ドラクエ的な人生

他人には通じない個人的プライベートな「ことわざ」「故事成語」

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一般的な「ことわざ」「故事成語」の成り立ち。

世の中にはいろいろな「ことわざ」「故事成語」というものがあります。それらは過去に誰かが経験したことが、書物などに書き残されて後の世に伝わったものです。

その状況が「誰にでも起こりうること」だったので、或る状況を説明するときに「あのエピソードと同じだ」と表現すると、簡単に他人に伝わるということが分かりました。

たとえば、「酒池肉林」といえば、殷(商)の紂王のように「やりたい放題にやっているんだな」ということが伝わったのです。「なんてひどい」というニュアンスまで同時に一言で伝えることができます。「ことわざ」は便利なのです。

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そのような都合のいい状況説明のエピソードが「ことわざ」「故事成語」として残りました。元ネタのベストセラー書物とは別に、それだけで状況を説明する語句として使われるようになったのです。

たとえば「ルビコン川を渡る」というのは「もはや後戻りのできない決定的な一歩を踏み出すこと」を言います。ユリウス・カエサルの故事が元ネタになっています。

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個人的な「ことわざ」「故事成語」が「例えツッコミ」としてプライベートに生き残る。

ところでそういうことは友だちや家族にだってあると思います。家族やクラスメートなど共通に経験したエピソードが鮮烈で、その後の状況を説明するのに最適な場合、そのことは家族やクラスメートのあいだで、一般的な「ことわざ」「故事成語」のように意味をもちます。

この「個人的なことわざ」「プライベートな故事成語」は、折にふれて「例えツッコミ」のように会話の中に飛び出してきます。

わたしたち夫婦にもそのようなことわざがあります。

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「ハウステンボス号がハウステンボスに行くとは限らない」

その日、私たちは急いでいました。青春18きっぷで九州地方を旅していた時のことです。

ハウステンボス号というのに乗って、ハウステンボスに行きたかったのでした。時刻表を見て、乗り継ぎの時間があまりないことは認識していました。佐賀のあたりは一時間に一本ぐらいしか電車がなくて、電車一本乗り過ごすと旅程全体が狂うほど、都内では想像もつかないほどのダメージを食らいます。

わたしたちが佐賀駅で電車を降りたとき、目の前に「ハウステンボス号」が停車していました。そして発車のサインが鳴っています。わたしたちはあわててハウステンボス号に飛び乗りました。予定していた電車ではありませんが、どうせハウステンボスに行きたいのだから渡りに船だと思いました。

ところがなんとハウステンボス号の行き先は福岡・博多でした。ハウステンボス号だからハウステンボスに行くに決まっていると思って乗り込んだのですが、ハウステンボス号はハウステンボスに行くとは限らないのです。

冷静に考えれば、そりゃああるよな、逆方向。

でもオレンジ色のハデハデのハウステンボス号が、まさか逆方向に進むとは、その時はまったく考えませんでした。

この「ことわざ」「故事成語」は、このようなときに私たちは使っています。

教訓「明らかに見えても、そうとは限らない。よく確認すること」

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「成田空港バス」が成田空港に行くとは限らない

この個人的な「ことわざ」「故事成語」は、このようなときに使います。

たとえば「成田空港バス」が成田空港に行くとは限らないってことですよ。時間がなくて焦っていても、ちゃんと行き先を確かめずに飛び乗ってはいけません。

いくら「成田空港バス」だからって、成田空港に行くとは限らないからです。「成田空港バス」は東京駅とか新宿に向かうかもしれません。空港送迎バスなので、当然ながら帰路(逆方向)もあるのです。

要するに、ハウステンボス号がハウステンボスに行くとは限らないってことですよ。

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「ワポレットがサンマルコ広場に行くとは限らない」

ハウステンボス号がハウステンボスに行くとは限らない。この「個人的ことわざ」に似たような状況は他にもよくあります。この状況は、いってみれば私たちのツボなんですね。

水の都ベネチアで道に迷ったときのことです。橋を渡らないと進めないベネチアでは行きたい方角にいつでも行けるとは限りません。前へ前へと進むと迷子になってしまうような迷路の町なのです。

そんな水路の迷路の町で、わたしたちは「道に迷うことを楽しんでいました」。壮大なロールプレイングゲームのようなものです。道に迷ってもワポレットという水上バスに乗ればいいと思っていました。むしろ一度は水上バスに乗ってみたいと思いました。

ベネチアの中心地はサンマルコ広場です。右回りか左回りかはわかりませんが、どっち回りでも、水上バスは町の中心地であるサンマルコ広場に行きつくに決まっています。アタリをつけて、そして適当なワポレットに乗り込みました。

そうしたら、乗り込んだワポレットは、ムラーノ島までの行く遠距離ワポレットでした。サンマルコ広場どころか、どんどんベネチアから離れていきます。最終的には予想通りサンマルコ広場に戻ってくるにはきたのですが、戻ってくるまでに半日かかりました。

個人旅行だったからよかったものの、ツアーだったらたいへんなことになっていたと思います。ツアーは先を急がねばならず、ベニスに置き去りにされてしまったことでしょう。

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私たちの「とりあえず乗り込む」というスピリットは、放浪の旅人としては面目躍如ではありますが、時に危険ですらあります。そんなときに自分をかえりみるために、こう言い聞かせるのです。

「ハウステンボス号がハウステンボスに行くとは限らない」

なかなかいい「ことわざ」「故事成語」だと思いませんか?

よろしかったら、みなさんも遠慮なく使ってください。

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