ソウル日本人学校の偏差値。公立? 私立? 卒業生の進路

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【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者アリクラハルトの人生を旅しながら走り抜けるためのオピニオン系ブログ。

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我が母校・ソウル日本人小学校

先日、ヤフーニュースを読んでいたら「ソウル日本人学校で新型コロナウィルス感染者がでたので休校になった」という記事を見ました。クラスターが心配で食い入るように記事を眺めたのですが……なんかわたしの知っているソウル日本人学校と違う。。。登り坂の左右にガラス張りの校舎が、まるで巨大な城壁のように存在感を示しているその校舎は私が知っているものではありませんでした。

わたしはソウル日本人学校出身です。もしかしたら新しく校舎を建て替えたのかと思って調べたら……次から次へとわからないことが出てきてしまいました。

それをまとめたのがこのページです。

第二の故郷。愛憎の韓国ソウル。

親の転勤。高校生の転校・転入。家族で引っ越すか、単身赴任するか

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1漢南洞校舎。2開浦洞校舎。3上岩洞校舎

ウィキペディアの情報によると、当初、1972年に日本人学校は龍山区漢南洞に設立されたそうです。ウチの母が「市場の二階」とよく言っていた校舎のことだと思います。「授業参観に行くと、下の市場でニワトリをしめる声がした」というアナーキーな当初旧校舎です。隣接地が砂利敷きのバスプールになっていました。そこで縄跳びをやったところ、ナワにひっかかった小石が後ろに飛びまくって、なんだか別の競技みたいになっていたことをよく覚えています。便宜上ここでは1漢南洞校舎と呼びます。

そして1980年に江南区開浦洞に校舎を建設。こちらは「市場の二階」ではなく、日本の学校のように門があり敷地が柵で覆われていました。グラウンドがありました。近くに小川と池がありました。その池が冬には凍ってスケートをしたことを覚えています。便宜上ここでは2開浦洞校舎と呼びます。

そして私が写真で見た立派な新・新校舎は2010年に麻浦区上岩洞に完成したそうです。この校舎のことはまったく知りませんでした。わたしが写真で見たアニメに出てきそうな立派な校舎というのはこの校舎のことです。便宜上ここでは3上岩洞校舎と呼びます。

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ソウル日本人学校は公立? 私立?

わたしはただの小学生として関わったので、あまりソウル日本人学校のことを深く調査したことはありませんでした。自分の母校のことを、文部科学省が建設してくれたのかと思い込んでいました。

こんなふうに思い込んでいました。日本は貿易立国です。海外に駐在するサラリーマンたちは、貿易立国を支えるお国の貢献者たちです。貢献者たちの子女が教育に不自由するようでは国として面目ないということで、文部科学省が国の税金で建設したものだと思い込んでいたのです。日本大使館が外務省のお金で建設されるように。そもそも「義務教育」だし……。主要国の首都ぐらいには公立小中学校を建てるのは国の責務ぐらいに考えていました。

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SJC(ソウル・ジャパン・クラブ)。旧名ソウル日本人会

ところが……よく調べると校舎建設の事業主がSJC(ソウル・ジャパン・クラブ)になっています。ソウル・ジャパン・クラブというのは旧名ソウル日本人会のことです。ソウルの名門ホテルでクリスマス会などを開いて、商売敵(たとえば三井物産と三菱商事。同じ発注を競い合うライバル同士ですが、日本人会では仲良くしてました)どうしが日本人同士なかよくやっていこうや、というとてもすばらしい会でした。

あのソウル日本人会(SJC)が発注者・施主ってどういうことだ? 発注者は日本国文部科学省じゃないの??

それがそもそも出身小学校に疑問をもったはじまりでした。ソウル日本人学校のホームページによれば、

・本校はSJCにより設立・運営される学校である。(学校規則第1章第1条)

と書いてあります。

もしかしてオレは公立小学校ではなく、私立小学校の出身だったのかな? もしかして寺小屋みたいなところで学んでいただけだったのかな?

