どうもハルトです。みなさん今日も楽しい旅を続けていますか?
さて皆さんは世に数ある旅行本の中でこのような内容を読んだことがないでしょうか?
「海外で買い物するときは値段交渉すること。しかし先方は生活がかかっている商売をしているのだから、値段交渉が成立したのに買わないというのは大変失礼な話し」
たしかにもっともな意見だと思います。私も日本人の端くれとして異国で失礼なマナー違反をしないようにこの言葉を深く胸に刻んでおりました。
第二の故郷、韓国ソウルを久々に旅行した私は、センマッコリ(生の韓国風どぶろく)をメチャクチャ飲んでべろべろに酔っぱらっておりました。
ああ。ソウルの夜を酔っぱらってふらつき歩ける日が来るとは…。
私にとってソウルは特別な場所であり、どうにもこの気持ちは他人には説明できないし、わかってもらえないと思います。
夜の町の屋台もさすがに店じまいをはじめています。しかし酔っぱらっていい気持の私は韓国の人たちと会話がしたくてなりませんでした。
しかし、所詮はいちげんさんの観光客が屋台の主人と会話する内容なんて何もありません。
値段交渉という名のコミュニケーションが始まります。
値段交渉は「すいません。××へはどうやって行けばいいのですか?」といった単発で終わりがちな会話と比べると、「ここは、ぼったくりバーか!? オバチャン、見てよ、ここ汚れてるよ! 隣の店では◇◇円って言ってたよ!」「なに言ってんのアンタ。うちの店は隣とは商品のモノが違うんだから。この商品の良さがわからないなんてアンタの目は節穴か!?」と言った駆け引き、会話の応酬があるために「なかなかやるわね、アンタ。地元の相場をよく知ってるじゃないの? 侮れないわ」と、コミュニケーションをしているような感じになることがよくあるのです。
酔っぱらった私は人恋しさもあってからかい半分で値段交渉を始めてしまいました。
はじめは屋台のザックです。こっちは「コミュニケーション値段交渉」ですので、鬼のように安い値段から交渉を始めます。
ところがもう店じまいをしたい屋台のご主人はちょっと考えた後「ああ。その値段でいいよ」と言います。あっという間に交渉成立です。
ここで私は「むっ。ザックなんて必要あるだろうか?」と思ったのですが、値段交渉が成立したのに買わないというのは大変失礼な話しですから、ここで買わないわけにはいきません。
ザックを入手し、そのままフラフラと歩いていると、なぜか乾物屋の並ぶ市場に迷い込んでしまいました。
韓国のり(塩味の効いた薄い海苔)の業務用パッケージが運ぶのに邪魔なくらい大量に包装されていたので大笑いした後(酔っぱらってます)「オトーサン、いくらよ、これ?」
人恋しい私はまたもや値段交渉コミュニケーションです。
そしてまたもや簡単に値段交渉が成立してしまいました(汗)。
あれ? と思ったのですが、値段交渉が成立したのに買わないというのは大変失礼な話しですから、ここで買わないわけにはいきません。
翌朝、酔いがさめると、大量の韓国のりと薄っぺらい安物ザックに私は茫然としていました。
日本に帰国するとき、あまりに大量の韓国のりを捨てていこうかとも思いましたが、せっかく値段交渉して手に入れた思い出の品物です。なんとしても持ち帰ろうと下着など捨てられるものはすべて捨てて、荷物に海苔を敷き詰めました。
海苔が大量すぎて、ほとんど海苔が歩いているようなものです。
登山には使えなさそうな安物ザックが海苔を運ぶのに役に立ってくれたことは言うまでもありません。