マッチポンプ。雲上の世界も、下界もどちらも素晴らしい
先日、ひさしぶりに登山をしてきました。日光白根山です。
途中、酸素を求めて喘ぐ場面がありました。血糖値が下がり、一種の飢餓状態となりました。
こんなところでもし転倒してケガをしたり、足をくじいたりしたら、誰も助けてくれる人はいません。一瞬の油断で一気に命の危機が訪れるのが登山というものです。
雲上の世界は下界とは別世界で、とてもすばらしいものでした。
しかし長居するところじゃありません。すばらしいのは一瞬、下山しなければ。
しかし下山すると下界がまた素晴らしい場所に思えるのです。
冷えたコーラが飲み放題(金かかるけど)なんて、なんて素晴らしいんでしょう。
マッチポンプ(笑)。
登山家・栗城史多「成功の反対は失敗ではなく、本当の失敗とは何もしないこと」
「気持ちいいのはランニング。死ぬ前に思い出すのは登山」
登山とランニング、両方を趣味にしている私は、こう思っています。
「気持ちいいのはランニング。死ぬ前に思い出すのは登山」
その言葉に嘘偽りなしの絶景でした。日光白根山はとても素晴らしい山でした。百名山の中でも上位に位置する山だと思います。
登山のもう一つの価値に、眠っていた脳の一部が目覚める、ということがあります。血糖値の下がった飢餓状態によって、生存本能が刺激され、脳ミソの太古の部分が覚醒する気がします。
野性に目覚める。このハイな状態は下山してからもしらばく続きます。具体的には「飯を食べすぎる」などの症状となってあらわれます(笑)。あの危険な飢餓状態がもう一度来てもいいように、体がカロリーを蓄えようとするのでしょう。
登山ダイエットはありえない。下山するとデブになる謎現象を解説します。
マラソンの本番レースの前に、カーボローディングを行いますが、登山の場合、期せずして下山後にナチュラル・カーボローディングが行われてしまいます。
カオがパンパンします。
いつも自分を守ってばかりのニコニコペースでは、本当の意味で、生きている実感を感じることはできない。
ところで快楽なほうのランニングでは、本番レース以外の日常のジョグではどうして登山のような飢餓状態にならないのでしょうか。
やはりセーブして走っているせいだと思います。
ランニングもときにはスピードプレイをして楽しいだほうがいいですね。
肉体を壊すつもりで走る。ゴールしたら倒れるつもりで走る。それぐらいしないと自己ベスト更新はできません。
【本番練習法】通りすがりのランナーに勝手に練習パートナーになってもらうオオカミランニングのすすめ
普段のジョギングも肉体を守るベースで走るばかりでなく、肉体を壊すベースで走ってこそ、脳ミソが覚醒します。しかしそれでも危機が本能に訴えかけてくる度合は登山の方が上です。
人のいない場所はそれだけで不安になります。最近ではソロ車中泊をしているのですが、道の駅などうるさいぐらいの場所の方が安心して眠ることができます。
だれもいないとマジ不安(笑)。恐れているのは野生動物じゃなくて人間(ヤンキー)ですけどね。
ときには、肉体を壊すつもりで走る。ゴールしたら倒れるつもりで走る。そうしてこそ印象に残る。いつも自分を守ってばかりのニコニコペースでは、本当の意味で、生きている実感を感じることはできない。
生きがいは、本気で取り組んでこそ。それは人生も同じことでしょう。