ブランドショップとペットショップの共通の販売戦略
うちの嫁がびっくりするほど高価なティファニーのネックレスを購入しました。

おいおい、貧乏主義がだいなしじゃないか!
そんなもん買うんじゃないとずっと反対していたのですが「あ、これはもうダメだ」と私が観念した時のエピソードをご紹介します。
彼女の目を見た時、私は諦めました。
貴金属を身に着けて鏡に映し、ウットリしていたらもうアウト
ハワイ旅行に行くことになりました。しかし空港にはやく着きすぎたために時間があまってしまったのです。それで空港内でウィンドウショッピングをすることになりました。それぐらいしかやることがなかったためです。
空港内にはティファニーやルイヴィトンや、エルメスなど高級ブランド店がたくさん並んでいます。妻は一直線にティファニーに入って、時間があるのをいいことに、お目当てのネックレスを首に着けさせてもらいました。そして鏡に映る自分の姿をうっとりと眺めていました。嫌な予感がしたのですが、まだフライトまで時間もあることですし、お試しでネックレスを首にかけるぐらい、時間つぶしにいいかとも思っていたのです。
しかしもう彼女の目つきはあきらかに変わっていました。
「買っていい?」
と、たずねるときの口調は、あきらかに今までのものとは違います。もう絶対に買うという目をしています。
ああ、こりゃあいくら反対してももうダメだ、と私はその目を見て諦めたのでした。
ペットショップの販売テクニック「抱かせられたら勝ち」
ティファニーで高級ネックレスを身に着けて、そのまま購入してしまったうちの妻。このときに私が思い出していたのが、ペットショップの販売テクニックです。犬や猫などを売るペットショップでは「抱かせたら勝ち」という販売戦略をとっています。
ペットも高価な買い物です。いくら買いたいと思ってショーウィンドウを眺めていても、ほとんどの人はまだ具体的に購入するところまでは決断していません。ところが店員が「ためしに抱いてみます?」と声をかけて、あかちゃんを抱かせることができたら成約率は飛躍的に跳ねあがるといいます。
やわらかくて、あたたかい、犬猫のあかちゃんを手に抱いて、その子がしっぽをちぎれるほどふったり、ナメナメしてきたら、もうメロメロになってしまうのでしょう。その瞬間「どうしよっかなあ」だったのが「絶対にこの子を連れて帰る」に変わってしまうんだそうです。「この子はうちに来たがっている。わたしが面倒みなきゃ」
ブランドショップの販売戦略「身に着けさせられたら勝ち」
ペットショップで展開されている販売戦略は、うちの妻がネックレスを購入したときとまったく同じです。
おそらくブランド貴金属店も、身に着けさせたら勝ち、という販売戦略をとっているのではないでしょうか。あたかも「抱かせれば勝ち」というペットショップみたいに。
自分は営業職じゃないから、こういう販売テクニックは知らなくてもいいと思っている旦那さんはお気をつけください。嫁に決死の形相でせがまれて、たいへんなめにあうかもしれません。
向こうのテクニックさえ知っていれば、出血を避けられたかもしれません。なにごとも知っておくに越したことはないのです。
貴金属店に入ったら、眺めるまではOKですが、ぜったいに身につけさせないことです。

そして空港には時間ギリギリで行きましょう。
(ウソです!)