とうとうやってしまった! パスポート紛失事件
どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?
旅人が経験するようなトラブルはひと通り経験している私ですが、例のアレをとうとうやってしまいました。
パスポート紛失事件。(*_*;
ああ。これまでの旅の途中で、何度かこういう人に出会ったことがあります。パスポートの紛失者。
空港へと向かうバスの中で、日本人の女性がひとりで心細そうにしているので声をかけたことがありました。
「彼と一緒に来たんですけど、彼がパスポートをなくしてしまって、私だけ先に帰国するんです。。。」
( ノД`) なんてかわいそうな。不安だろうな。
そんなふうに同情してきたパスポート紛失者に、とうとう私もなってしまったのでした。
OH MY GOD! ここではそのレポートをしたいと思います。
飛行機内で爆睡中にパスポートを盗まれた?
深夜1時35分上海発→早朝7時10分クアラルンプール着の便だったため、完全に眠りこけてしまいました。離陸の時も着地の時も爆睡していました。上海で遊びつくして疲れていました。
イロハ「そもそも年末のカウントダウンは上海の外灘バンドで中華人民と一緒に大騒ぎしようって予定じゃなかった? それが年明けのカウントダウンは上海浦東空港の出国ロビーだったよ。そこから大失敗じゃない?」
ハルト「午前と午後を間違えて予約した。午後1時35分だと思った。だからカウントダウンはバンドに行けると思ってた。まさかこんな早朝便とは……」
イロハ「そのテキトーさがあるから、放浪旅ができるのかもしれないけどね」
ハルト「確かに現金とパスポートさえあれば旅は何とかできると思っている。だからこそ節目節目で現金とパスポートだけはちゃんと確認しているんだ」
この日も飛行機から降りる直前に、最重要の財布とパスポートを確認します……ん? えっ? な、ない。ないぞ? パ、パスポートがない。
首からぶら下げたセキュリティポーチが定位置なのですが、そこにあるはずのパスポートがありません。
焦りました。あわてて、全身のポケットやカバンの中を探しまくりますが、どこにもパスポートはありません。
「盗まれた!」
一瞬で血の気が引きました。搭乗前には地上係員がパスポート確認をしますから、確実に搭乗した時にパスポートは持っていました。それが今はないんですから、機内で盗まれたのに違いありません。
セキュリティポーチを首からぶら下げたまま爆睡していました。パスポートをこっそり抜き取ることなど簡単だったでしょう。
パスポートがない!! CAに必死で訴えた。
あるいは愉快犯の犯行かとも思いました。わたしがあわてふためくのを愉快そうに眺めているお客はがどこかにいるんじゃないか……。
周囲を見渡しましたが、そんな人はいません!
降機の準備が整うと、アタマが真っ白のわたしなどお構いなしに、乗客は次々と降り始めました。
しかしわたしは降りるわけにはいきません。パスポートがないんですから。飛行機を降りてもパスポートなしではイミグレーションを通過できません。
「イロハ、ちょっと降りるの待って。パスポートがないんだ」
恥をしのんで、イロハに訴えます。
「えっ。うそでしょ?」
「いやホント。よく探すから、ちょっと降りるの待って」
イロハも一生懸命に探してくれましたが、どこにもパスポートはありませんでした。
ああ、これからどうしたらいいんでしょうか。
旅先でパスポートを紛失したら、日本領事館に行って渡航証明書を出してもらえばいいはずですが、空港内(正確には飛行機内)でパスポートを紛失したらどうすればいいんでしょうか。
パスポートなしで空港の外に出られるとも思えないが。
バックパックを丸ごと紛失しても動じなかったわたしですが、さすがの私も今回ばかりは真っ青になりました。この先どう対処すればいいのか、それさえわかりません。
〈せっかくの旅がだいなしになってしまった。イロハに申し訳ない〉
そもそもパスポートの再発行には盗難証明書が必要だったはずです。空港警察を呼ばなきゃならないかしら。飛行機に乗り込むまでは確実に手元にあったのだから、盗まれたことは容易に証明できるはず。それをキャビンアテンダントに証明してもらおう。
わたしは恥も外聞もなく、キャビンクルーにも助けを求めました。
「パスポートがない!」
「眠りこけている間にたぶん盗まれた!」
CAさんに英語で必死で訴えます。
エアアジアの真っ赤な制服を着た若いスチュワーデスさんが、床に手をついて椅子の下まで探してくれましたがパスポートはありませんでした。
わたしたち二人以外のすべてのお客様を見送ったキャビンクルーが、わたしの異変に気づいてみんなでパスポートを探してくれます。なかには椅子まで外して探してくれたアテンダントもいました。
そんなところにあるはずないのに。。。
「あっ。ありました!」
途方に暮れていた私の目の前に、日本のパスポートが差し出されました。
えっ?
