旅をしていると、パスポートを見せるだけでなく、相手の手に渡してしまわざるを得ない場面がある。
たとえば両替の時、タイのバンコクとパタヤではレートが違う。パタヤの方が両替レートがいいことが多い。わずかの差だがうれしくなってしまう。このためにバンコクでは両替を我慢してひもじい思いをしてきたのだ。
両替の時、両替商はパスポートを要求してくる。海外の両替商はセキュリティ上防犯ガラスの向こうにいるし、パスポートナンバーをチェックしたりするので、顔写真を見せるだけというわけにはいかない。相手に手渡すことになる。
よく海外ガイドブックにはこう書いてある。「両替の時にごまかされることがあるので、両替したらその場で札束の数を数えましょう」。
たしかにその場で札束を数えることは重要である。しかし50万ドン、100万ドン、という単位を日常的に使うベトナム・ドンなんかに両替した場合は、札束を数えるのにどれだけ時間がかかることか。。。
はい、ここで問題です。あなたは何か、大切なことを忘れてはいませんか?
札束を数えるのに夢中で、パスポートを忘れている
そうです。札束を数えるのに夢中でパスポートを返してもらうことを忘れてしまっています。
両替商が良心的な人ならば向こうから返却の声をかけてくれますが、そうでないこともあります。たとえば両替商が次の客の接客に忙しくて、コピー機の上の私たちのパスポートのことを忘れてしまうこともあります。
この場合、私たちが気づかないまま、お店を出てしまったら、両替商はもう返却の手段がありません。私たちがパスポートを預けたままなのを忘れて、次の街に行ってしまったら最悪です。
これは痛恨の一撃のようなものです。突然、旅が終わってしまいます。
実はこれは私の実話です。次の街へ行く前に気づいたから大事に至りませんでしたが、あぶないところでした。
テーマパークが面白すぎて、パスポートを忘れている
タイのムアンボラーンでゴルフ用カートを借りたときのことです。パスポートを見せるだけではなく、補償として預ける必要がありました。
ムアンボラーンは広く、面白く、夢中になって丸一日遊びまわった。
すべての施設を見終わって、ゴルフ用カートを返却して、ゴルフカートの鍵を受付に返したときに、パスポートが返却されてギクッとした。
テーマパークが面白すぎて、パスポートを預けていたことなど、完全に忘れていたのである。旅が面白すぎて丸一日遊び呆けていると、朝に預けたパスポートのことなどちょっと気を抜いたら忘れてしまう。
両替のようにすぐに返却される場合は覚えていられるが、テーマパークのように丸一日遊ぶようなケースでは注意が必要だ。
今回の場合、先方がしっかりしているために問題なくパスポートは返却されたが、命を他人にあずけているのと同じことである。やはり自分のパスポートは自分でしっかりと取り返すという気持ちでなければ旅は危ない。
手放したパスポートを回収しわすれたら、一発でゲームオーバーになる
空港でセキュリティチェックのときにもパスポートを手放しますよね。私は荷物検査の係員がパスポートを返却できずに困っているのを見たことがあります。あわてんぼうの旅人がベルトやジャケットは回収したのにパスポートは回収するのを忘れてしまったんでしょうね。もっともすぐ先につぎつぎの関門「イミグレーション」がありますから、そこで気づいて慌ててセキュリティチェックまで戻ってくるんでしょうが。
パスポートを身辺から手放すとき、あなたの旅はピンチに陥っています。渡した「それ」は確実に回収しなければなりません。
机上で読むとあたりまえのことのように聞こえると思いますが、実際、多くの旅人が旅先で犯してしまっているミスです。異国の知らない匂いを嗅ぎながら旅の途中で、人は想像もしなかったようなミスをしてしまうものなのです。
手放したパスポートを回収し忘れたまま、次の街へと行ってしまったら、どうなるか?
こんなことをしてしまったら一発でゲームオーバーになります。ご注意ください。