『金持ち父さん貧乏父さん』の書評・魅力・あらすじ・解説・考察

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『ドラクエ的な人生』とは?

心の放浪者アリクラハルトの人生を走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

書籍『市民ランナーという走り方(マラソン・サブスリー。グランドスラム養成講座)』。『通勤自転車からはじめるロードバイク生活』。小説『ツバサ』。『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』『読書家が選ぶ死ぬまでに読むべき名作文学 私的世界十大小説』『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』。Amazonキンドル書籍にて発売中。

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事業を起こそうと思って生きていない限り、事業を起こすことはできない

世の中にはホリエモンとかひろゆきとか、いわゆる実業家のインフルエンサーがいますが、事業を起こそうと思って生きていない限り、事業を起こすことはできません。

仕事が忙しい、が口癖の人が読むべき本。堀江貴文『多動力』

「2ちゃんねる訴訟」ひろゆき「賠償金額は払わない」

労働して賃金を得るんだ、と思いながら生きていると、まず労働者として生涯を終えることでしょう。実業家に転身するきっかけなんてまずないと思います。

すくなくとも心のどこかでそう思っていない限り、ある日、突然、いいアイディアをひらめいて、起業家、実業家になることはないと思います。つまりは事業家になるもならないも教育次第ということです。親も学校も、お金のことを何も教えてくれません。

「学校は雇い主としてではなく、雇われる側の人間として優秀な人間を育てるための場所だ」と金持ち父さんはいいます。

いい労働者になる矯正教育ばかりを施された子供は、やがて「人に使われる人間」になるしかなくなるのです。

「お金持ちは、中流以下の人とは、違うルールでマネーゲームをしている」このことを教えてくれるのが書籍『金持ち父さん貧乏父さん』です。

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このブログの著者が執筆した「なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?」を追求した純文学小説です。

「きみが望むならあげるよ。海の底の珊瑚の白い花束を。ぼくのからだの一部だけど、きみが欲しいならあげる。」

「金色の波をすべるあなたは、まるで海に浮かぶ星のよう。夕日を背に浴び、きれいな軌跡をえがいて還ってくるの。夢みるように何度も何度も、波を泳いでわたしのもとへ。」

※本作は小説『ツバサ』の前編部分に相当するものです。

アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

https://amzn.to/44Marfe

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自由とは選択肢のこと。人間は死にたくなくても時が来たら死ななければならず、究極的には自由ではない

自由とは選択肢のことであり、選択肢が多い人ほど自由です。人間は死にたくなくても時が来たら死ななければならず、究極的には不自由な存在ですが、生きている間の選択肢は、頭を使えば増やすことができます。その頭の使い方が、お金に関する文脈を読む力=マネーリテラシーですね。

マネーリテラシーがあれば、より自由になることができます。

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サラリーマンにならない生き方。ファーストステップ・マレーリテラシーを上げる

私の場合は、お金持ちになろうというよりは、カジノ(ギャンブル)を楽しむ感覚で投資しています。

IR(統合型リゾート施設)とは? カジノは必ず勝てる。必勝法を教えます!

「人生は勇気とスピード」word by アリクラハルト

『金持ち父さん貧乏父さん』はマネーリテラシーをあげようという本です。サラリーマンにならない生き方を教えてくれます。

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「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」自分で自分のボスになるということは簡単なことばかりではない

サラリーマンで一生を終えるのも、悪くない場合もあります。そこそこやり甲斐のある仕事で、収入もよく老後の備えもバッチリなほどの貯金することができる人の場合です。

「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」というぐらいで、自分で自分のボスになるということは簡単なことばかりではないからです。経営者になるよりは、サラリーマンでいた方が、こと事業に関しては楽だとさえ言えると私は思っています。

自分のやりたいことをやる時間的自由はありませんが、中流の生き方だといえるでしょう。

こういう人は『金持ち父さん貧乏父さん』を読む必要はないでしょう。

しかし大半の日本人は上の条件にあてはまらない、ということですね。貯蓄することができず、老後のたくわえができない中流以下の人が大半なのが現状です。

そういう人はぜひ『金持ち父さん貧乏父さん』を読むといいでしょう。

まだ読んだことのない人のために、私の琴線に引っかかった部分をまとめておきます。

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ラットレースとはいたちごっこのこと。働いては使い働いては使い、一生を使い果たす生き方のこと

本書『金持ち父さん貧乏父さん』では、まずラットレースから抜け出そうといいます。

ラットレースとは日本語でいういたちごっこのこと。一生懸命働いても貯蓄することができず、生涯働き続ける以外に選択肢がなく、老後の資産がない状態を走ることをいいます。

