ドラクエ的な人生

一人当たりGDP。いつのまに、なんで韓国に追い抜かれたのか?

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旅人は、一人当たりGDPの方が、国全体GDPよりもはるかに気になる。

国家の指導者たちは国としてのGDP(国内総生産)が気になるんでしょうが、放浪のバックパッカーとしては一人当たりGDPの方がはるかに気になります。

とくに私が気になるのが、韓国人の一人当たりGDPが日本人の一人当たりGDPを超えたというニュースです。

え、マジで? なんでそんなことになっちゃったの? いつから日本人はそんなに貧しくなっちゃったのよ?

私はソウル日本人学校出身の帰国子女であるため、韓国のことをガン無視できないという宿命を背負っています。

厳密にはGDPは豊かさ・貯蓄額の指標というよりは、経済活動の規模を表しています。

一人当たりGDPというのも、計算上の綾があって、必ずしも国民ひとりひとりの裕福さを反映しないという説もあります。しかし購買力平価換算は「ひとつの指標」であることには違いないでしょう。本来であれば「いかなる指標をとっても」韓国に日本は圧勝していなければならないのではありますまいか?

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いつの間に日本人は韓国人に一人当たりGDPで追い抜かれてしまったのか?

いつの間に私たちは韓国に一人当たりGDPで追い抜かれてしまったのでしょうか。年表的には2018年だということです。

私がマレーシアのコタキナバルで、日本人よりも韓国人の方がはるかに力をもっているなあ、と決定的に感じたのが、2019年のことです。

コタキナバルで感じた韓国パワー

私は韓国ソウル帰りの帰国子女なので、どうしても比較対象が韓国になってしまいます。日本人の裕福度を測るときにも、韓国と比較せずにはいられないのです。

そこでこの稿では、なんで日本が韓国にひとりあたりの経済で負けるハメになってしまったのかをバックパッカー流に研究・解析して、簡単な言葉でリポートしています。

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半導体製造で韓国に抜かれたのは何故だ?

海外歴の豊富な人間のひとりとして、ひと昔前は自動車、最近ではスマートフォンを見れば、その国の力がだいたいわかると感じていました。

ひと昔前のガラケー時代にはソニーやシャープやデンソーなど日本製のケータイ電話がたくさんありましたが、今ではまったくといっていいほど日本製のスマホは海外マーケットで見ません、聞きません。それに対して韓国にはサムソンがあります。

そういうことなんでしょうかね?

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一人当たりGDPは、国民性が大きく関係している。

日本が韓国に一人当たりGDPで負けてしまった理由ですが、両者の国民性が大きく関係しているようです。

日本の1990年~2020年は「失われた30年」と呼ばれています。「デフレスパイラル」に陥ってしまいました。デフレスパイラルとはこういうことです。物価が上昇せず、企業は儲からず、労働者の賃金は上がらず、購買されないためにモノの値段を下げざるを得ない……(以下繰り返し)

将来が不安な時代が長く続くと、人は貯蓄に走ります。そうすると一人当たりの購買額は下がります。購買されないためにモノの値段を下げざるを得ない、すると企業は儲からず、労働者の賃金は上がらず……(以下繰り返し)

こういうスパイラルにおちいるとGDP(国民総生産)も上がりません。

戦時中から高度経済成長期の貯蓄奨励政策により日本人のあいだに貯蓄こそ善だという考えが染みつきました。それがGDPを押しとどめているのです。なぜってお金は社会の血液だから。循環してこそ価値のあるものです。それに対して韓国人は日本人ほど貯蓄大好き人間ではないようです。こういう国民性の方がGDPには有利に働きます。景気よくモノを買えば、企業は儲かり、労働者の賃金が上がり、その結果、モノがさらに売れる……という「景気がいい」状態になります。

つまりマイナスのスパイラルをつづけた日本と、プラスのスパイラルをつづけた韓国とで、いつの間にか一人当たりGDPの順位が逆転してしまった、というわけなのでした。

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半導体製造の技術で、いつの間に日本は韓国に追い越されてしまったのか?

2019年7月に韓国が日本のホワイト国から除外された、というニュースがあったことを私はよく覚えています。これまで韓国は日本の輸出優遇対象国だったのですが、技術が第三国にわたり軍事利用される恐れがあると判断されて、最恵国待遇ではなくなったというニュースでした。

具体的にはたとえば半導体などの先進技術が、韓国経由でイラクとか北朝鮮などの軍事国家の軍備拡張に使用されては困るということです。

これを日韓輸出管理問題といいます。日本は韓国を国として最高度には信用できないと判断したのです。そこで日本は韓国に半導体の素材の輸出規制を行いました。

そして大反発がありました。反日ノージャパン運動です。大きく報道されたので覚えている方も多いのではないでしょうか。やれやれ。

その当時(2019年)、韓国の半導体製造用材料の大半は日本からの輸入だったそうです。それがホワイト国から除外されたので、韓国ではヤバいと感じて、脱日本、国産化しようという運動が巻き起こりました。輸入に依存していては、半導体の生産ができないからです。

