ドラクエ的な人生

投資信託と高配当ETFの違い。どちらに投資した方が得か。

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インターネット証券を利用したインデックス投資という手法

日本が経済大国から失墜し中国にGDP三倍差で追い抜かれる現在の経済状況や、国際化、インターネット証券などの時代背景は、十年二十年まえには考えられなかったものです。

とくにインターネット証券を利用したインデックス投資などという手法は、十年前には一般人には行き届いていない知識でした。今の状況は、今学ばなければなりません。

こんな時代に私たちはマネーリテラシーを高めていかなければなりません。老後の資産確保のためにも。

学ぶ内容が古すぎるということはあっても、新しい事柄を学ぶのに遅すぎるということはありません。

ここでは旅先では必ずカジノに行くというスタイルで諸外国を放浪してきたバックパッカーが、資産運用・投資について学んだ内容について、初心者にわかりやすく解説しています。

書評『金持ち父さん貧乏父さん』

FIREムーブメントの先駆者が語るファイアのやり方、大切なこと

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株式市場はカジノに似ているところがある

投資とはお金がお金をつくる科学のことです。

ファイナンシャルリテラシーをあげて、確率的に高い方に賭けるというギャンブルに似た側面があります。

インターネット証券でする株式投資は、ラスベガスでカジノをしているかのような興奮があります。

スポーツブックスポーツベットというボクシングやバスケットボールなどの公式試合に賭けるタイプのカジノギャンブルがあるのですが、チャートをながめて勝つ馬に賭ける株式投資はひじょうに近いものを感じます。

だってニューヨークヤンキースに賭けるのも、アップル社に賭けるのも、似たようなものじゃありませんか。

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個別株投資とインデックス投資

さてここから勉強です。

個別株投資はわかりやすいですね。GoogleとかAmazonとかFacebookとかappleとか会社単位で株を買うことを個別株投資といいます。

日本株は100株からまとめて、米国株は1株から購入することができます。

これに対してインデックス投資というのは「個別株の詰め合わせセット」です。何口という口で表記されます。

S&P500、ナスダックなど、市場の上位銘柄を見繕った「商品」が各社から多数販売されています。

これがインデックス投資ですね。「つめあわせセット」を買うイメージです。

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投資信託とETFの違い。eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)とVOOを例に説明します。

さて、株の「つめあわせセット」ですが、投資信託とETFという二種類の商品が存在します。

投資信託とETFの違いは何でしょうか?

詳細はいろいろあるのですが、重要な点は2点だけです。

簡単にいうと、個別株のようなかたちで「つめあわせセット」が上場されていて即時売買が可能な商品がETFですね。ETFには年に数回、配当金があったりします。

それとは違って上場されていないので即時売買ができないのが、投資信託です。基準価格は一日一回、純資産総額から諸経費を引いて口数で割り返して計算しています。

たとえば近年、最強指数といわれるS&P500というのがあります。アメリカの業績好調な代表500社のリスト(その株価指数)みたいなものです。そのアメリカ上位500社の株を買うというイメージの商品ですが、

S&P500指数をベンチマークした投資信託だとeMAXIS Slim 米国株式S&P500)というのがあります。三菱UFJ国際投信株式会社が運用している日本の投資信託です。

同じくS&P500指数をベンチマークしたETFだとVOOというS&P500に連動したETFがあります。バンガードというアメリカの会社が運用している商品です。

狙っている指数は同じですが、運営会社によって商品名が変わります。この「つめあわせセット」のことをファンドと呼びます。

ETFだとVOOはドルで配当金が出ます。これはバンガードがアメリカの会社だからです。配当金からアメリカ税10%が引かれて、さらに日本税20.315%が引かれて手元にドルが入金されます。ETFの場合、このお金を自動で再投資するシステムはない場合が多く、その場合は自分で再投資を行わなければなりません。

また最終的には資産(商品)そのものがS&P500指数に連動した値上がりが期待できるので、株そのものを売れば配当金の他に株の売却益を得ることができます。ちなみにこの売却益は日本税20.315%のみかかります。アメリカ税はかかりません。

それに対して、投資信託のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は配当がありません。自動的に配当利益は「再投資」に回されると商品の説明がされています。

そして一般的には、eMAXIS Slim 米国株式の方が、VOOよりも資産形成に有利だとされているのです。

配当金が出ない方が有利ってどういうことでしょうか?

VOOの配当金で再投資すれば所有する株の数が増えていきます。しかしemaxis slimの方は自動的に「再投資」してくれるといっても、所有する口数が増えるわけではありません。

なのにeMAXIS Slim 米国株式の方が、VOOよりも資産形成に有利ってどういうことでしょうか?

