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訪問先の(外国の)ベストシーズンではなく、日本のワーストシーズンに旅をするという選択

オーバーツーリズム問題とは、賃貸価格の高騰で、地元の庶民が住めなくなる問題

私がすでに行ったことのある場所で、もう一度行ってもいいなあと思っている場所に、スペインのバルセロナがあります。しかし、最近、バルセロナでは、観光客はあまり歓迎されていないのだとか。いわゆるオーバーツーリズム問題です。

オーバーツーリズム問題というのは、市民の日常の足であるバスが観光客で溢れかえって、混みすぎて乗れないというような単純な問題ではありません。

観光客は非日常を満喫するお金持ちで、地元民は日常を生きる庶民です。お金持ちを相手に商売した方が儲かるため、賃貸物件のオーナーとしては、お金持ちを相手にたくさん儲けようと考えます。過剰な観光客の宿泊場所を確保しなければならない需要があるため、現地の賃貸物件が観光客に特化しはじめます。すると、高くても借り手がいるわけですから家賃が跳ね上がります。そうなると家賃が高すぎて地元民が住めなくなります。

極端なことをいえば、地元の庶民は誰も住んでいなくて、観光客と、観光ビジネスをする人だけがいる場所になってしまうのです。これがオーバーツーリズム問題の最悪のケースだと言えるでしょう。

訪問先の(外国の)ベストシーズンではなく、日本のワーストシーズンに旅をするという選択

 

さて、そんなこんなでバルセロナでは「観光客はもう来るな」「あなたたちは歓迎されていない」とヘイトデモがあったそうです。こんなとき、バックパッカースタイルで旅するには、どうすればいいのでしょうか?

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本書の内容

・「ユーミン主義(遊民主義)」→ 限りある時間の人生を、遊びながら生きていく方法。
・「プアイズム(ビンボー主義)」→ お金を使わないからこそ、人生はより楽しくなる。
・「新狩猟採集民としての新しい生き方」→ モノを買うという行為で、どこででも生きていける。
・「お客さまという権力」→ 成功者にも有名にもならなくていい。ただお客様になればいい。
・「スマホが変えた海外放浪」→ なくてよし、あればまたよし、スマートフォン
・「強くてニューゲーム」 → 人生ゲームをもう一度はじめからプレイする方法。
・「インバウンド規制緩和」→ 外国人の感受性が、日本を自由に開放してくれるのだ。

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考えかたは二つあります。

みんな訪問先のベストシーズンに旅することばかり考えますが、もうひとつ選択肢があります。それは、日本のワーストシーズンに行くという選択です。

もちろん訪問先のベストシーズンに行った方がいいには違いありませんが、歓迎されないのなら仕方がありません。嫌われるぐらいなら行かない方がいいという考え方もあります。必ずしもベストシーズンに行くのが最良の選択肢とは限りません。オーバーツーリズム問題には、観光名所に人が殺到し、混みすぎて楽しめないということもあるのです。

旅先の感動とは、日常との落差から生まれる

結局、旅先の感動とは、日常との落差によってもたらされるものです。たとえどんな場所だって、ずっとそこに住んでいたら感動なんてなくなるでしょう。嘘だと思ったら、生まれた時から30年間ベネチアに住んでいる人に運河を見て感動するか聞いてみるといいでしょう。反吐が出る、というかもしれませんよ。

訪問先のベストシーズンに行くのではなく、ホームのワーストシーズンに行くという知恵は、感動とは落差から生じるという知恵を生かそうとするものです。たとえば暑くて湿気がすごくて過ごしにくい日本の冬に、南半球のニュージーランドに行くようなことを指します。その時がニュージーランドのベストシーズンではなかったとしても、日本のワーストシーズンだったというだけで行く価値があります。

「衆人みな善をなさば我ひとり悪をなせ」オーバーツーリズム対策の決定打

坂本龍馬は「衆人みな善をなさば、我ひとり悪をなせ」と言ったそうです。ある観光名所にみんなが殺到するとき(訪問先のベストシーズン)には見向きもせずに、人がいなくなったら(ホームのワーストシーズン)行くという私の考え方は、この龍馬の考え方とまったく同じものだと言ってもいいでしょう。

この旅は、ホーム(日本)のワーストシーズンから逃れられるというだけでなく、もしかしたら訪問先で歓迎されるかもしれない可能性を秘めています。

ベストシーズンでない時期は、人が少なく、混みあうことがありません。宿泊施設も空いているし、ホストにはゲストを気づかう余裕もあるでしょう。

衆人みな善をなさば、我ひとり悪をなせ」という考え方だった坂本龍馬が、幕末の多くの志士たちとは違った経験をすることができたように、日本のワーストシーズンの旅には、訪問先ベストシーズンの旅とは違った特別なことが待っているかもしれません。

人と同じ時期に、人と同じ場所には、行かないことです。

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