地方自治体は国の下請け業者になりさがっている
今日、地方自治体の業務は、たいへんに圧迫されているのではないか。
コロナウィルスのワクチン接種にしても、地方自治体がワクチン接種体制を整えることでようやく成り立っている。
国というのは、このように結局、地方自治体だのみなのではないか? 下請け業者の地方自治体がなければ何もできないのではないだろうか。
一律十万円現金給付にしても、とりまとめたり、配ったりするのは地方自治体だ。
このように国からの業務が膨大では、地方自治体は自分たちがやりたい独自の政策などはとうてい実施できず、ただ国の下請け業者たらざるをえないのではないだろうか。
地方自治は義務か? 領地を返上して天領、直轄地にしてもらうことはできないのか?
ところで思うのだが、地方自治というのは、どうしても自治しなければいけない義務があるのだろうか?
たとえば江戸時代には幕府(国)というのがあって、ご領主さま・殿様(地方自治体)というのがその下にあった。ご領主さまは政治を行うのだが、政治があまりにも不相応に難しいときには「領地の返上」ということがあったらしい。
「うち等にはもう手に負えないから領地を返上します」といえば、その土地は幕府(国)の直轄地、天領になったのだ。
地方自治体は吸収合併なんかもできるのだから、いっそ消滅もできないのだろうか?
運営の難しい地方自治体は領地を国に返上して、天領、直轄地にしてもらえばいいんじゃないか?
天領になれば、予算は潤沢だ。国も天領をあだやおろそかにはすまい。
実験都市として投資の対象になったり、特例都市として規制が緩和されたりするかもしれない。
あなたの家の前の道路が国道になる。
「でもしか公務員」ではなく、エリート官僚が仕事を担当してくれるはずだ。
住民にとってはいいことだらけではないだろうか。
べつに地方自治なんていらない! 天領でけっこうです!!
こうは言えないのだろうか。
かつてわれらの先祖は血を流して自治を勝ち取った。自治すれば何かが変わると希望を持っていたからだ。
しかし我らは自治しても何も変わらないことを知った。殿がおさめても旦那がおさめても同じだ。だから絶望をもって自治を返上したい。
そうは言えないのだろうか。いう権利はないのだろうか。
国と地方自治体は上司と部下のような関係
現行制度で領地返上ができないのならば、そういう制度にすればいい。
地方自治体も「国の下請け業務なんてごめんだ」と言えないでなにが自治だろうか。まるで奴隷じゃないか。
国と地方自治体は上司と部下のような関係といえるかもしれない。
部下にそこまで言うこと聞かせる権力があるのなら、国には上司の責任だってあるはずだ。
すなわち部下が「これ以上の仕事はもう無理です」といったら、上司がその仕事をカバーするべきではないだろうか。
そして部下には私たち労働者と同じように「仕事をやめる権利」「死ぬ権利」があるべきではないだろうか。
退職できないから相対的な力関係を変えられないのだ。死ぬ可能性がないから地方自治体の組織は停滞してしまうのだ。
死ぬこと(領地の返上、直轄都市化)ができれば、地方自治は活性化するだろう。
死の恐怖が、人(組織)を生かすからだ。