カーナビ以前には地図を膝の上でくるくる回していた。

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『ドラクエ的な人生』とは?

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カーナビ以前には地図を膝の上でくるくる回していた。

イロハ「最近のカーナビって凄い便利だね! とくにケータイのカーナビはこの生活道路をナビるかってぐらい抜け道を案内してくれてびっくりするぐらい賢いわ」

ハルト「うん。国道や県道しかナビらない車載ナビよりも、ケータイ電話カーナビの方が賢い感じがするね。もう車載カーナビのメリットは運転しながら見やすいことぐらいしかないかも」

イロハ「昔は地図を見てドライブしたのにね」

ハルト「そうそう。助手席の子が地図を読めない人だったりすると最悪。そういうときはドライバーが膝の上で地図を開いて道を確認していた。よく進行方向に向けて膝の上の地図をくるくる回してたよ」

イロハ「(笑)」

ハルト「でも地図っていうのは自分がどこにいるかわからないと使えない方位がわからないと使えないんだ。カーナビの方が絶対に便利なんだよ。

ニューヨークシティマラソンのゴール地点になっているセントラルパークから宿泊しているホテルまで、おれはくたくたに疲れているのに、帰れなくて泣きそうになったことがあるよ」

イロハ「どういうこと?」

ハルト「セントラルパークはものすごく大きな公園で、公園を中心に碁盤の目状に道路が走っているんだけど、自分がNYシティマラソンのゴール地点にいることはわかっていても、北がわからないと、どっちに歩いていいかわからないんだよ。言っている意味わかる?」

イロハ「南に向かって歩いているつもりでも、東に向かって歩いていたってこと?」

ハルト「そういうこと。道路がまっすぐで、周囲はみんな高いビルだから、北がわからないとどっちに歩いていいかわからないんだ。

そういえば昔、助手席に乗ってた人が『この時間で太陽があの位置だから、北はこっちだよ』って教えてくれて心底驚いたことがある。太陽は昼ごろ南にあるから、そこから計算して北を割り出したんだ

イロハ「天才か!」

ハルト「野生児か! っておれは思ったけどね。理屈はわかっても、いまだにそんな芸当はできないよ」

イロハ「だからカーナビが必要なんだね。文明ってすごいね」

ハルト「ドライブのストレスを大幅に軽減してくれるよね。地図をくるくる膝の上で回していたあの頃にはもう戻りたくない(笑)」

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