確かに日本のパスポートです。でもおれのパスポートのはずが。。。だっておれのは盗まれたのだから。
祈るような気持ちでおそるおそるページをめくると、なんとそれは私のパスポートでした。
あった。あった。あった!
o(≧∇≦o)(o≧∇≦)o わたしは小躍りしていたことでしょう。
探し物は、座席と座席のあいだのすきまに落ちていた。
イロハが駆け寄ってパスポートを確認します。
3割増しで美人に見えるキャビンアテンダントに聞くと、なんと椅子と椅子のあいだの狭間に挟まっていたそうです。
まさかそんなところにあったとは。
CAさんが座席を外して探してくれなかったら、おそらくわたしは困り抜いていたはずです。
これが町中なら千円ぐらいチップを差し出すところですが、飛行機の中でキャビンアテンダントにチップを差し出す雰囲気はまるでなく「Thank you very much!」と彼女に心からお礼を申し上げて飛行機を降りました。
あのとき、椅子まで外して探してくれたスッチーには今でも心から感謝しております。あのまま見つからなくてもおかしくはありませんでした。
イロハ「私も焦ったよ。なんでそんなところにあったの?」
ハルト「パスポートをいつものセキュリティポーチじゃなくて、無意識にズボンのポケットに入れちゃったんだろうな。寝ているうちにポケットから出てしまって、たまたま椅子の間に挟まっちゃったんだろう。爆睡しちゃって気づかなかった」
イロハ「気を付けてよね!」
ハルト「ごめんなさい。しかし嫌なホルモンが出たよ。よく「寿命が縮む」とかいうけど、一瞬で絶望のどん底に叩き落された感じがした。マンガで焦っている人がたらーり汗を流している表現があるけど、あんな気分だったよ。中華航空、出航しちゃった事件以来の顔面蒼白事件でした」
パスポートと現金、どちらが海外旅行で最も大切か?
わたしはこれまで海外旅行で一番大事なのは現金で、二番目がパスポートだと思っていました。日本領事館まで行くのにも、パスポートを再発行してもらうのにも、お金が必要だからです。
しかしそれは一人旅の場合です。
二人旅の場合は別だと思いました。お金がなくても同伴者に頼れます。しかしパスポートがなければ旅が続けられません。帰国どころか入国もできません。突然、旅はそこで終わってしまうのです。
二人以上の団体旅行の場合は、現金よりもパスポートの方が大切です。
完全に失くしたと思ったパスポートが、座席の隙間に挟まっているのが見つかって、わたしは本当にラッキーでした。
年始初日からこんな目に遭って、これを縁起が悪いと捉えるか、ラッキーと捉えるか。そこが放浪の旅人になれるか、なれないかの境目であるのかもしれません。楽観的な人でないと放浪の旅人にはなれないでしょう。
もしも飛行機を降りてイミグレの直前でパスポートの紛失に気づいたとしたらもっと絶望的な状況になっていたことでしょう。そこからもう飛行機に戻ることもできません。機内で気づいたからこそなんとかパスポートを取り戻すことができたのです。
最近では機内に「椅子と椅子のあいだに携帯電話などを落としてしまったお客様はキャビンアテンダントにお申し出ください」というアナウンスが入るようになりました。どうやら座席と座席のあいだにものを落とす人が案外いるようです。
あなたがもしもパスポートを紛失したと思ったら、座っていた椅子の隙間に落ちていないか、まず確認してみてください。
また、ズボンのポケットというのは、いがいと座ったときに中のものがこぼれ出てしまうものです。重要なものはズボンのポケットにいれるのは考えた方がいいかもしれませんね。