あればあるだけお金を使ってしまう浪費家のサラリーマンは、ラットレースを生きています。仕事をやめることができません。働いては使い働いては使い、一生を使い果たしてしまうのです。

国の老齢年金がしっかりしている場合はまだましですが、少子高齢化の日本では年金だけでは資金不足が心配されています。資産がなくなる不安・恐怖は生涯消えることがありません。

そのためには「お金」について学ぼう、というのが『金持ち父さん貧乏父さん』です。

ラットレースの中でも、老後のたくわえができる中流を目指そうというのが、「貧乏父さん」の教えです。中流の生き方ができたら成功の人生というのが「貧乏父さん」の教えでした。

ところが「貧乏父さん」の教えではお金持ちになることはできず、ラットレースから抜け出すことはできません。

それに対して、ラットレースを抜け出してファーストトラックを走ろうというのが「金持ち父さん」の教えです。

ファーストトラックというのは最初に資産を買って、資産が生み出すお金でさらに資産を買って、雪だるま式にお金持ちになっていく生き方のことです。

高学歴だけれどお金はたまらなかった「実の父さん」(貧乏父さん)ではなく、13歳で学校はやめたけれど事業家で裕福な「親友のお父さん」(金持ち父さん)からお金のことを学ぶことを筆者のロバート・キヨサキは決意しました。

貧乏父さんというのは多くの教育を受けた自分の本当の父、金持ち父さんというのはハワイで事業を展開する親友の父のことでした。実の父親の意見を否定して、友人の父親の意見に従うというのは、子ども心にも勇気がいることだったようです。

自分の子供にただやみくもに「勉強しろ」というのはもう時代遅れです。学ぶ内容を選ばないと、他人のため、お金のために費やす一生を送ることになってしまうと本書はいいます。たとえばこれからの子供に対して、学習時間の大半を英語学習に費やすというのはいかがなものでしょうか。

同時通訳器が『ドラえもん』の「ほんやくコンニャク」実用レベルに。日本語で悪口言いたい放題(悪趣味)ができなくなりそうな予感

たしかに今の学校ではお金のことを教えません。しかしむしろお金の勉強をまっさきに学んだ方がいいかもしれませんね。子どもたちにもマネーリテラシー、「お金」について学ばせよう、というのが本書です。

お金持ちのお父さんになれるように、自分の頭を使って、荒波の世の中を渡っていきましょう。

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どうやったらそれを買うためのお金をつくりだせるだろうか

金持ち父さんは「それを買うお金はない」という代わりに「どうやったらそれを買うためのお金をつくりだせるだろうか」と口にしなさいと教えました。

「それを買うお金はない」と口にしたらそこで思考停止してしまいます。「どうやったらそれを買うためのお金をつくりだせるだろうか」と考えることで、お金に関する知識があがっていくというわけです。

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お金を節約することは、お金を儲けることと同じ

私はミニマリストなので、たとえばラスベガスに泊るのでも、ストリップ通りのメガホテルに泊まるよりも、すこし郊外でも格安のB&B(ベッド&ブレックファースト)に泊ったほうがいいと考えます。

お金を節約することは、お金を儲けることと同じだと思っています。

ホテルなんてどうせ寝るだけですから。カジノホテルは宿泊客じゃなくても誰でも楽しめるので、別に泊まらなくても同じ条件で遊べるからです。

でも金持ち父さんはどうすればカジノホテルに泊まれるか考えろ、といいます。そりゃあ……ギャンブルに勝つことですよね、やっぱり。株だったら、株で儲けるということです。

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お金を儲けるには、労働市場で自分が働くか、自分のお金に働かせるか、どちらかしかない

「むだにする時間はない。いまここで決められないのなら、どっちにしても金儲けの方法をマスターするのは無理だ。チャンスは来たと思ったらすぐに行ってしまう」

金持ち父さんはそう教えます。

たとえばはじめてプレイステーションやiPhoneを見た時に「これは売れるぞ」と思った人は多いでしょう。私もそうでした。しかし私はプレステやiPhoneをつくっている会社の株を買いませんでした。買った人は……大儲けしています。