自分の出自がとても不安になったので、さらに調査をつづけます。

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日本人学校って何だ? 学校教育法の「学校」にはあたらない学校

まずは日本人学校について調べてみました。

ウィキペディアによれば、日本人学校というのは、現地の日本人会が設置したもので、学校教育法の「学校」にはあたらないが、文科省の認定によって、日本の学校と同等の扱いを受けることができるというものだそうです。

※学校教育法第1条に基づく学校(いわゆる「1条校」)ではない。

なんと……法的には「学校」ですらなかったのか!! 思ってたのと違う! 大ショックです!!

ちなみに日本の文部科学省には日本の学校と同等の扱いを認定されていますので、日本国内の上級学校への進学は支障ありません。また韓国政府には私立各種学校として認可されているため、その資格で韓国の上級学校へ進学することができます。韓国の高校へ進む場合には私立中学出身ということになるのですね。

実際に、私も日本の中学校に何の問題もなく転勤しました。

学校教育法上の学校でない以上、公立小学校出身とは言えません。だからといって私立小学校出身というのも微妙なところで、教鞭をとる先生たちは、文科省から教員資格をもった者が正式に派遣されていることから、私立学校にくらべると、かなり公的な性格をもっています。これはもう日本人学校出身だとしか言いようがありません。だがしかし公立の学校では決してないのです。公立だったら校舎の建設も公費で負担されるからです。

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日本人学校の学力レベルは? 教員も、子女も優秀です。

文科省から派遣される先生方は、もちろん日本の教員免許状をもっていました。しかも選ばれた方々だったので教育熱心で優秀な方たちばかりでした。

外国で教鞭をとろうという方は意識高い系ですし、給料も日本にいるより高くなりますし、赴任にあたって試験があるので、国内のティーチャーよりも優秀な方が多いのです。

子女も優秀です。ハーバード大学を卒業した大使閣下御子息がバカであるはずがありません。一流企業のエリート社員の子女も似たようなものです。教師同様に、子女たちも「選ばれた人たちの子ども」ですから、もともと優秀な子ばかりなのです。

赴任前に日本人学校の学力のレベルを心配する親御さんがいるようですが、心配いりません。教師も優秀、周囲の友だちも優秀です。すくなくともソウル日本人学校に関してはまったく心配いりません。日本の公立学校よりもむしろレベルは上でしょう。

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偏差値は? 卒業後の進路は? 将来はどうなるか?

わたしの同級生は、総勢30名ほどです。一クラスしかないのでずっと持ち上がりで、顔ぶれが変わらないので今でも東京で同窓会を開いて仲良くしています。

同級生は、小6の時点で帰国する人が多かったです。学芸大学や私立大学の付属中学に進学する子もいました。もちろん公立中学に進学する人も多かったのですが、基本的にみんな学業成績は超優秀でした。ある年の日比谷高校の生徒会長も、東大寺学園の生徒会長も、わたしの同級生です。東西制覇したようなものです。一つのクラスからこれだけ人材がでるのは、公立小学校では考えられないと思います。

大学は東京大学、京都大学、東京外国語大学、慶応大学、早稲田大学、上智大学などに進んでいます。卒業後は弁護士医者、歯医者、エコノミスト、投資家、陶芸家などがいます。

ちなみに弟の同級生にパフィーの亜美ちゃんがいます。

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日本人学校の教員になる方法は? 給料は?

ちなみに日本人学校の教員になるにはどうすればいいのか、気になったので調べてみました。オレを教えてくれた先生たちはどのような存在だったのでしょうか。恩師たちは何者だったのか?

