書籍『バックパッカースタイル 楽園探求の旅』あとがき

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『ドラクエ的な人生』とは?

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書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』。『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』。『バックパッカー・スタイル』『海の向こうから吹いてくる風』。『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『読書家が選ぶ死ぬまでに読むべき名作文学 私的世界十大小説』Amazonキンドル書籍にて発売中です。

書籍『バックパッカースタイル 楽園探求の旅』あとがき

私は人生はハレ(晴れ)とケ(褻)だと思っています。ハレは非日常の特別な日、ケはあたりまえの日常という意味です。

多くの人はハレを盛大にすることを考えがちです。たとえば数年に一度の海外旅行はハレの代表選手だといえるでしょう。人生でいちばんの遠出は新婚旅行だという人も多いのではないでしょうか?

私はほんとうに大切なのはハレではなくてケのほうだと思っています。日数でいえばケのほうがはるかに多いのですから、褻の日常の充実なしに人生の充実はありえません。

新婚旅行のときに感じた気持ちは一生に一回きりのかけがえのないものですが、新婚旅行レベルの遠出はやる気にさえなれば毎年だって行けます。それがケをハレに近づける方法のひとつではないでしょうか。

大きく飛んですぐに戻ってくるような旅ではなく、大乗の経典を求めた仏僧が一歩一歩歩いて近づいていったように、旅をしながら生きて行くことはできないかと考えたことがそもそもの始まりでした。暮らすように旅することを意識しているうちに、いつしか日常を旅先のように過ごすようにと発想が逆転しました。

日常をバックパッカーのように暮らしていると、ほかの人が気づかないようなことに気づいたり、感じないようなことを感じたりします。

海外旅行は、私の生き方を確実に変えました。いいえ、正確にいうと海外旅行が変えたわけではありません。あくまでも海外旅行の果てに私がたどり着いた人生哲学がひとりの人間の生き方を変えたのです。

本書で語っている「ユーミン主義(遊民主義)」「プアイズム(ビンボー主義)」「新狩猟採取民としての新しい生き方」「お客様という権力」「インバウンド規制緩和」などは、私のたどり着いたバックパッカー哲学の一部分にすぎません。

円高を背景に海外旅行・長期滞在などが割安だった1990年代にくらべると、これからの日本人にとって海外旅行は、富裕層の遊びだと白い目で見られるようなものになってしまうかもしれません。それでも私はこれからもバックパッカーのスタイルで生きていこうと思っています。

最後に、本文ではふれなかったことですが、私は人生というのは愛されてナンボだと思っています。バックパッカースタイルもスタンスはまったく同じです。

まえがき、に私は旅の目的は「冒険」ではなく「お経」だと書きました。幸せに生きるとはどういうことなのか。そもそも幸せとは何なのか。それを追求せずに旅をすることに私はあまり興味がないと書きました。旅をするのは、何かを探しているから。そこに何があれば満足できるのか? そんな私が旅路の果てに掴んだ楽園の思想とはどんなものかと書きました。

「ああ、幸福というものは何て些細なことで決まるものなんだろう。ぼくは賢者たちの書いたものは全部読んでしまったし、哲学の極意もみんな習得した。だがそれでも一輪の薔薇がないために、ぼくの生涯はみじめなものになってしまうのだ」

これはオスカー・ワイルドが書いた『ナイチンゲールと薔薇』という小説の中の一節です。

行く先々で嫌われるのなら、何のために旅するのかわかりません。もちろん拒絶もあるでしょうが、それと同じぐらいのウェルカムがなければ、なんのために旅をしているのかわかりません。

私は愛されるバックパッカーになりたいと思います。

究極のバックパッカーの姿とは、旅先の人たちから愛されることです。バックパッカースタイルとは、人から愛されるように振舞うことなのです。

2025年8月 アリクラハルト

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本書の内容

・「ユーミン主義(遊民主義)」→ 限りある時間の人生を、遊びながら生きていく方法。
・「プアイズム(ビンボー主義)」→ お金を使わないからこそ、人生はより楽しくなる。
・「新狩猟採集民としての新しい生き方」→ モノを買うという行為で、どこででも生きていける。
・「お客さまという権力」→ 成功者にも有名にもならなくていい。ただお客様になればいい。
・「スマホが変えた海外放浪」→ なくてよし、あればまたよし、スマートフォン
・「強くてニューゲーム」 → 人生ゲームをもう一度はじめからプレイする方法。
・「インバウンド規制緩和」→ 外国人の感受性が、日本を自由に開放してくれるのだ。

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