この報道を見ていると、2019年当時はすくなくとも半導体において日本は韓国をリードしていたのだろうと思います。だって輸出規制された韓国がビビったんですから。規制するということは、相手にダメージをあたえられるだろうという計算があります。日本は上から目線だったわけです。

具体的には半導体そのものの輸出ではなく、半導体製造のための材料の輸出規制だったようですが、上から目線だったことはまちがいありません。取るに足らない技術だったら、輸出規制されて顔面蒼白(ホワイト国に戻してほしいだけに)になるわけありません。格下に規制されても「どうでもいいわ、アホ」と一笑に付しているはずでしょう。

それがまさかその数年後に「もう半導体では韓国にはかなわない」なんて時代になるとは想像もしませんでした。

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半導体製造で韓国に追い抜かれた理由は技術の流出、ヘッドハンティング

ではなんで半導体製造分野で韓国に追い抜かれてしまったのかというと……ヘッドハンティングで日本の技術が流出したのが大きな原因のひとつだそうです。人材の引き抜きがあったそうです。

日本の会社は簡単に従業員の首を切れません。みんなが横並びの国では頭抜けたエリートを雇えません。数人の従業員をクビにすることではじめて天才を数人分の高い給料で雇うことができるからです。

話しを聞いて、ため息が出るとともに、こいつは仕方がないな、と思いました。

ウチの父親もかつてソウルで仕事をしていましたが、そりゃあ給料と待遇がよければソウルだってどこだって行って働くと思います。現在のソウルなら余裕で何年でも暮らせます。いや、むしろ行きたい(笑)。

地方の人だったら、単身赴任することを考えても、日本の田舎の工場に行くよりもソウルに行った方が交通の便がいい場合もあると思います。時間的にも近かったりして。

東アジアのハブ空港が成田空港ではなく仁川空港なのは当たり前

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市場経済というのは敗者や不必要なものが淘汰されることで需給バランスが釣り合う原理

市場経済というのは敗者や不必要なものが淘汰されることで需給バランスが釣り合う原理なのだから、社員をクビにできない、会社はつぶれないようでは、厳密な資本主義社会とはいえません。資本主義社会は廃業が前提なのです。終身雇用が前提では淘汰の原理が成り立ちません。競争のある国に負けるに決まっています。

それにしても長年経済援助してきた国に経済力で抜かされるなんて本当に情けないことだとは思いませんか。

ガンバレ、ニッポン!

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旅人が気に入った場所を「第二の故郷のような気がする」と言ったりしますが、私にとってそれは韓国ソウルです。帰国子女として人格形成期をソウルで過ごした私は、自分を運命づけた数々の出来事と韓国ソウルを切り離して考えることができません。無関係になれないのならば、いっそ真正面から取り組んでやれ、と思ったのが本書を出版する動機です。私の第二の故郷、韓国ソウルに対する感情は単純に好きというだけではありません。だからといって嫌いというわけでもなく……たとえて言えば「無視したいけど、無視できない気になる女」みたいな感情を韓国にはもっています。

【本書の内容】
●ソウル日本人学校の学力レベルと卒業生の進路。韓国語習得
●関東大震災直後の朝鮮人虐殺事件
●僕は在日韓国人です。ナヌン・キョッポニダ。生涯忘れられない言葉
●日本人にとって韓国語はどれほど習得しやすい言語か
●『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』南北統一・新韓国は核ミサイルを手放すだろうか?
●韓国人が日本を邪魔だと思うのは地政学上、ある程度やむをえないと理解してあげる
●日本海も東海もダメ。あたりさわりのない海の名前を提案すればいいじゃないか
●天皇制にこそ、ウリジナルを主張すればいいのに
●もしも韓国に妹がいるならオッパと呼んでほしい
●「失われた時を求めて」プルースト効果を感じる地上唯一の場所
●「トウガラシ実存主義」国籍にとらわれず、人間の歌を歌え

韓国がえりの帰国子女だからこそ書けた「ほかの人には書けないこと」が本書にはたくさん書いてあります。私の韓国に対する思いは、たとえていえば「面倒見のよすぎる親を煙たく思う子供の心境」に近いものがあります。感謝はしているんだけどあまり近づきたくない。愛情はあるけど好きじゃないというような、複雑な思いを描くのです。

「近くて遠い国」ではなく「近くて近い国」韓国ソウルを、ソウル日本人学校出身の帰国子女が語り尽くします。

帰国子女は、第二の故郷に対してどのような心の決着をつけたのでしょうか。最後にどんな人生観にたどり着いたのでしょうか。

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