親の転勤。高校生の転校・転入。家族で引っ越すか、単身赴任するか

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親の転勤で人生が変わる子供たち。帰国子女が語る転校のリアル

学園もののテレビドラマなどで「今度、転校してきた××くんだ。みんな、仲良くしてやってなー」なんて、小学生の子供がおそるおそる教室に入ってくるシーンがよくあります。

たいてい親の転勤の都合で、新世界に引っ越してきたから、新しい学校に転校するわけですね。

かくいう私も親が商社マンで転勤族だったので、よく転校しました。そのうち一度は韓国ソウルへの赴任でした。私はソウル日本人学校出身の帰国子女です。パフィーの亜美ちゃんの先輩ですな。

第二の故郷。愛憎の韓国ソウル。

自分の体験からいっても、小学校、中学校の転校ならば、よくわかります。転校の時期が年度当初でないと、友だちができにくかったり、部活に入りにくかったりしますが、とくに問題なく転校することができます。

そもそも義務教育だから、引っ越した先の学区の学校へ通うしかありません。

ソウルには日本人学校がひとつしかありません(プサンにも日本人学校がありました)から、そこに通う以外にありませんでした。

日本人学校というのは所在地が外国にあるだけで、文部省傘下の日本と同じ教科書をつかった普通の義務教育の学校です。……あれ、でも週に一回、英語と韓国語の授業があった気がします。カリキュラム的にはすこし違うのかな??

まあとにかく、義務教育の場合は、引っ越した先の学区の学校へ通うしかありません。

選択の余地がない分、何も考える必要がないということになります。

ところで子供が高校生だったら、あるいは大学生だったら、どうなるのでしょうか?

義務教育じゃないから、最寄りの学校に行くというわけにはいかないでしょう。高校には入学試験というものがあります。学力別です。

たとえば地方の偏差値の低い高校の子供が、親の転勤で都内に引っ越してきたからって、最寄りの学芸大附属高校(偏差値高い学校)に入学するというわけにはいかないでしょう。それが許されるならお金持ちの子は受験勉強なんかしないで、親が転勤すればいいってことになります。

でも、実際に子供が高校生だからって、会社の転勤命令は容赦なく発令されます。

人事異動によって勤務先が変更になったら通勤バイク(ロードバイク通勤)をはじめよう

子どもが高校生、大学生だった場合、転校はどうなるのか、ひじょうに気になるところです。

実は、私と弟は、大学生と高校生で引っ越すという可能性がありました。弟が高校2年生、私が大学3年生の時、父親が香港に赴任することになったのです。

いろいろと(親が)考えた結果、父は単身赴任することになり、私たち兄弟の生活は何も変わりませんでした。

「香港、家族みんなで行くか?」と相談されたこともないような気がします。忘れているだけかもしれませんが……。

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子どもが高校生だったら、転校はどうなる?

外国に転勤するのは特殊なので、まずは国内に転勤した場合に限って、転校はどうなるのか調べてみました。私立や公立、学校によって状況は違うようですが、概ね下記のような状況になるようです。

①義務教育と違ってどこにでも転校できるというわけではありません。学力試験を受けて合格する必要があります。

②そもそも(編入する生徒の)募集がなければ、学力試験を受けることさえできません。学校に個別に対応してもらうことができない場合、編入学試験は年度末3月に行われることが多いようです。

③親の引っ越しの時期が年度末でない場合、タイミングが合わないと、高校生の子供は行く学校がないということになりかねません。

④大都市のように学校がたくさんある地域に引っ越すなら選択肢がありますが、地方に引っ越す場合、高校生の子供が通う学校がなくて単身赴任を選ぶ人が多いようです。募集もあって、合格したとしても、子どもの学力よりはるかに低いレベルの不良校しかない場合、転校させられませんよね?

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子どもが大学生だったら、転校はどうなる?

