞれなのですが、人を傷つけない平和主義者はいつも被害者で、相手をやっつけようとする過激な戦争論者にいつも虐げられて殺されていきます。そういうところも非常にウクライナ戦争に似ています。平和主義者は逃げ惑うばかりで、攻撃するのは主戦論者ばかりなのでした。

『進撃の巨人』のキャラクターたちの主張を見ていると、主張を断腸の思いで妥協すること以外に戦争の落としどころはないように思えます。実力行使・武力で相手の主張ごと粉砕してしまうか、誰かが自分の意見・感情を完全に抑えて相手の言うなりになる以外に、落としどころはないように見えます。

現実のロシアウクライナ戦争も同じです。双方の主張が満たされる和平案はありえず、妥協すること以外には、実力行使・武力で相手の主張ごと粉砕してしまうか、誰かが自分の意見・感情を完全に抑えて相手の言うなりになる以外には落としどころはないように見えます。

しかし現在、両国のリーダーは「妥協はありえない」と主張しています。これでは和平への道は開けません。

どういうふうにこの戦争が終わるかわかりませんが、国が国として残るかぎり、遺恨は残ると思うんだよな。将来の戦争の火種が。

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「川中島の戦い」は無意味は地方戦。国があるから戦争になる。

鞭声粛粛 夜河を過る
曉に見る千兵の 大牙を擁するを
遺恨なり十年 一剣を磨き
流星光底 長蛇を逸す

将来の戦争の火種を解消して恒久平和を実現するには、民族国家をやめて世界連邦、世界政府のようなものをつくる以外にはないのではないか、と私は思います。かつて日本の戦国時代に「川中島の戦い」という大激戦がありました。ものすごい死傷者を出した戦争だったのですが、現代の私たちから見ると「そのいくさ、本当にやる必要ある?」という感覚がつきまといます。天下の帰趨を決めた「山崎の戦い」「関ケ原の戦い」などは時代の必要悪かもしれませんが、川中島の戦いなんて、天下の行方と何の関係もない地方戦です。今でいう山梨県と新潟県の長野県の領有をめぐる争いです。正直どっちが勝ってもよかったと思うんですよね。争わないのがいちばんよかったんじゃないかな。将来、日本国という大きなまとまりになったから、現代の目線から見ると戦う必要のない無意味な地方戦だと感じるのです。甲斐の国、越後の国という国が今はもうどこにもなくなりました。

ロシア・ウクライナ戦争がどういう決着となるか現段階でまったく想像もつきません。しかしどんな結論になっても遺恨が残るのだけは間違いないと思います。将来の火種なく恒久和平の道をさぐるならば、ロシアとかウクライナとかいう国家をやめて世界連邦、世界政府のようなものをつくる以外にないのではないでしょうか。

ウクライナ戦争。ロシアがNATOに加入すればいいんだよ

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国家は虚構。認知変革によって世界政府は可能

ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』では、我々ホモ・サピエンスは認知革命によって虚構を信じることができるようになり大きな集団が協力することが可能になったとしています。先祖の伝説を信じ、同じ神を信じ、同じ貨幣を信じることで、多くの人が協力して生きていくことができるようになりました。先祖の歴史的な虚構の物語を信じることで生まれたのが国家です。日本のような島国に暮らしていると国家というのは絶対領域のように感じてしまいますが国というのも虚構の認知に過ぎません。国境線なんてものは実際にはどこにもなく、日本人なんてものも人間の頭の中にしか存在しません。世界政府なんて絵空事のように思う人がいますが、そんなことはありません。ただ現在、強力な虚構がないだけであって、ユヴァル・ノア・ハラリは歴史は統一に向かって進むとしています。様々な文化はだんだん統一されていくだろうという予想です。

日本ができて甲斐と越後の国がなくなったように、世界政府ができれば戦争はなくなるでしょう。世界政府という虚構を全人類が認知すればそれは可能です。そうなればロシアとかウクライナにこだわる必要もありません。パスポートなんかなくして世界中どこにでも住めるようにすればいいのです。人間ひとりひとりが統治機構(世界政府)とネットでつながればいいのです。言語も統一すればいいのです。喋るのは英語でも中国語でも何語だっていいじゃありませんか。みんなが同じ言語を使うならば。

