『車泊でGO!!』というYouTubeチャンネルを運営しています。
登山か、自転車に特化したチャンネルにした方が、多くの人にチャンネル登録してもらえるだろうとわかっているのですが、二つの理由で特化できておらず、YouTubeの収益化ラインには到達していません。
収益化されていないチャンネルなのに、なぜか広告が入る謎
チャンネルを登山や自転車に特化できない二人の理由とは、ひとつは特化チャンネルにすると、コンテンツをわざわざ撮影しにいかなければならず、ほとんど本業のユーチューバーと同じだけの労力をつぎ込まなければならないこと。
もうひとつは、特化した内容以外のおもしろいコンテンツを捨てることになることです。
そういったわけで、あまりYouTubeの収益化については、望み薄としてあまり期待していませんでした。
そのかわり、YouTubeの「スライドショー」は収益化されないと言われていて、だから他の人はほとんどやっていないのですが、私達は「そんなの関係ねえ」とばかりにたくさんのスライドショーをアップしています。
動画をアップしたらいちおうYouTubeで自分の作品を見返しています。
ところが最近、CMが入るのです。最初は何かの間違いかと思っていました。
2021年8月現在、うちの動画にもCMが入ります。
ウチの動画は収益化されていないから広告はないと安心していたのに、急に広告をスキップする必要が出てきてしまったのです。
いったいこれはどういうことなのでしょうか。まだ振込口座、登録していませんが(笑)。
YouTubeの利用規約の変更。すべての動画に広告を貼った方が理にかなっている
調べたところ、どうやらYouTubeの利用規約に変更があったようです。
「YouTube は、プラットフォーム上のすべてのコンテンツを収益化する権利を有しており、YouTube パートナー プログラムに参加していないチャンネルの動画にも広告が表示される場合があります。」
という収益化に関する権利がYouTube側にはあります。
文字通り、YouTube側はすべてのコンテンツを収益化する権利を有しているので、収益化ラインに達していない動画にも広告を貼ることにしたのでしょう。
この場合、もちろん広告代金はすべてYouTube側が受け取ることになります。
うちのパートナーにこの話しをしたら「広告、邪魔じゃん。勝手に私たちの動画に広告貼らないでほしいよね」と怒っていました。
しかしYouTubeというプラットフォームで相撲を取っている以上、ルールに従うしかありません。私たちはプレイヤーであり、競技のルールに従えないのなら退場するしかないのです。
YouTubeは、絵にかいたような見事なプラットフォームビジネス
そもそもyoutubeのようなものを「プラットフォームビジネス」というのです。まさにYouTubeは絵にかいたようなプラットフォームビジネスです。
YouTubeが収益化するための無理ゲーのライン「チャンネル登録者数1,000人以上、総再生時間4,000時間以上」の条件をクリアしていない動画にも広告を貼ることにしたのは、それだけ収益化ラインに到達していないチャンネルが増えてきたということではないかと思います。
YouTube側の公式な報告書はありませんが、ある人の試算だと収益化ラインに到達しているチャンネルは上位11%ぐらいの割合だそうです。マラソンでサブスリー達成するよりは簡単そうですが……。
収益化ラインに達した動画にしか広告を入れないとなると、YouTube側としては残りの89%の動画には広告を入れられないということになります。これはおそるべき機会喪失ということになります。
すべての動画に広告を入れれば、YouTube側としては広告収入を得られる機会が最大化するわけです。今回、こちらに舵を切ったということでしょう。
またもしも広告が邪魔だと感じる視聴者には、YouTubeプレミアムに加入(有料です)するという円満な解決法が用意されています。月額1,180円(2021年8月現在)を支払えば、すべての広告を消すことができます。
私などはスマホの画面を伏せて寝ながらYouTubeの音だけ聞いたりしていますので、広告のスキップが邪魔で仕方がありません。眠りにつく前に明るい画面を見て広告スキップするのはキツイものがあります。
「時間こそ命なんだ」という哲学を生きるならば、わずかな金で時間や手間のロスをなくすことができるわけですから、YouTubeプレミアムへの加入は大いに検討していいと思います。
広告が表示されなくなっても、YouTube側としては加入料を得ることでペイするというわけです。
ね? 絵にかいたような、見事なプラットフォームビジネスでしょ?
場を提供したものが強い。すべてYouTube側の意向次第
さて、YouTubeの広告と収益化ですが、今後はどうなっていくのでしょうか。
アメリカあたりで「どうせ歩合(閲覧数)で支払いが決まっているんだから、収益化ラインを撤廃して、すべての閲覧された広告に対して広告代金の一部が支払われるべきだ」という運動が起こって、無理ゲーの収益化ライン「チャンネル登録者数1,000人以上、総再生時間4,000時間以上」が撤廃される可能性はもちろんあります。
自分の動画を見てもらって広告を見てもらっているのに(集客しているのはこの私なのに)、広告代金の分け前にあずかれるのは、無理ゲーのラインを突破した人だけという不公平感があるのは確かですからね。
しかし「上位のものしか収益化しないところでコンテンツの切磋琢磨が起こって、その結果、YouTubeそのものが盛り上がっていくのだから、収益化できるのはあくまでも上位だけ」とYouTube側が判断して、無理ゲーの収益化ラインはこのまま残る可能性ももちろんあります。
すべてはプラットフォームを運営するYouTube側の意向次第です。
作家よりも出版社、音楽家よりもレコード会社の意向が優先になるようなものです。場を提供したものが強いのです。ギャンブラーよりも、胴元になれってことですね。
本当は、視聴者に直接動画を届けて、広告代金が直接入れば、中間マージンがなくなってウィンウィンなのですが、面倒な入札だとか支払いだとかをやってくれる代理店はこれからも必要になってくるんだと思います。
場を提供した胴元が強いのは確かですが、広告の場はYouTubeだけとは限りません。どこかの誰かがまた新しい場を提供するかもしれません。そうすればそこでまたコンテンツの花が咲くでしょう。
YouTubeに提供したコンテンツは他のプラットフォームには持ち出せないと規約が変更される可能性だってあります。
いずれにしてもYouTubeという土俵で相撲を取っている以上、YouTubeの決めたルールに従わなければなりません。それが現実です。