当然ですが、大学にも入学試験があります。

日本大学の学生だった子どもが、親の転勤で札幌に引っ越したからって、北海道大学に無試験で入学できるわけがありません。

大学の場合は、子どもが一人暮らしをしてそのまま今の大学通い続けるというのが基本的な選択肢になります。

赴任先には単身赴任でもよし、夫婦同伴でもよし。

いちおう大学には「編入」というものがあります。短大を出て四年生大学の三年次に編入するとか。

もちろん試験があります。転校というのはありません。

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親の赴任先が海外だったら? 休学して親の金で留学できちゃうという選択肢

ウチのケースです。商社マンだった父は香港に赴任を命じられたのでした。

ウチの場合は、父が単身赴任して、高校生の弟と大学生の私が母と日本で一緒に暮らすというスタイルで解決しました。子ども目線からいえば、ほとんど何も生活は変わらなかったという実感です。

親の目線からすれば、子どもの将来をよかれと考えた上で、単身赴任という選択をしてくれたに違いありません。

しかし……国内転居の場合、デメリットしかない高校生・大学生の引っ越しですが、海外赴任となると見える景色がガラリと変わってきます。はっきりいえば親の費用で留学できちゃうようなものですからね。

親のすねをかじっていることになりますが、どうせ授業料など払ってもらっていたので、しょせんは同じことです。今の私の感覚だったら、ぜひとも家族みんなで香港に行きたいところです。カジカジ。

現在のようなインターネット情報化社会で英語を使いこなせた方がはるかに有利な立場に立てる世の中で、香港で英語や中国語を学んだりしていたら、おそらく人生が変わっていたことでしょう。

すでに大学生だった私には「休学」という手段もありました。一般的に大学では最長4年まで休学できます。休学中の学費については全額免除だったり、授業料の一部を支払うケースがあったりなど、大学によってまちまちです。私の母校早稲田大学の場合は、在籍料+学生健康増進互助会費として年間101,500円が必要のようです。四年で四十万ですか……バカになりませんね。国立大学などは休学中の学費は全額免除となることが多いようです。

人類学とは? 勉強するなら何学部?

海外放浪しているバックパッカーの中には大学を休学してさまよっているという人もいます。現代のような時代に焦って四年でフツーの日本の大学を卒業するメリットはあまりなく、むしろ香港を拠点にマカオでギャンブルをおぼえたり、深セン特区を視察したり、中華料理屋でバイトして中国料理マスターになったり、チョンキンマンションでインド人と交流したりするなど、若いうちから豊かな人生経験を積むことができたのではないかと思うのです。

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一流大学に合格したのに、最終学歴が高卒になった可能性がある

当時の私の英語力は「英会話はうまくできないが、文字で書いてあることはだいたいわかる」というレベルでした。英語偏差値はかなり高い方で、ワセダでは英語の原書で授業を受けていました。全部忘れた今とはまるで別人です(笑)。

ピラミッドは墓! 吉村作治先生の「ピラミッド神社説」は大間違い!

しかしそれでも……現地の大学には入れなかったと思います。大半の語学留学の人がそうであるように、レベルの低い語学学校に通うのが精いっぱいだったのではないかと思います。ペーパーテストは強くても、カンバセーションが無理だったので(笑)。

四年制大学を卒業して、大卒として日本の企業に就職しようと思ったら、やはり日本の大学を休学状態にしておいて、父の帰国と同時に復学して、元いた大学を卒業する以外にはなかったでしょう。

(ちなみに父の香港赴任の任期は3年でした)

そもそも海外の大学ですが、日本の制度上は「大卒」とは認められない場合があります。その場合、ちゃんとした現地の大学を出ても日本では「高卒」扱いになってしまいます。

海外放浪の経験を経た今の私だったら、帰国するか、そのまま香港に居残るか、出たとこ勝負でその場の成り行きに身をまかせてみたいという気もします。

運命に導かれる生き方をしよう。失意の場所で、今まで以上の幸せを探すことが運命を生きること

しかし二十歳前後の当時の私には、そんな心の余裕はありませんでした。もし香港に家族で行っていたとしても、おそらく父と一緒に全員帰国したことでしょう。すると……やはり「行かなければよかった」かもしれません。

往々にしてアメリカやフランスの帰国子女が「外国かぶれ」になるように、ソウルやタイペイの帰国子女は「日本びいき」になるものなのです。

結局、世界で暮らすか、日本で暮らすか、その選択を二十歳前後でしなければならなかったということになります。ハードすぎる選択です。

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たとえ英語と中国語がペラペラでも、日本では中卒扱いされる

当時高校二年生だった弟の場合、さらに状況は難しいものがあります。これから受験勉強というときに香港に行くのでは、日本で暮らす「フツーの人たち」とは明らかに違った人生を歩むことになりそうです。

やはり香港のフツーの高校に編入するのは、まず無理でしょう。単位の換算もできませんし、そもそも授業についていくことができません。まずは言葉の勉強からです。

すると……たとえ英語と中国語がペラペラになったとしても、いまだ高校を卒業していません。日本では中卒扱いされてしまいます。

大検大学入学資格検定)に合格して、上智大学とか東京外国語大学を卒業するという手が残されていますが、めんどくさいことこの上ありません。私だったら、このまま日本でフツーに高校生やらしてください、と親に頼むかも。