この「再投資」の意味がよくわからなかったので解説します。

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株数と口数の違い。物事をわけて考えることが重要

ここでは物事をわけて考えることが重要です。株数と口数をわけて考えましょう。

eMAXIS Slim 米国株式の場合、再投資するといっても、買った口数が増えるわけではありません。

投資信託の一株を一口(口数)といいます。購入予算を基準価額で割り返した口数だけ所有することができます。10万円基準価額のファンドを100万円ぶん購入すれば、10口所有できるわけです。

この基準価額はファンドの純資産総額から諸経費を引いて、総口数で割り返して求めます。

配当金がファンドに再投資されると、ファンドの資産総額が大きくなります。しかし口数は変わらないので、一口あたりの単価(基準価額)が上昇します。この基準価額の上昇額(買ったときとの差額)×所有口数が、利益ということになります。

ファンド内で再投資すると、複利効果が効くために、この基準価額が跳ね上がる上昇カーブが、分配金がある場合よりも大きくなるのです。分配金を配るということは単利の効果しかないようなものです。純資産総額が下がるので基準価額が上がりません。おなじS&P500指標でも、分配金があるVOOの場合、総利益から分配金が引かれているので、その分、株価(基準価額)が低くなります。

さらにVOOにとって不利なことに、配当金に対しては毎回米国税10%と日本税20.315%の税金が毎回かかってくるのです。(確定申告すれば米国税の分は取り戻すことができます)

ところが配当金が出ないeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の場合、利確がないので配当に対して日本税がかかりません。

ETFのVOOで配当金に毎回税金約30%(約20%)を差し引かれつつ再投資して最後に売却益(ちなみに売却益に米国税はかかりません。日本税のみかかります)を受け取るETFの利益の総額よりも、投資信託のeMAXIS Slimで配当金を受け取らない(米国税10%を払うのはどちらも同じですが、日本税がかかりません)でファンドに再投資した方が、配当利益がファンドの純資産総額に計上されていますので、そこから割り返した基準価格がVOOよりも高くなります。最後に売却益を受け取る場合、投資信託のeMAXIS Slim 米国株式の方が、ETFのVOOよりも利益の総額が大きくなる可能性が高いということです。

目先の配当金に目がくらんで投資先はETF一択だと思ったのに、ところがどうやらそうではないようです。

儲けのある状態で利確する場合には、VOOよりもeMAXIS Slim 米国株式の方が①税金の分②再投資の複利分だけリターンが大きいというわけです。

買い増した株数×株価の上昇が小さいVOO < 当初の口数×基準価額の上昇が大きいeMAXIS Slim

ということになるのです。あくまでも確率の話しです。信託報酬などは無視しています。

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タイミング投資とは? 高いときに売って、安いときに買うという都合のいい投資

なるほど。上昇カーブを描いている場合の理屈はよくわかりました。

簡単に言うと、所有している口数は変わらないわけですから、高い時期に売らないと儲かりません。どんなに長く保有していても、安い時期に売れば、収支はマイナスになってしまいます。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は最後に売らなければ、儲けにはならないのです。やはり基本は、安い時期に買って、高い時期に売るしかありません。

基準価格の上昇に賭けるか、所有口数を増やす方に賭けるか? どっちを期待したほうがいいのでしょうか。

どうせ基準価額が高いときにしか売らないのだから、たとえばVOOの配当金で、eMAXIS Slimの口数を増やすという戦略が考えられます。しかしこれは株価が上昇基調の時は、むしろ税金の分だけ損する戦略だとわかりました。はじめからVOOを買う金額でeMAXIS Slimを買った方が、長い目で見て有利である可能性が高いのです。

もう一つ考えられる戦略は、手持ちのeMAXIS Slimの基準価額がかなり上昇した時点で現金化(儲けて利確)して、暴落した時に利確した資金で一口が安くなったeMAXIS Slimを購入すればベストな選択だということになります。理論上は。

こういうのをタイミング投資といいます。まさに高い時期に売って安い時期に買う戦略です。所詮は「基準価額の差×口数」が儲けなわけですから。

このタイミング投資ですが、暴落前の最高値で売り、暴落した最低価格で購入できれば、利益を最大化することができます。理論上は。

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株の上昇神話を信じて投資する以上は「ほったらかし投資」が、確率的にはもっともいい

しかし現実には、どこが最高値かわからず、どこが暴落の底かわかりません。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ゴーバック夫婦』などタイムトラベルものが「お金持ちの未来」を迎えることができるのは、タイミング投資ができるからですね。

しかし実際には「たとえば近い未来の暴落を予想していったん利確」しても、その先、株価(基準価額)が予想に反して上昇しつづけたらどうしますか? 予想が外れてしまったら?