文科省には「文部科学省教員派遣制度」というものがあります。

小中学校の先生は県単位で採用されるため、文科省が都道府県の教育長に対して、派遣教員の推薦を依頼しているそうです。推薦された者が、書類審査、面接を受けて、文科省が決定するという流れです。

ちなみに小中学校の先生は公務員なので給料は都道府県の条例により決まっているのですが、日本人学校勤務になった場合、国内給与(都道府県支給)+在勤手当(文科省支給)を受給できるそうです。在勤手当というのは海外手当のようなものです。

海外手当があるのはサラリーマンでも同様です。会社によって違いますが、海外赴任した場合は、国内と同じ給料という会社はあまりないだろうと思います。だから帰国子女は「選ばれた人たちの子ども」なのです。

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政府から補助金は出ていないのか? 日本人会だけで学校校舎ビルの建設なんて可能なんだろうか?

ソウル・ジャパン・クラブは、韓国最大の日系コミュニティーです。ソウル日本人学校の設立・運営だけでなく、とかく敵視されがちな「韓国社会の中の日本人」どうしが肩よせあって親睦を深めようというすばらしいコミュニティーです。旅行や映画やテニスやゴルフなど親睦イベントもたくさん開催しています。ソウルに海外赴任するならば、入会しない選択肢は考えられません。

ホームページの情報からざっと計算すると……法人会員の会費が1,000,000ウォン(約10万円)で約420の法人が加入。個人会員の会費が300,000ウォン(3万円)で約2,000の個人が加入。ということは、年会費だけで約1億円の活動費があるわけですね。すごい組織ですね。

学校の建設にいくら費用が必要かというと……約20億円だと計算しても、30年越しに上岩洞校舎をSJCだけで建設することは不可能じゃないみたいですね。

しかし、それにしても政府の補助金はないんだろうか? 小中学校は義務教育なんだし。

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義務教育は、属人的ではなく、属地的な解釈。海外子女に教育する義務はない

文部科学省の見解によると、憲法26条に定める「教育を受ける権利、義務教育の無償」は、人に適用(属人的)ではなく、地域に適用(属地的)されるため、海外の子女に対して直接の義務は「ない」そうです。教育無償の義務があるのは、国内在住者だけなのです。海外子女が主権の及ばない地にいる以上、やむを得ない解釈だと思います。

ですが法の精神にのっとって、検定教科書の無償給与、教員の派遣、帰国子女受け入れの支援(たとえば大学の帰国子女枠など)を行っているそうです。

外務省では「在外教育施設の校舎借料及び現地採用講師謝金援助などを行っている」ということです。校舎の借料というのは、まさに1漢南洞校舎の場合に適用されたでしょう。ハコモノ校舎に対して助成はなさそうです。現地採用講師というのは韓国語の先生などのことです。ソウル日本人学校では週1で英語と韓国語の授業がありました。

よく考えればこれも不思議なことでした。「義務教育課程」の中で、正規の授業中に英語や韓国語を教えるなんてことは、まさしく公立ではなく私立の学校に近いということなのでしょう。

韓国語の先生など現地採用職員の講師料は日本人学校が払うため、学費を支払っているというわけです。ソウル・ジャパン・クラブには小中学校の子どもがいない人も所属していますから、親は独自の負担をせねばなりません。

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公立小学校というよりは助成(教員派遣)を受けた認可された私立小学校

結論です。ソウル日本人小学校は公立小学校なのか? 私立小学校なのか?

学校教育法上の「学校」ではありませんし、校舎を官で建てていないので公立小学校とはとても言えません。

公立小学校というよりは、助成(教員派遣)を受けた認可された私立小学校だといったほうが正しいものです。

自分の親が所属していた「日本人会」が、ただの親睦団体ではなく、学校の建設、運営という大事業をおこなっていたことを今さら知って驚きました。「校舎の発注」なんてたいへんな大仕事です。それを大使館勤務やマスコミ勤務や商社勤務の方々が本業以外でやったのですから……過去、そして現在のソウル・ジャパン・クラブ(旧ソウル日本人会)のみなさま、本当にありがとうございました。今の私があるのは、みなさまのおかげです。

わたしは今の今まで自分が「ソウル日本人学校」という名前の、文科省が設置した正式な公立小学校を卒業したと思っていました。でも実際にはどっちかといえば私立小学校を卒業していたみたいです。

いまさら、みずからのルーツにちょっと驚いています。

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