ドラクエ的な人生

「猛暑知らずの町」勝浦市の理由。黒潮と親潮。その境目はどのあたり?

スポンサーリンク

車中泊が趣味。きっかけは陸の突端、南房総

私は車中泊が趣味です。車中泊専門のYouTubeチャンネルも運営しています。

×   ×   ×   ×   ×   × 

本ブログの筆者はYouTubeで動画を配信しています。

【車泊でGO!! Vehicle Night】

気に入っていただけましたら、チャンネル登録をお願いします。

×   ×   ×   ×   ×   × 

私が車中泊するようになったきっかけは、南房総です。南房総地域は房総半島の突端にあるために、ついでに行けるような場所ではありません。わざわざ行く気にならなければ南房総にはいけません。ところがその南房総地域は家から思ったよりも遠く、日帰りではキツかったのでした。それで車に泊まったのが車中泊にハマったきっかけです。

スポンサーリンク

南房総は常春の楽園。黒潮効果

このとおり南房総がきっかけで車中泊を始めたので、南房総市、館山市、鴨川市、勝浦市あたりはホームタウンといっても過言ではありません。何度も通っていますのでよく知っています。その縁で婚姻届けは南房総市役所に提出しました。裏市民みたいなものです。まちづくりの専門用語でいうと関係人口に該当すると言っていいでしょう。

とくに1月2月の寒い時期に館山市、南房総市に行くと、なんかあったかいんですよ。ぽかぽかしています。毎年全身で実感しています。これを黒潮効果といいます。暖かい日本海流(黒潮)がカロリーを運んでくるので暖かいのだとよく説明されていますが、私の実感としては「太陽が違う」という気がします。鋸山から北部は寒い冬の太陽(きびしい兄太陽)なのに、南房総に行くと暖かい春の太陽(あたたかい弟太陽)が輝いています。南房総は常春の楽園なのでした。

南房総の水滸伝。曲亭馬琴『南総里見八犬伝』

スポンサーリンク

冬に黒潮効果を謳うなら、夏にも黒潮効果を謳うのが本当では

ところでその常春の楽園、南房総地域ですが、最近、勝浦市が「猛暑知らずの町」と話題になっています。なんでも観測史上100年以上一度も猛暑日(35℃以上)を記録したことがないんだとか。その理由を聞くと、海で冷やされた冷風が陸地にまで吹き込んでくるから、ということでした。

ん? なんかおかしいな。直感的に。

しょっちゅう勝浦に通っている私としてはとても気になる話題です。黒潮のパワーを肌で実感している者として、この理屈に直感的に納得がいきませんでした。だって勝浦市、冬のあいだは黒潮効果で暖かいと主張しているんですよ。それが急に夏になったら黒潮のことは一切いわずに急に涼しいって本当でしょうか? 冬に黒潮効果を謳うなら、夏にも黒潮効果を謳うのが本当では? だって黒潮は冬でも夏でも年中流れているのだから。

スポンサーリンク

勝浦市だけが涼しい理由。南風のおかげ

よく調べてみると、勝浦市だけが真夏にスポット的に涼しくなっているのは、勝浦のあたりの海は急にガクッと深くなっているんだそうです。そのせいで海底の冷たい水が御宿や鴨川よりも海面に上がってきやすいのだとか。上層の海流が南風で沖あいに流されて下層の冷たい海水があがってくるというのです。この海底の冷たい水に冷やされた南風が町に流れ込んでくるために勝浦市だけが猛暑知らずになるんだそうです。

ちなみに冬は陸から海に流れる北風だから、他の町と条件は同じなんだそうです。黒潮の暖かい海流のカロリーが町へと流れ込んでくるというわけですね。勝浦も鴨川も御宿も南房総も同じ条件だというわけなのでした。

なるほど、納得しました。冬だけ黒潮効果を謳って夏だけ謳わないのは、冬は北風で夏は南風だから、ということなんですね。それなら納得です。

スポンサーリンク

黒潮と親潮。その境目はどのあたり?

実際のところ、黒潮効果というのはどのあたりまであるのでしょうか?

昔から「鋸山を越えるとシャツ一枚いらなくなる」と言われるぐらい冬は温暖な南房総地域です。でもそれは「鋸山を逆に越えるとシャツ一枚必要になる」のと同じ意味のはずです。

実際に銚子あたりにも黒潮は来ているはずですが、銚子を「常春の楽園」と呼ぶのはちょっと違和感があります。日本海流(黒潮)というのは、じっさいどのくらいまで来ているのでしょうか? 冷たい千島海流(親潮)とどのあたりで交わっているのでしょう。

調べてみると、東北地方の三陸沖あたりが黒潮、親潮の合流地点(潮目)だそうです。想像より北の方にありますね。茨城や福島の海岸で黒潮効果を大々的に謳っているのをあまり見聞しません。

スポンサーリンク

涼しいからって勝浦市に移住を考えているのなら、よく考えたほうがいい

勝浦市の「猛暑知らずの町」をきっかけに、各市町村が黒潮をレトリックとして都合よく使いすぎているのではないかと思ったので、このコラムを書きました。

昔、探偵ナイトスクープでやっていた「アホ・バカ分布図」のように、黒潮効果を謳っている市町村と、そうでない市町村の潮目がどこかにあるはずです。「それは千葉県のどこだ?」と調べ始めたのですが、現実にはなんと三陸沖だそうです。北だな!

しかし市町村の観光課レベルだと、実際に茨城県の最北端の北茨城市あたりでも「黒潮と親潮が交差する好漁場である茨城沖」なんて歌っていますので、はっきりとした潮目のラインはないのかもしれません。要するに黒潮と親潮は薄く長い距離にわたってダラダラと交わるということでしょう。

勝浦市は猛暑知らずといっても34度もあれば汗がダラダラですよ。しょっちゅう通っている私は知っています。夏の勝浦、十分に暑いですよ。エアコンいらずは言い過ぎじゃないでしょうか。30度過ぎたらエアコンいりますよ。

勝浦市民で「涼しいからウチにはエアコンがない」という人たちがテレビに登場しますが、我慢して不便な暮らしをしているなあと感じました。ぜったいエアコンつけたほうが快適なのにね。なまじっか涼しいばっかりにエアコンつけないなんて、中途半端はいちばん不便だということでしょうか。

どんな避暑地もエアコンにはかないません。どんなところに住んでいようが、エアコンがあればあっというまに避暑地に早変わりです。

他よりちょっと涼しいからって勝浦市に移住を考えているのなら、立ち止まってよく考えたほうがいいですよ。勝浦の夏は暑いです。それが通っている私の実感です。

どんな避暑地もエアコンにはかなわない

モバイルバージョンを終了