ドラクエ的な人生

NHKスペシャル「超・進化論」「アバターの魂の木エイワ」「キューティーハニーの空中元素固定装置」「カバラ密教の生命の樹」菌糸と根粒菌と共生農法

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二大師匠(カレル・チャペックとサン=テクジュペリ)をもつ園芸界の超エリートの自己紹介

園芸家のアリクラハルトと申します。現在、いちご、にんにく、ニラ、そして枝豆を育てています。

私の園芸家としての師匠はロボットという言葉の生みの親であり、「ほんとうの園芸家は花をつくっているのではなくって、土をつくっているのだ」と喝破したカレル・チャペックです。

趣味の園芸家になるために。『園芸家12カ月』カレル・チャペックの内容、感想、書評、評価

技術的な師匠はカレル・チャペックですが、園芸の魂の師匠は「ぼくの星のバラはバラ園のバラ全部をあわせたよりももっと大事だ。なぜってあれが僕が世話した、僕の花だから」と喝破したサン=テクジュペリです。

おとな読書で読む『星の王子さま』の寓話の意味。家出離婚劇、女性に対する接し方、愛の秘密が書いてある本

カレル・チャペックとサン=テクジュペリを師匠にもつ私は園芸界のエリートだといっても過言ではありません。

イロハ

究極の頭でっかち、よね。

師匠が二人とも園芸家じゃなくて作家ってどういうことよ?

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コンテナで枝豆を栽培する場合、根粒菌は外から補充する必要があるか?

NHKスペシャル『超・進化論』という番組をYouTubeで知りました。知り合ったきっかけは私が育てている枝豆の「根粒菌」でした。豆類は根粒菌という菌から栄養をもらっているそうです。その根粒菌は栄養豊かな土壌では育たないために他の植物のように肥料をじゃんじゃん入れてはいけないというのです。なにい!?

その「根粒菌」というのは販売もされています。はて、コンテナで枝豆を栽培する場合、根粒菌は外から補充しなければならないのでしょうか? それとも自然にいる菌なのでそのまま放置しておいてもいいのでしょうか?

園芸初心者にはこの根粒菌というのが謎でした。ブドウを葡萄酒に替える菌はブドウの皮にすでに存在していると聞きます。だから葡萄酒は日本酒のように米こうじ菌につけたりしなくても放置しておけば勝手にできるそうです。納豆菌も稲わらに常在しているので大豆を稲わらで包んでおけば敢えてどこかから菌をもってこなくても勝手に納豆ができるとか。

この葡萄酒をつくる酵母や納豆菌のように、根粒菌は自然な状態で存在しているのでしょうか?

枝豆の栽培を絶対に失敗したくなかったので、なんなら近所の大豆畑から土を一片もらってこようかとさえ思っていました。そこには何億もの根粒菌がいるはずです。

この疑問を調べていくうちに、YouTubeでNHKスペシャル『超・進化論』という番組(のダイジェスト)に出会ったのです。

[NHKスペシャル] 植物たちには「おしゃべり」をする能力が!?| 超進化論 | NHK
NHKスペシャル「超・進化論」最先端の科学は今、植物が持つ驚異的な能力を明らかにし始めています。植物が、離れた相手と“おしゃべり”をしているというおとぎ話のような事...
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NHKスペシャル『超・進化論』の内容とは

植物のことを「動かない」「知覚がない」「何も伝達できない」と人間は思っていますが、最新の科学研究によると「そうではない」のだそうです。たとえば害虫の食害に遭うと、植物は、毒素を体内で生成したり、害虫を殺す天敵のハチや鳥をおびき寄せる「何か」を出しているそうです。つまり植物には知覚があるのです。

そして近隣の同種の植物に対しても「害虫にやられた。気をつけろ」というメッセージ物質を発しているのだそうです。その証拠として、隣の葉っぱはまだ害虫にやられていないのに、害虫の毒となるような物質を出して、食害に遭いにくいような態勢をとるのだそうです。この情報は隣の植物から伝達してもらったものなのでした。それだけでなく害虫の天敵であるハチや鳥を呼び寄せる物質を出して、天敵によって害虫の駆除を図っているというのです。植物は何も感じていないのではなく、にぎやかにコミュニケーションをしているというのです。もの言わぬ寡黙な生き物ではありません。

そして多くの植物は根っこの先に菌糸をまとわりつかせ菌糸とともに暮らしています。菌糸は根の内部まで入り込み一体化しながら、土の中にびっしりと張り巡らされていきます。窒素やリンなどの栄養を植物は菌から得ているそうです。菌が土から栄養を吸収し植物に送り込んでいるのです。そして光合成で生み出した養分を植物は菌糸におすそ分けしています。こうして共生関係が成り立っています。さらに菌糸は地下数十メートルまでひろがって、菌糸どうしがつながりあうことで森中の木々をつないでいるそうです。木と木をつなぐ菌糸の巨大なネットワークがあるのです。木陰の小さな木々は菌糸の地下ネットワークから養分を得ているそうです。これまで考えられてきたような隣の植物と競い合って光や養分の取り合いをしているのではなく、菌糸のネットワークを介して協力関係にあるというのが超進化論です。森は生存競争の戦場ではなく、菌糸のネットワークを介して協力し合って安定した生態系をつくっていたのでした。