もう日本に帰らないぐらいの確固たる気持ちがなければ、選べない選択肢だったでしょう。

日本の学歴なんて中卒でもいい。もう日本には帰らない、と固い決意で国際人の道を選んでいたら、もしかしたらその後の中国経済の大躍進の中で、今頃は億万長者になっていたかもしれませんけれどね。

お金持ちになりたかったら学べZOZOTOWN興隆物語

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もしも人生が二度あれば……親の転勤で人生が変わる子供たち

親の転勤によって家族が引っ越した場合、子どもの学校はどうなってしまうのか、検証してみました。

結論は、子どもが小学生、中学生なら転校で問題なし。子どもが大学生ならひとり暮らしをさせる。子どもが高校生の場合は親が単身赴任を選ぶケースが多い。ということでした。

そして特殊な例として、親が海外赴任だったケースについても検討しました。その結論についても、基本的には国内転勤の場合と同じでした。

ただし海外赴任の場合「親のお金で留学できちゃう」というスペシャルなメリットを享受できる可能性があるということです。

あのとき父と一緒に香港に家族で引っ越していたらどうなっていたのか? 長年、心に引っかかっていたことを、現実的にはどうだったのかここでは検証してみました。

ウチの場合は、父が単身赴任して、高校生の弟と大学生の私が母と日本で一緒に暮らすというスタイルで解決しました。子どもを思う親の目線になって考えてみれば、これ以外の選択肢はなかったらしい、ということがわかりました。ありがたいことだったと感謝しています。

当時はまさか中国のGDPが日本の三倍の経済大国になるなんて想像もできませんでした。2027年にはアメリカを抜いて世界一の経済大国になるという予想もあります。

わたし自身のその後の海外遍歴を考えると、あの当時、香港で暮らしてみたかったな、という現在目線からの「ありえたかもしれない可能性」を惜しむ気持ちがあるにはあります。今の感覚で二十歳前後に戻っていたら、家族を説得してぜったいに香港に行っていました。

書評『青年は荒野をめざす』

しかし……二十歳前後の当時の感覚からすると、外国で暮らすことは、当時のレベルではしきいが高かったかな、と思います。

当時、私がいちばんほしかったのは「恋人」でした。日本国内でも恋人ができないのに、外国で恋人ができるというのは考えられません。そもそも言葉が通じないんですから……。ニーハオ。シェシェ。その最初の関門で意気阻喪していたというのが、当時のレベルだったのではないかと思います。

今の私の感覚からすると、香港人と恋をして、香港人として生きて、という未来も面白かったかなあと思いますけど。ずいぶんとレベルが上がったものです。

リアルドラゴンクエスト。世界はディズニーランドだ

しかし実際のところ、中国経済発展の波にのって億万長者になったけれども、雨傘革命に巻き込まれて自由を失い悲惨な最期を迎えていたかもしれません。

そういうことはわからないのです。現状に満足しましょう。今を幸せと思いましょう。

ありえた苦労のことは考えず、ありえたかもしれない楽しいことばかり思い描いてもしかたがありません。

もしも人生が二度あれば……香港に行かなかった現実に感謝して、行った場合の可能性については「夢をふくらませて」楽しむだけにしておきましょう。

両親よ、ありがとう!

