欧米的な価値観への反発から日本が2019年12月に国際捕鯨委員会を脱退し、商業捕鯨が再開したといいます。
クジラのイベントにたまたま参加することができたので、捕鯨とクジラに肉について、ちょっと書いてきます。
くじらの肉、マズい
昔、クジラのコロというのを鍋で食べたことがあります。
まずくてとても食えたものではありませんでした。
アブラギトギトで滅多に食べ物を残さない私が最後まで食べなかった記憶があります。
くじらってこんなにまずいのか。なにも外国とケンカしてまで、こんなまずいもの食わなくてもいいじゃないか。
そう思っていました。
ところが商業捕鯨が再開するというので、捕鯨の町では期待が高まっていました。
千葉県南房総の和田漁港もクジラ漁の伝統的な拠点です。
外房捕鯨という会社があります。
道の駅WAOにはシロナガスクジラの骨格のレプリカが屋外展示されているほどです。
たまたま(しょっちゅう)南房総を旅していたら「食べて知る…クジラの魅力」というイベントに出会いました。
無料だというので、騙されたと思って食べてみました。
クジラなんてどうせまずいに決まっています。
そう思って食べたました。
ところがなんと旨いのです!!
これならば焼肉やハンバーガーとして十分においしいと思いました。
商業捕鯨で冷凍した古い肉だったからクジラのコロはマズかったのでしょうか。
クジラのコロと全然違います。
これは食材として十分に通用すると思いました。
サカナというよりは鹿肉とかに近い食感と味です。
捕鯨の歴史
クジラというのは魚がめちゃくちゃ大きいという意味で鯨(京というのは兆よりも大きな単位)漢字をあてているといいます。
(背腹の色のクロ・シロがなまってクジラになったという説もあります)
縄文時代の人たちには魚類と哺乳類の区別なんてわからなかっただろうから、文字通り巨大なサカナと思って猟をしていたのでしょう。
サカナにしてはシカに近い味だなあ、と不思議だったに違いありません。
海洋民族がサカナを食べるのは当たり前だが、これが哺乳類となるとダメだと言われるのは不思議ですよね。
ダメだというのは主に白人さんです。いやどうも…。
白人はわがままだ。
豚や牛は殺してもいいのに、クジラは駄目だという理屈はとうてい日本人には理解できかねるものです。
豚と鯨に違いはありません。どちらもかしこい哺乳類です。
神さまが人間の食物として創った動物かそうでないかの違い、というのが最終的な根拠なのでしょうが、その一神教の神さまとやらを日本人は信じていないのです。
天照大神や大国主命はクジラを食うなとは言わないでしょう。
長くクジラの漁獲量は国際社会に厳密に管理される時代が続きました。
国際社会を牛耳っているのが白人さんだからですね。
マンモスとかステラーカイギュウとかさんざん滅ぼしておいて、れっきとしたサムライの子孫ならば白人どもが今さら何を言うと反発しない方がおかしいと思います。
松岡洋右が国際連盟を脱退した時のように、国際捕鯨委員会を脱退していいと思っていました。
ちなみにペリーの米艦隊が日本に開校を求めたのは捕鯨船の基地が欲しかったからですよ。
なんてわがままな人たちなんだろう。。。
日本の国際捕鯨委員会脱退を支持します。
少年は、でかい動物が見たい
イルカの化け物のようなツチクジラを解体するのを私はこの目で見たことがあります。
私は大きな生き物が大好きです。
男の子は大きな生き物が大好きです。
恐竜が好きなのは、大きいからです。
全長30cmだったら少年は熱狂しないはずです。
大きいということはそれだけでロマンがあります。
現世の生き物で私がもっとも見たいのはシロナガスクジラです。
シロナガスクジラは地球史上最大体重の動物です。恐竜よりもでかいのです。
それが今、生きているなんて、見たい。すごく見たい。
骨格標本なら下関水族館や道の駅WAOで見たことがあります。
しかし肉がないと本当の意味での重量感がわかりません。
骨格では本当のでかさはわからないのです。
近くの海にシロナガスクジラの遺体が打ちあがったら物見遊山で見物に行きたいほどです。
あまりの見たさに、ホエールウォッチングにも参加したことがあります。
銚子の海からクルーザーで外洋まで乗り出してクジラを見ることができるのですが、船酔いでゲロゲロになりました。
その上、クジラも背中の一部しか見ることができません。
体のほとんどは水没しているため全身を見ることはできないのです。まさに氷山の一角。
海の下にこそ巨体が隠れている。それが見たいのに見られません。
ホエールウォッチングでは本当に見たいものが見られないのです。
水族館のように見ることができればベストですが、シャチは飼えても、シロナガスクジラを飼うのは無理のようですね。
人類の手に余る生き物。それが巨大なクジラです。
ロマンじゃねえか……
私のニーズにもっともあっているのは、海辺に打ち上げられた死骸が、クジラ解体の見学ということになるのです。
少なくとも全身の肉付き、重量感を感じることができるの。
いやあ。凄かったなあ。大興奮でした。
クジラの解体。見る価値あり、です。
クジラ肉の需要? 安けりゃ買うよ。だってうまいもん
ところでこの和田漁港でのクジラ解体を見学するのは、簡単ではありません。
前日に外房捕鯨のHPで解体の告知があり、翌日早朝には解体がはじまります。
地元に住んでいない限り、告知を見てからでは、翌朝の解体には間に合わないのです。
ツチクジラの解体を見学するためには、前日から南房総にいなければなりません。
私は車中泊で頻繁に南房に通っているためたまたま見ることができましたが、なかなかタイミングが合いません。
夏は車中泊にはキビシイ季節だが、ツチクジラの解体は夏場に多いのです。
そういうこともあって、クジラの解体はそう簡単に見ることはできないのです。
映像がありますが、映像だと本当の大きさが伝わらないからなあ……。
ホテルの予約をして見に行くというわけにはいきません。
予約した日に肝心のツチクジラの捕獲がないと解体どころではないからです。
ところが今回の商業捕鯨の再開のお知らせです。
年中解体するようなことになれば、それだけ見ることができる確率もあがるはずです。
楽しみだ。
これまでツチクジラだけだった和田港ですが、これからはニタリクジラの解体もあるかな??
ニタリクジラなどは商業捕鯨再開によって捕獲が復活したそうです。
やっと食べられるというわけですね。
どうせならシロナガスクジラもお願い!!
(見たいだけだろ、お前は>)
商業捕鯨が再開しても、クジラの肉の需要がないのではないかという心配があるらしいです。
食べ物は保守的です。
今の日本人はクジラを食べ慣れていません。
コンサバティブな食の世界に、クジラは新規殴り込みをかけなければならないのです。
実食は、そういうイベントだと思います。
食べてみて、どうだったかって?
期待していなかっただけに、びっくりするほどおいしかったですよ。
クジラの肉の需要?
安けりゃ食うよ。だってうまいもん。
それが私の正直な感想です。
聡明なネズミも愚鈍なクジラにロマンで負ける
私の好きな言葉に「聡明なネズミも愚鈍なクジラにロマンで負ける」というのがあります。
巨大な海洋生物が大洋を悠然と泳ぎ去る姿には、ロマンを掻き立てるものがありますよね。