決断というのはこういうことです。恒久的なビジネスモデルなんてありません。その時々で決断するものなのです。

「人生につつきまわされ、あちこち連れ回される。それに対して諦める人、たたかう人、学んで先に進む人がいる。ほとんどの人は一生安全な橋だけを渡り続け、まともなことだけをやり、決して起こることのない人生の一大イベントのために一生エネルギーを蓄え続けるんだ。そして最後は、退屈しきった老人になって死ぬ。人生につつきまわされ、されるがままになっていただけだ。本当は勝ちたかったのに、負けるのが恐くて勝利の感激を味わおうとしなかった。きみは安全なこと以外はしない道を選んだんだ」

金持ち父さんはいいます。ほとんどの人が人生のいちばんいい時期をお金のために働いて過ごす、と。

「お金持ちは、自分のためにお金を働かせるんだ」

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「お金持ちは資産を買う」株は債権ではなく、会社の所有権

筆者ロバート・キヨサキはハワイ育ちの日系アメリカ人です。不動産投資を中心とした起業家で、47歳でFIREした人物。

FIREムーブメントの先駆者が語るファイアのやり方、大切なこと

自分のためにお金を働かせるんだ。の具体例は本書では不動産投資でした。作者が不動産業を中心とした実業家ですからね。

しかし人口減の日本で、不動産投資はなかなか難易度の高いゲームだと思います。人が減るんだから土地は余るに決まっています。価格は下落が基調でしょう。

やはり現代日本で、投資の王道といえば株式ではないでしょうか。「お金持ちは資産を買う」

株は債権ではなく会社の所有権です。会社の価値が上がるとあなたの株もあがるという、まさしく資産です。

あまったお金を資産につぎこむ再投資のプロセスが軌道に乗れば、金持ちになるためのベルトコンベアーに乗ったも同然だと本書は言います。

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お金の奴隷の恐怖。夢の実現に向かって努力することもなく恐怖におびえながら一生を送る

金持ち父さんは言います。

たいていの人はお金の奴隷になっている……恐怖が原因でひとところで働き続ける。失敗するんじゃないかと思って怖いんだ。お金をもたずにいることが恐いから必死で働くんだ。

いつか恐怖がなくなることを願いながらがむしゃらに仕事してお金を稼ぐ。それでも恐怖がなくならないからまた仕事をしてお金を稼ぐ……とラットレースを走ることになる。

こういう人たちは感情も魂もお金に支配されている。やがてお金のために働き、首にならないことだけを願うようになる。

お金がない恐怖が仕事をつづけさせる。

夢の実現に向かって努力することもなく恐怖におびえながら一生を送る。

本当のこと——恐怖が自分を支配していること——を言うのが恐くて、考えることすらできない。

お金の知識がなければ、人生につつきまわされるだけです。

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天才作曲家の小室哲哉が、借金地獄の果てに楽曲詐欺事件まで起こした事件のてん末

「お金持ちになっただけでは問題は解決しない。恐怖と欲望をコントロールしなければ」

ここで思い出すのは天才音楽家の小室哲哉さんのことです。世界一の天才作曲家であり、長者番付に顔を出すほどだったのに、生活レベルを際限なく上げていき、最後は借金地獄の果てに、楽曲詐欺事件まで起こしてしまいました。

お金があればいいってものじゃない。欲望をコントロールしなければ、という見本のような事件でした。

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お金持ちは別のルールで別のゲームをしている。税金はできるだけ払わない

「バカが金をもつとろくなことにならない」と金持ち父さんはそっけない態度です。

恐怖を失くす最善の方法は仕事をすることなのでしょうか。

答えはノーです。

恐怖と欲望が自分をどこへ連れて行こうとしているのか知らずに感情の突き動かされるままに過ごすのは、鼻先に人参をぶら下げられた馬が走り続けるのと変わりません。

ここで金持ち父さんは支出の削減、浪費しないことを勧めています。お金を貯めるには、無駄に使わないのがいちばん簡単です。わたしと同じ考えですね。

お金を節約することは、稼ぐことと同じ

支出の最大のもの。それは税金です。本書では事業を起こして節税するのが金持ちへの道だといいます。

お金持ちは別のルールで別のゲームをやっているという意味ですが、具体的には、

中流以下が「収入から税金を引いた後から支出している」のに対して、お金持ちは「収入から支出を引いた金額から税金を払っている」ルール

のことを指しています。

お金を稼いだあとどうするか?