日本語にこだわるのは、日本人という虚構を信じる教育のたまものです。日本語しか話せないから日本という国に執着するのです。英語しか話せなくなったらもはや日本にこだわることはなくなるでしょう。それだけ世界市民に近づきます。

世界に国が散らばっているかぎり戦争はなくなりません。それは歴史が証明しています。大ロシア大モンゴルと、大中華と、大日本帝国と、みんなが各国の栄光の時代の再現を夢見たら戦争になるに決まっています。それぞれの領土は被っているんですから。地球はそれほど大きくありません。

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小豆島の領有権を香川県と岡山県で争うなんてことはありえない

鞭声粛粛 夜河を過る
曉に見る千兵の 大牙を擁するを
遺恨なり十年 一剣を磨き
流星光底 長蛇を逸す

世界政府ができてどこにでも住めるようになったら、貧しい人が移民となって流入するから困る、とか考えるのも過去の国にとらわれた感覚です。そういう感覚は実際に人々を混在・混血させて、教育でなくしていくしかありません。

たとえばこの日本だって、みんな鳥取とか島根とかよりも東京とか京都に住みたいはずです。でも何とかなっているではありませんか。みんながイタリアとかギリシアに住みたいと押し寄せたとしても世界政府だってきっと何とかなります。人が密集している都市を嫌う人もいますし、そういう場所は地価が跳ね上がるので経済的な事情によって人は分散するのです。

ロシア・ウクライナ戦争だって、未来人から見たら川中島の合戦のような意味のない領有権争いに見えるかもしれません。国をなくして世界政府をつくることが、問題解決の最善手ではないでしょうか。小豆島の領有権を香川県と岡山県で争うなんてありえません。そのぐらいの感覚で、ああロシア・ウクライナ戦争なんてやめておけばよかったのにと思うかもしれません。

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宇宙人が地球侵略しにきてはじめて旧人類に理解できる価値観

ときに私たちは未来人の目線をもつことが重要です。たとえば大平洋戦争だって原爆や東京大空襲をくらってこっぴどく焦土と化すことがわかっていたら、ハルノートを速攻で呑んで満州の権益なんてよろこんで差し出したに違いないでしょう。国があるからこんなことになるのではありませんか? 血を流した英霊に申しわけがないというナラティブがあるから自縄自縛になってしまうのです。

旧時代の価値観のままにウクライナで戦争していますが、ホントに争う必要あるんですか? 必要ないんじゃありませんか?

両者が納得するためには「世界政府」が必要です。併合、連邦では昔の繰り返しです。強力な世界連邦、世界政府をつくるためには、世界の大国の自己犠牲と献身がぜったいに必要です。しかし大国のリーダーには自己犠牲と献身ができません。そういうタイプの人間はリーダーの地位を争う中で脱落してしまうからです。権力闘争を勝ち抜いて得た「おいしい地位」ですから、それを手放せないのです。

でも一方で人類はイエスや釈迦のような人間を生み出しています。そういう人が人々のリーダーになって、世界政府の指揮をしてくれれば、核兵器なんて本当に必要なくなります。米軍がアメリカに核ミサイル打ち込みます? そういうことです。軍隊だっていりません。警察力だけで十分な世界になるのです。

世界政府。こういうことを書くと「国際関係や現実がわかってないバカ」みたいに批判する人が必ずいるのですが、そういう人は宇宙人が地球侵略しにきてはじめて世界が一つになる必要性を理解できるのでしょう。人類滅亡寸前まで追い詰められないと新しい認知に変革できないんでしょうね。

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このブログの筆者の著作『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』

戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての感想と提言。

『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか?
●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか?
●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。
●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか?
●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。

ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすることが、人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。それに反する行動は人類全体に否決される。いつかそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。

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