ドラクエ的な人生

FIREとは若隠居のこと。ご隠居の暮らし方

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FIREとは若隠居のこと

最近FIREというものが若いサラリーマンの憧れになっているようだ。しかしFIREというのは最近やっとできたものではない。昔から日本にもFIREはあった。そういう言葉がなかっただけである。ではFIREのことを日本では何と言っていたか?

FIREとは若隠居のことだ。古来日本ではFIREのことを「ご隠居さん」と呼んだのである。

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ご隠居とは、年齢のことではない。若くても、ご隠居はいる。

ご隠居、それは、年齢のことではない。社会で活躍することを、みずから退いたもののことをいう。若くても、ご隠居はいる。

平均寿命が延び、会社の定年制が六十歳(最近ではもっと延長されているようだ)となったことから、ご隠居というと六十歳以上の人を想像する人もいるかもしれない。しかし、そうではない。

江戸時代などの昔は四十歳台でご隠居となるものも多かった。職業が一子相伝で固定されていたため、17歳で生んだ子供が17歳になるころには、仕事をゆずって隠居する者がたくさんいたのだ。大学などなかったから17歳ぐらいになると息子も結婚して仕事を継ぎたかったので、親子ともどもお互いにちょうどよかったのである。

隠居といっても寿命が五十歳強ぐらいだったから、十年強ぐらいしか余命はなかったのである。

さて、現代のご隠居であるが、隠居になる年齢に決まりはない。自分が「わしゃご隠居じゃ」と名乗った時が、ご隠居の年齢である。最近流行のFIREもまた「ご隠居」の今風の言い方だといえるのだ。

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ご隠居は好きな時間に好きな時間に起きて、好きな時間に寝る

さて、今どきのご隠居であるが、どういう暮らしをしているのであろうか。ご隠居は好きな時間に起きて、好きな時間に寝る。仕事があるわけじゃないから、ご隠居は時間に縛られない。睡眠時間はたっぷりとって、早寝早起きの人が多い。

明日、大きな仕事がある人は、明日のために眠れない夜でも、体力温存のためおとなしく朝を待つだけになる。

しかしご隠居は眠れない夜は別に無理して寝ようとも思わず起きている。起きてしたいことをすればいいのだ。寝たい時に眠り、眠りたくないときには起きている。

睡眠は人生最高の快楽。どこで眠るかが人生だ

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ご隠居は本を読む。

ご隠居は本を読む。本は読みたい時に読む。仕事がないから読書に没頭できる。明日、企業のプレゼンテーションがあるというのに、17世紀のヨーロッパの物語に没頭することはできない。

リアルな現実と、脳内現象があまりにかけ離れていると、人は興味をそそられないのだ。

明日、大量の事務をこなさないとわかっていると、頭に入ってこないストーリーもある。しかしご隠居はやることがないから、紀元前のギリシアにだって心を飛ばして没頭することができるのである。空想の物語を追いかけるためには、現実の身が「なすことない」状態であることが必要なのだ。

無料で読める図書館に通うことが多い。

老後の夢はビーチで読書だと? やってみた! 夢は今すぐかなえるべきもの

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ご隠居は散歩する。

ご隠居は散歩する。ご近所をただひたすらに散歩する。時間があるから。そして運動不足になりがちだからである。

いろんなことを考えながら散歩するため、毎日同じルートを歩いていても、退屈することがない。

BORN TO WALK 歩くために生まれた

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セミリタイアでは駄目。ご隠居の特権は生活リズムをつくれることにある

世の中には「セミリタイア」という言葉がある。たとえばみんなが休んでいるウィークエンドの土・日二日間だけフルタイム働いて、あとの五日間は休むという生き方である。

しかしご隠居とセミリタイアでは、やはり大きな違いがある。やはり社会とつながっていると、そこでの価値観に脳が影響されざるをえないからだ。

ご隠居は自分を諦めきることができる。しかし社会とつながっているとそうはいかない。ご隠居は自分の価値観のまま突っ走ることができる。しかし社会とつながっているとそうはいかない。

たとえばご隠居は夜に起きて昼間に寝ている生活を完璧に実行して習慣化することができる。しかし社会と僅かでもつながっているとそうはいかない。習慣をなめてはいけない。人生は習慣がつくりだすのだ。

セミリタイアとご隠居とはまったく違うのである。ご隠居の最大の特権は自分の生活リズムをつくれることにあるのだ。自分だけの価値観に生きることができるのだ。

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ご隠居は大きなことを成し遂げる(ことがあるかもしれない)

過去、大きなことを成し遂げた人はみんなフリーだった。サラリーマンで大きなことを成し遂げた人はあまりいない。

しかしご隠居は大きなことを成し遂げる(ことがあるかもしれない)。

お金の不安がなく、時間があり余っている人にしか、できないことが世の中にはあるのだ。

実例を見てみよう。

伊能忠敬の場合

現役時代はいなかの事業経営者だった。しかし49歳で隠居後に天文観測に励み、暇と時間のある人にしかできない「日本全国徒歩測量」という大仕事で歴史に名前を残した。

伊藤若冲の場合

現役時代は流通問屋の旦那だったが、40歳で隠居。画業で名を残した。

FIREムーブメントの先駆者が語るファイアのやり方、大切なこと

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FIRE実践者、ご隠居さんは、のんびり生きていくことだけを考えた方がいい。

今回、この稿を仕上げるにあたって調べてみたが、思ったよりも、隠居後の仕事で名を成したという人はいなかった。サラリーマンとして名を成す人がいないのと同じ程度ではないか、と思う。

やはり大きな仕事は現役の時からやるということだ。

FIRE実践者、ご隠居さんは、のんびり生きていくことだけを考えた方がいい。

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