資産を購入しようとロバート・キヨサキはすすめています。

そして働いた分がそのまま自分の利益になるように、自分自身のビジネスをもとうと勧めているのです。

お金持ちはベンツを買った後に税金を払っているけれど、貧乏人は税金を払った後にベンツを……買おうとして買えないという意味です。

たとえば筆者ロバート・キヨサキは不動産売買で得た利益を、さらに大きな物件に買い替えることで、税金の支払いを遅らせることができる制度を利用したそうです。事業はどんどん拡大するし、税金は払わなくてもいいので、お金持ち度を加速することができます。

「私の方が稼いでいるけれど、君のお父さんの方が税金をたくさん払っている」

貧乏父さんのことを、金持ち父さんはこういいます。

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資産とはポケットにお金を入れてくれるもの

金持ち父さんによれば、資産とはお金を生み出しつづけてくれるもののことです。

ローンが残っている持ち家は負債であって資産ではありません。家が資産になるのは人に貸し出してローン以上の収入がある場合だけです。

ローンは資産をつくる足を引っ張ります。金融機関はそこで儲けているのです。ローンを組まされたあなたはお客様、カモです。レバレッジをかけるマネーリテラシーがないのならば。

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会社を作って節税する

お金持ちから金を奪って貧乏人にばら撒くロビンフッド的な経済論から金持ちは抜け出す、と金持ち父さんは言います。

金持ちは中流以下の人間と同じルールではゲームをしない。会社を作るからです。

それには法律など制度をよく知ることも重要です。

自分が正しいとわかっていれば、ロビンフッドに反撃するのを恐れることはありません。

ちなみに、ここでの会社というのは弁護士事務所のファイルキャビネットに入っている一通のファイルに過ぎません。

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株式投資も、人生も、ただのゲームだ

お金持ちと貧乏人をわけるのは、頭を使うかどうかだ、と金持ち父さんはいいました。

すべては教育次第です。

親も、学校も、お金のルールについて、教えてくれませんでした。

自分のためにお金を働かせることについて、誰も教えてはくれませんでした。だからあなたはサラリーマンになるしかなかったのです。

しかし親や学校を恨むことはありません。もうひとつ手段があります。

それは自分で自分に教育するというものです。

また教育というのは、少年時代にのみ行うものではありません。何歳からだって自己教育は可能です。

とくに現在の経済状況や、国際化、インターネット証券などの時代背景は、十年二十年まえには考えられなかったものです。

ネット証券を利用したインデックス投資などという手法は、十年前には一般人には行き届かない知識でした。今の状況は、今学ばなければなりません。

学ぶ内容が古すぎるということはあっても、新しい事柄を学ぶのに遅すぎるということはありません。

「いつ学ぶか?」

さあみなさん声を揃えて、唱和してください!

「今でしょう!!」

×   ×   ×   ×   ×   × 

このブログの著者が執筆した純文学小説です。

「かけがえがないなんてことが、どうして言えるだろう。むしろ、こういうべきだった。その人がどんな生き方をしたかで、まわりの人間の人生が変わる、だから人は替えがきかない、と」

「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」

本作は小説『ツバサ』の後半部分にあたるものです。アマゾン、楽天で無料公開しています。ぜひお読みください。

https://amzn.to/3PZ4985

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サハラ砂漠で大ジャンプする著者
【この記事を書いている人】

アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。

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アリクラハルト。物書き。トウガラシ実存主義、新狩猟採集民族、遊民主義の提唱者。心の放浪者。市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。山と渓谷社ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。ソウル日本人学校出身の帰国子女。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。放浪の旅人。大西洋上をのぞき世界一周しています。千葉県在住。
●◎このブログの著者の書籍『市民ランナーという走り方』◎●
書籍『市民ランナーという走り方』Amazonにて発売中
雑誌『ランナーズ』のライターだった筆者が贈る『市民ランナーという走り方』。 「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか? いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状打破、自己ベストの更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。 ●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」って何? ●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム? ●ピッチ走法とストライド走法、どちらで走るべきなのか? ●ストライドを伸ばすための「ハサミは両方に開かれる走法」って何? ●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは? ●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」の本当の意味は? 本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く効率的に走ることができるようになります。 ※カルペ・ディエム。この本は「ハウツーランニング」の体裁をした市民ランナーという生き方に関する本です。 あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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●◎このブログ著者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』◎●
書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。 その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。 ●自転車通勤における四重苦とは何か? ●ロードバイクは屋外で保管できるのか? ●ロードバイクに名前をつける。 ●通勤レースのすすめ。 ●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。 ●ロードバイク・クラブの入り方。嫌われない作法。 などロードバイクの初心者から上級者まで対応する本となっています。
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書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードを競うようになるところまでを描いたエッセイ集です。 その過程で、ママチャリのすばらしさを再認識したり、どうすれば速く効率的に走れるようになるのかに知恵をしぼったり、ロードレースは団体競技だと思い知ったり、自転車の歴史と出会ったりしました。 ●自転車通勤における四重苦とは何か? ●ロードバイクは屋外で保管できるのか? ●ロードバイクに名前をつける。 ●通勤レースのすすめ。 ●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。 ●ロードバイク・クラブの入り方。嫌われない作法。 などロードバイクの初心者から上級者まで対応する本となっています。
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●◎このブログ著者の小説『ツバサ』◎●
小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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小説『ツバサ』
主人公ツバサは小劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。そんな中、恋人のアスカはツバサのもとを去っていきました。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。離れたくない。その叫びだけが残った。全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自身が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「それは言葉として聞いただけではその本当の意味を知ることができないこと。体験し、自分をひとつひとつ積み上げ、愛においても人生においても成功した人でないとわからない法則」 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
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読書家が選ぶ死ぬまでに読むべきおすすめの名作文学 私的世界の十大小説
×   ×   ×   ×   ×   ×  (本文より)知りたかった文学の正体がわかった! かつてわたしは文学というものに過度な期待をしていました。世界一の小説、史上最高の文学には、人生観を変えるような力があるものと思いこんでいました。ふつうの人が知り得ないような深淵の知恵が描かれていると信じていました。文学の正体、それが私は知りたかったのです。読書という心の旅をしながら、私は書物のどこかに「隠されている人生の真理」があるのではないかと探してきました。たとえば聖書やお経の中に。玄奘が大乗のお経の中に人を救うための真実が隠されていると信じていたように。 しかし聖書にもお経にも世界的文学の中にも、そんなものはありませんでした。 世界的傑作とされるトルストイ『戦争と平和』を読み終わった後に、「ああ、これだったのか! 知りたかった文学の正体がわかった!」と私は感じたことがありました。最後にそのエピソードをお話ししましょう。 すべての物語を終えた後、最後に作品のテーマについて、トルストイ本人の自作解題がついていました。長大な物語は何だったのか。どうしてトルストイは『戦争と平和』を書いたのか、何が描きたかったのか、すべてがそこで明らかにされています。それは、ナポレオンの戦争という歴史的な事件に巻き込まれていく人々を描いているように見えて、実は人々がナポレオンの戦争を引き起こしたのだ、という逆説でした。 『戦争と平和』のメインテーマは、はっきりいってたいした知恵ではありません。通いなれた道から追い出されると万事休すと考えがちですが、実はその時はじめて新しい善いものがはじまるのです。命ある限り、幸福はあります——これが『戦争と平和』のメインテーマであり、戦争はナポレオンの意志が起こしたものではなく、時代のひとりひとりの決断の結果起こったのだ、というのが、戦争に関する考察でした。最高峰の文学といっても、たかがその程度なのです。それをえんえんと人間の物語を語り継いだ上で語っているだけなのでした。 その時ようやく文学の正体がわかりました。この世の深淵の知恵を見せてくれる魔術のような書なんて、そんなものはないのです。ストーリーをえんえんと物語った上で、さらりと述べるあたりまえの結論、それが文学というものの正体なのでした。
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×   ×   ×   ×   ×   × 
◎このブログの著者の随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』
随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。

私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●韓国帰りの帰国子女の人生論「トウガラシ実存主義」人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

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随筆『帰国子女が語る第二の故郷 愛憎の韓国ソウル』

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●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
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●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
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●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
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●◎このブログ著者の書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』◎●
書籍『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』
戦史に詳しいブロガーが書き綴ったロシア・ウクライナ戦争についての提言 『軍事ブロガーとロシア・ウクライナ戦争』 ●プーチンの政策に影響をあたえるという軍事ブロガーとは何者なのか? ●文化的には親ロシアの日本人がなぜウクライナ目線で戦争を語るのか? ●日本の特攻モーターボート震洋と、ウクライナの水上ドローン。 ●戦争の和平案。買戻し特約をつけた「領土売買」で解決できるんじゃないか? ●結末の見えない現在進行形の戦争が考えさせる「可能性の記事」。 「紅旗征戎吾ガ事ニ非ズ」を信条にする筆者が渾身の力で戦争を斬る! ひとりひとりが自分の暮らしを命がけで大切にすること。それが人類共通のひとつの価値観をつくりあげます。人々の暮らしを邪魔する行動は人類全体に否決される。いつの日かそんな日が来るのです。本書はその一里塚です。
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