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森はまるで、映画『アバター』における魂の木、ナヴィの神であるエイワのようだ

衝撃的な番組でした。何ということでしょう。すごい研究成果です。

超進化論における「菌糸が根に入り込んで植物に栄養をあたえる」概念は、枝豆の根粒菌と同じものです。だから関連動画に表示されたというわけですね。

とくに私が感動をおぼえたのが、森は菌糸のネットワークでつながっていて、生まれたての小さな小枝も菌糸から養分と栄養をもらっているというくだりでした。まるで映画『アバター』における魂の木、ナヴィの神であるエイワのようではありませんか。森の木々がすべて菌糸のネットワークでつながって情報のやり取りをしているなんて。

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なぜ超進化論と呼ぶのか? ダーウィンの「生存競争」「適者生存」という言葉に引きずられ過ぎていた従来の理論

なぜこの理論をこれまでの「進化論」の延長ではなく「超進化論」と呼ぶのでしょうか?

自然界の掟についてダーウィンが唱えたのが「進化論」です。「進化論」とは、厳しい生存競争の中で、生存に有利な個体が生き残り子孫を残す、それを長い年月をかけてくり返すことで、生き物は徐々に変化していくという、進化のルールのことでした。従来の「進化論」では、ダーウィンの「生存競争」「適者生存」という言葉に引きずられ過ぎていたように思います。

『種の起源』人類はやがて絶滅する(ダーウィン名探偵はDNAを知らない)

地下に植物の根と菌糸の共生関係があるなんて! 菌糸をつうじて森全体がネットワークでつながっていて栄養のやりとりをしているなんて!

まるでカバラ密教の「生命の樹」のようです。アバターの世界です。森はまさしく一本の生命の樹なのです。

韓国人に盗まれたブランドいちご、シャインマスカット問題の驚嘆すべき真実(植物iPS細胞)

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根粒菌はどこにでもいる。わざわざコンテナに補充しなくてもいい

ところで忘れないうちに一番初めの疑問「コンテナで枝豆を栽培する場合、根粒菌を外から補充する必要があるのか?」という疑問に対する回答です。答えは「根粒菌はどこにでもいます。わざわざコンテナに補充する必要はありません」

栄養過多の土でなければ、勝手に根粒菌が育って、枝豆の根っこに繁殖してくれるでしょう。しかし……根粒菌を調べていて、とんでもないものにぶつかってしまいました。

「超進化論」とは! 私の知的好奇心をいたく刺激します。

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共生農法とは? 間引く必要があるのは菌糸ネットワーク外だから

「共生農法」というものがあります。「共生農法」とはターゲット植物(たとえば枝豆)を単体で育てるのではなく、畑全体として育てるという「超進化論」と同じような利他共生の発想で行っています。共生農法は全体として生態系としてうまく回っているから肥料もまかなければ世話もしないという農法です。

従来の農業における「間引き」というのは一種の生存競争の原理ですね。ダーウィンの生存競争という言葉に影響を受けています。

同一植物が光や養分の取り合いをしているという生存競争の進化論に対して、ネットワークを介して強い協力関係を築くことで安定した生態系をつくっているという超進化論。

この利他の生態系理論であれば間引かなくてもいいのでは? だって菌糸ネットワークで栄養のやり取りをして共生しているんでしょ?

ところが……ひとつ問題があります。それはすべての植物が豆類のように根粒菌によって養分を受け取っているわけではない問題です。

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まるでキューティーハニーの空中元素固定装置のような根粒菌

根粒菌というのはとてつもない能力をもっています。「空気中の窒素を固定」してそれを植物に渡すというものです。

「空気中の窒素を固定」なんて、まるでSFのキューティーハニーの「空中元素固定装置」のようじゃありませんか。

空気中に窒素はたくさん存在します。植物の三大栄養素のひとつ葉肥のチッソをそこから供給できるとすれば、ほとんど無限に供給できるということです。

「空中窒素固定」そんなすごい能力をもつ根粒菌を、なんで他の植物はもっと利用しないのでしょうか?

日本各地に存在する農業試験場さん。これからの植物の品種改良はここじゃないでしょうかね? 「いちご」や「ぶどう」など他の植物も根粒菌を利用できるように品種改良すること。

そうすれば、たくさんの肥料を撒く必要がなくなります。痩せた土地でも作物が育つようになります。

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「超進化論」と「トウガラシ実存主義」

この稿の作者は「唐辛子実存主義」という人生論をとなえています。

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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

Bitly

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唐辛子実存主義とは「植物(トウガラシ)が個が犠牲になっても種が繫栄すればいいのとは違って、人間は個の完成こそが重要だ。唐辛子のように集団の利益のために個を犠牲にするのではなく、人間の歌を歌え、自分の歌を歌え」というものです。

私の唐辛子実存主義は、「超進化論」には大きく揺さぶられました。植物の共生、利他の精神に。

果たして人間だけが利己的遺伝子でいいのでしょうか?

まさか植物にこれほどまでに知性を揺さぶられるとは思いませんでした。

園芸は奥が深いぜ。

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