ドラクエ的な人生

映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』は波動砲を撃ちすぎ。戦艦大和に対するリスペクトが足りない。

スポンサーリンク

波動砲を撃てば撃つほど戦艦大和からは離れていく。

昔、劇場で見た実写版「宇宙戦艦ヤマト」。『SPECE BATTLESHIP ヤマト』についてここでは書いています。

ひとことでいうと本作のヤマトは波動砲の打ちすぎです。波動砲を撃てば撃つほど戦艦大和からは離れていきます。大和にそんな機能はありませんので。

制作陣には、戦艦大和に対する愛情、リスペクトが足りなかったのではないかと思うのです。

スポンサーリンク

あの船は、戦艦大和が復活したものでなければならない

昔、劇場で見た実写版『SPECE BATTLESHIP ヤマト』が、プライムビデオで無料視聴できたので、また見てみました。そして昔に感じたのと、同じ感想をもちました。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

プライムビデオ(アマゾンプライム会員)に登録していない方は、まずは30日間の無料体験からお試しください。

アマゾンプライム会員登録のしかた(無料体験だけして解約する方法)
このページではパソコンを使用したAmazonプライム会員に登録するやり方を解説しています。 Amazonプライムビデオを視聴するためには、Amazonプライム会員に登録しなければなりません。 プライムビデオを視聴する=Amazo...

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

それは「波動砲、撃ちすぎ!」というものです。同じように感じた人もいるのではないでしょうか?

宇宙戦艦ヤマトのいいところは、日本を救う使命を帯びていたにも関わらずほとんど役に立たなかった超ド級戦艦大和が、地球を救う使命を帯びて宇宙戦艦ヤマトとして復活した、というロマンにあるはずです。

あの宇宙船が、たとえばミレニアムファルコン号だったら、ここまでの人気は博さなかっただろうと思います。あの船は、戦艦大和が復活したものでなければならないのです。

そこにロマンがあるからです。

だとすれば、かつての大戦艦が、今、宇宙で戦っていることを表現するためには、やっぱり主砲で戦ってほしいのです。

映画『SPECE BATTLESHIP ヤマト』では「ヤマト発進」直後にもういきなり波動砲をつかいます。いやいやいや。そこは主砲でしょ!

主砲というのは主たる砲のことです。でも主たる砲が波動砲になってしまっているのが『SPECE BATTLESHIP ヤマト』なのです。

スポンサーリンク

実際の戦艦大和の主砲は爆風、轟音でほとんど実戦では使えなかった。

実際の戦艦大和の主砲は、実戦ではほとんど使えなかったそうです。

世界最大の46センチ砲は富士山の高さまで打ちあがり、マラソンの距離ほどの射程がありました。人間の胴体ぐらい太い鉄の砲弾をぶっ放すとものすごい爆風と轟音で、近くで高射砲を撃っている甲板の兵士が吹っ飛ばされたり鼓膜が破れたりしたそうです。つまり戦艦どうしのガチ砲撃戦がほぼなかった太平洋戦争では、実戦ではつかえなかったのです。

山岡荘八『小説太平洋戦争』。日本だけ特別だと思うのがすべての間違いの元

その無念……しかし、だからこそフィクションの映画の中では戦艦らしく主砲で戦ってほしいのです。

アニメ版ではそこらへんの夢を再現してくれているのですが、『SPECE BATTLESHIP ヤマト』は残念な出来ばえになってしまっています。

困ったときの切り札だったはずの波動砲を、あまりにも大安売りにぶっ放すために、ヤマトが戦艦ではなく特殊な砲艦のように見えてしまいます。まるで砲身が回転しない戦車(自走砲・突撃砲)みたいです。

戦艦というのは主砲をぶっ放して戦うものなんですよ。制作陣さん。

スポンサーリンク

艦載機が活躍しすぎて、戦艦大和が航空母艦に見えてしまう。

そして映画『SPECE BATTLESHIP ヤマト』では、艦載機(ブラックタイガー、コスモゼロ)がやたらと活躍します。これは大平洋戦争では戦艦ではなく、航空母艦、空母の役割です。

Mr.戦艦といってもいい大和が、なんだか空母みたいです。

主砲も撃たずに「艦載機、発進!」って、そりゃあおかしくないですか? 『宇宙空母アカギ』がタイトルならまだ納得しますけどね。

スポンサーリンク

見習え。科学忍者隊ガッチャマンの「科学忍法・火の鳥」

制作陣に見習ってほしかったのは、科学忍者隊ガッチャマンの最終必殺技=科学忍法火の鳥です。科学忍法・火の鳥はヤマトにおける波動砲と同じ役割で最終兵器です。

しかしガッチャマンって、ほとんどこの最終必殺技・火の鳥つかわないんですよ。ほとんどバードミサイルで対処しています。

オープニングの映像に登場するから、毎回、最後は必殺技の火の鳥で敵を退治するのかと子ども心に思っていたのですが、大人になって見返してみると、切り札の火の鳥はほとんどつかっていません。しかも敵を倒すためではなく自らのピンチを脱するためにつかったりしています。あくまでも切り札は切り札のままです。

どうですか、この禁欲、節制(笑)。この制作陣の抑制を『SPECE BATTLESHIP ヤマト』制作陣にも見習ってほしかったと思います。

そりゃあ最大の見せ場ですから、映画の二時間の中に、波動砲のシーンも必要でしょう。でも撃ちすぎです。あまりに波動砲に頼っては、それはもはや戦艦大和とは何の関係もない別の船です。戦艦大和の艦首にあるのは菊のご門であって波動砲発射口ではありません。

映画の中で「1945年、戦艦大和は~~」と古代進役のキムタクが語るシーンがありますが、主砲もろくに撃たずに波動砲と艦載機ばかりつかっていたら、戦艦大和に対するリスペクトが足りないといわれてもしかたがないでしょう。そりゃあ別の船ですから!

もうひとつの宇宙戦艦ヤマトの魅力である「集団にマゾヒスティックにボコされる」点については、再現されていたと思います。こっちの点は、制作陣もわかっていたようです。

モバイルバージョンを終了