ドラクエ的な人生

コロナ後の世界でも山小屋の予約は必須か?

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山小屋は緊急避難所。アポなし飛びこみ宿泊が基本だった

ひさしぶりに槍ヶ岳に上ってきました。10年ぶり以上のご無沙汰でした。前回登った時は「コロナ以前」でしたので山小屋には予約という概念が希薄でした。山小屋というのは、悪天候時に命を助ける緊急避難所を兼ねていますので、基本的に宿泊者を拒否するという概念が以前にはありませんでした。だから「アポなし飛びこみ宿泊」が基本だったのです。だってもう予約でいっぱいだからって、悪天候で命からがらたどり着いた登山者を外におっぽりだせると思いますか? それはほとんど殺人行為です。

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縦走登山は予定が立てられない。体調、天候次第で宿泊予定山小屋は変わる

それに縦走登山では実際に予定が立たないことが往々にしてあります。かつて私は南アルプス全山縦走というのを8泊9日かけてやっています。その時も山小屋頼みの縦走登山でした。つねに程よい距離で山小屋があってくれればいいのですが、そうとは限りません。嵐などを避けられるところで、ある程度の平地面積がないと山小屋は建てられないからです。

すると困ったことが生じます。たとえば(数字は適当です)12時間歩いて次の次の山小屋まで一気に行くか、その日は4時間だけ歩いて無理をせず直近の山小屋に泊まって翌日8時間歩くか、ルートマップ上では最後まで判断できませんでした。実際に歩いてみてその時の体調、天候で決めようと思いました。体調も初日なら予測できますが、4日目5日目となるとどこまで元気に歩けるかわかりません。

登山中に急に風が強くなり予定していた山小屋はあきらめて、その手前の山小屋でザックをおろすということは登山ではよくあることなのです。

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「コロナ後の世界」では山小屋も予約が必須になったが……

ところが「コロナ後の世界」では山小屋も予約が必須になりました。私たちは槍ヶ岳山荘に泊まったのですが、ホームページを調べたところ予約が必要でした。予約ページはまだ予約できる状態だった(×ではなく△)のですが、夫婦二人で予約しようとしても予約を受け付けてくれませんでした。試しに私(男)だけ予約したら受け付けてくれました。そして次の瞬間に予約ページは△が×になりました。つまり予約できる数があからじめ決まっていて残り一人枠だったようです。予約番号も発券されました。このような予約体制ではおいそれと予約なしには登れません。心理的なプレッシャーは大きいものがあります。山小屋の受付で予約番号を聞かれたら答えに困ってしまいますからね。

妻の宿泊予約が取れなかったので槍ヶ岳登山は諦めなければならないかと思いつつもキャンセル待ちがあるだろうと期待して一日に何度も予約ページにアクセスしつづけたところ、予定日の前々日にキャンセルがあったのか×が△になっていました。妻の分もちゃんと予約できたので予定通り登山することになったのでした。

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予約登山の問題点は予約する時点で山の天候が読めないこと

予約登山の問題点は予約する時点で山の天候が読めないことです。私たちの場合も大雨だったらそもそも登山そのものをキャンセルしようと思っていました。その点、山小屋の無料予約キャンセルは前日まで受け付けていて良心的です。さすが山のことをよくわかっていますね。

予約制にすれば山小屋としても用意すべき夕食の量などが事前にわかるために便利なのでしょう。しかし登山者目線でいえば、山小屋の予約なんてあくまでも仮押さえにすぎません。当日が大雨だったら宿泊どころか登山計画そのものがキャンセルになるのですから。だからキャンセル待ちはかなりの確率で生じると思っていいでしょう。穂高と槍ヶ岳の両方を仮りおさえして直前にどちらに登るか決めるという人もいるかもしれませんね。

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予約番号も聞かれず、予約の有無も聞かれなかった

槍ヶ岳山荘の受付では予約している旨を伝え、予約番号を伝えようとしましたが、そういうことは一切聞かれませんでした。昔のように住所氏名電話番号とどこから来てどこへ行くかを書いた宿泊カードをボールペンで記入しました。

「予約が必要ですか?」とばか正直に山小屋に尋ねたら「必要です」という回答だと思います。しかし実際には予約番号も聞かれず、予約の有無も聞かれませんでした。おそらく山小屋の(何人でも受け入れるという)緊急避難所的性格はいまも変わっていないのだと思います。

予約制のぶん、割り当てられた就寝スペースはひろびろとしていました。一時期の富士山登山のように隣の人とギュウギュウでミイラのように眠るというようなことはありませんでした。余裕をもって予約人数の上限を決めているのでしょう。

逆にいえば急に宿泊客が増えたって、廊下に寝たっていいし、たとえば食堂で寝るなど、ベッドのスペースはつくろうと思えばいくらでもつくれるみたいでした。つまりいちおう予約制だけど、昔のようにアポなしでも泊まれるんだと思います。

だからといって予約なしで3000mの高みにまで登るのはおすすめしませんが、もしも悪天候や急な体調不良などで予定している山小屋まで行けなくなったら、直近の山小屋で聞いてみてください。予約していないからって宿泊を断るようなことはしないだろうと思います。

山小屋さんにはそれぐらいの融通、度量で経営してもらわないと、長期縦走登山なんてやってられませんよ。マジで。

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