損をすることになりますから、同じ商品に再投資できません。するとせっかくの資産を眠らせることになります。金のなる木がなくなってしまいました。

株の上昇神話を信じて投資しているのですから、暴落の予想は外れてしまう可能性が高いのです。

逆にもしも現在進行形で下降カーブ、暴落の場合はどうすればいいのでしょうか。

2020年3月のコロナ暴落では6カ月ほどで元の基準価額に戻っています。この期間はなにもせずおとなしく株価(基準価額)が戻ってくるのを待つしかありません。暴落時点で株を手放さざるをえないような状態にならないように手元に生活資金が残っていることが重要です。

そう考えると……株の上昇神話を信じて投資する以上は「ほったらかし投資」が、確率的にはもっとも間違いがなさそうといえるかもしれません。

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出口戦略。お金が必要になった時点で、必要になった額だけ取り崩すのが最適解

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は最後に売らなければ、儲けにはなりません。

ではいつ取り崩すか。これを「出口戦略」といいます。

暴落直前の最高値で売るのが答えなのですが、現実的にはプロでもそのタイミングはわからないと説明しました。タイミングを見て売り払うのは素人には無理ゲーだということです。

株の上昇神話を信じて投資する以上、今後も上昇カーブをつづけていく可能性が高いことから、はやく売れば売るほど利益が小さくなってしまう可能性が高いのです。

株価の暴落は数年に一度ぐらいは必ずあるといわれています。ITバブル崩壊リーマンショックコロナショック……これに備えてアンテナを張りつづけるのはストレスです。

数年に一度の株価暴落に備えて高値で利確を繰り返すというのでは、複利の力を活かすことができません。複利曲線は指数関数的に時間がたてばたつほど爆発的に大きくなっていくものです。それを数年に一度、暴落に備えて売ってしまうことは複利の力を放棄しているのと同じことです。

……そうなると、一度購入したインデックス投資商品は、いつまでたっても売れません。切り崩せません。

この場合、出口戦略としては、お金が必要になった時点で、必要になった額だけ取り崩すのが最適解だといわれています。お金が必要ならしょうがないですからね。資産が減ってもしかたがありません。

とくに老後の資産としての出口戦略ですが、株価(基準価額)が4%カーブで上昇しているなら、4%の割合で資産を取り崩していけば、資産の総額は減らない、というのがいちおうの最適解だとされています。

これはあくまでも米国経済は今後も平均すると4%ぐらいのカーブで上昇するだろう、という想定のもとの話しです。

投資信託は、売らない限りは損失は確定しません。そしてインデックス投資は長期保有に向いている資産だと言われています。20年ぐらいの長さで見れば、まずまちがいなく株価は上昇しているそうです。

株の上昇神話を信じて投資する以上、ほったらかし投資が確率的には一番手間暇かけずにリターンが大きい手法だということです。

なんだかつまんないですよね~~

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デイトレードはガチ勢との勝負。ガチンコの相手に勝てるほどあまくはない

株の上昇神話を信じて投資する以上、ほったらかし投資が確率的には一番手間暇かけずにリターンが大きい手法だ、というギャンブラーとしてはつまらない結論になってしまいました。

本当なら最高値で売って、最安値で買いたいところです。

もっとカジノ・ギャンブル的な投資手法に「デイトレード」があります。デイトレードは、よりカジノ・ギャンブルに近づいてきます。しかしこのデイトレードとなると、投資のプロ、本気で生活を賭けてやっている人と真っ向勝負することになります。

ガチンコの人たちに、片手間の人はまずかないません。

どんな競技でも、すべてを賭けてきている人には、負けてしまうのが世の常です。二股かけた浮気な恋愛が、捨て身の一途な恋にかなわないように。

自転車(ロードバイク)とランニングの両立は可能か? サブスリーランナーはロードレーサーに乗っても速いのか?

どんな分野でもガチンコで専門にやっている人にはかないません。

長い目で見てアクティブ投資はインデックス投資に負けてしまうと言われています。

投資の神様といわれるような人でも、長期的な成績はインデックス投資とほぼ同じだそうです。無名のトレーダーはそれ以下の成績しかおさめられないと言われています。

ギャンブルをやりたいのなら別ですが、堅実な資産形成を目指すなら、やはり人口増加など確実な経済成長の要因を根拠とした「インデックス・ほったらかし投資」が、精力・時間をかけないという意味でもいちばん確率的にはいいようだ、というのが本稿の結論です。

※株式投資は自己責任でお願いします。投資は勝つこともあれば負けることもあります。

「挫折はない。あるのは失敗だけだ」by 旅人が出会った教授

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