サハラ砂漠で大ジャンプする著者
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このブログ著者の小説『結婚』
小説『結婚』
愛とは何か? 結婚とは何か? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。恋人のアスカはツバサのもとを去っていきます。 「離れたくない。離れたくない。何もかもが消えて、叫びだけが残った。  離れたくない。その叫びだけが残った。  全身が叫びそのものになる。おれは叫びだ」 劇団の主宰者であるキリヤに呼び出されて、離婚話を聞かされます。不倫の子として父を知らずに育ったツバサは、キリヤの妻マリアの不倫の話しに、自分の生い立ちを重ねます。 「どんな喜びも苦難も、どんなに緻密に予測、計算しても思いもかけない事態へと流れていく。喜びも未知、苦しみも未知、でも冒険に向かう同行者がワクワクしてくれたら、おれも楽しく足どりも軽くなるけれど、未知なる苦難、苦境のことばかり思案して不安がり警戒されてしまったら、なんだかおれまでその冒険に向かうよろこびや楽しさを見失ってしまいそうになる……冒険でなければ博打といってもいい。愛は博打だ。人生も」 ツバサの母は心を病んで自殺してしまっていました。 「私にとって愛とは、一緒に歩んでいってほしいという欲があるかないか」 ツバサはミカコから思いを寄せられます。しかし「結婚が誰を幸せにしただろうか?」とツバサは感じています。 「不倫って感情を使いまわしができるから。こっちで足りないものをあっちで、あっちで満たされないものをこっちで補うというカラクリだから、判断が狂うんだよね。それが不倫マジックのタネあかし」 「愛する人とともに歩んでいくことでひろがっていく自分の中の可能性って、決してひとりでは辿りつけない境地だと思うの。守る人がいるうれしさ、守られている安心感、自信。妥協することの意味、共同生活のぶつかり合い、でも逆にそれを楽しもうという姿勢、つかず離れずに……それを一つ屋根の下で行う楽しさ。全く違う人間同士が一緒に人生を作っていく面白味。束縛し合わないで時間を共有したい……けれどこうしたことも相手が同じように思っていないと実現できない」 尊敬する作家、ミナトセイイチロウの影響を受けてツバサは劇団で上演する脚本を書きあげましたが、芝居は失敗してしまいました。 引退するキリヤから一人の友人を紹介されます。なんとその友人はミナトでした。 そこにアスカが妊娠したという情報が伝わってきました。 それは誰の子なのでしょうか? 真実は藪の中。証言が食い違います。誰かが嘘をついているはずです。認識しているツバサ自信が狂っていなければ、の話しですが……。 「妻のことが信頼できない。そうなったら『事実』は関係ないんだ」 そう言ったキリヤの言葉を思い出し、ツバサは真実は何かではなく、自分が何を信じるのか、を選びます。 アスカのお腹の中の子は、昔の自分だと感じていました。 死に際のミナトからツバサは病院に呼び出されます。そして途中までしか書いていない最後の原稿を託されます。ミナトの最後の小説を舞台上にアレンジしたものをツバサは上演します。客席にはミナトが、アスカが、ミカコが見てくれていました。 生きることへの恋を書き上げた舞台は成功し、ツバサはミナトセイイチロウの後を継ぐことを決意します。 そこにミカコから真相を告げる手紙が届いたのでした。 「私は、助言されたんだよ。その男性をあなたが絶対に逃したくなかったら、とにかくその男の言う通りにしなさいって。一切反論は許さない。とにかくあなたが「わかる」まで、その男の言う通りに動きなさいって。その男がいい男であればあるほどそうしなさいって。私は反論したんだ。『そんなことできない。そんなの女は男の奴隷じゃないか』って」
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このブログの著者の小説『片翼の翼』
小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
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小説『片翼の翼』
なぜ生きるのか? 何のために生きるのか? を追求した純文学小説です。 主人公ツバサは劇団の役者です。 「演技のメソッドとして、自分の過去の類似感情を呼び覚まして芝居に再現させるという方法がある。たとえば飼い犬が死んだときのことを思い出しながら、祖母が死んだときの芝居をしたりするのだ。自分が実生活で泣いたり怒ったりしたことを思いだして演技をする、そうすると迫真の演技となり観客の共感を得ることができる。ところが呼び覚ましたリアルな感情が濃密であればあるほど、心が当時の錯乱した思いに掻き乱されてしまう。その当時の感覚に今の現実がかき乱されてしまうことがあるのだ」 恋人のアスカと結婚式を挙げたのは、結婚式場のモデルのアルバイトとしてでした。しかし母の祐希とは違った結婚生活が自分には送れるのではないかという希望がツバサの胸に躍ります。 「ハッピーな人はもっと更にどんどんハッピーになっていってるというのに、どうして決断をしないんだろう。そんなにボンヤリできるほど人生は長くはないはずなのに。たくさん愛しあって、たくさん楽しんで、たくさんわかちあって、たくさん感動して、たくさん自分を謳歌して、たくさん自分を向上させなきゃならないのに。ハッピーな人達はそういうことを、同じ時間の中でどんどん積み重ねていっているのに、なんでわざわざ大切な時間を暗いもので覆うかな」 アスカに恋をしているのは確かでしたが、すべてを受け入れることができません。 かつてアスカは不倫の恋をしていて、その体験が今の自分をつくったと感じています。それに対してツバサの母は不倫の恋の果てに、みずから命を絶ってしまったのです。 「そのときは望んでいないことが起きて思うようにいかずとても悲しんでいても、大きな流れの中では、それはそうなるべきことがらであって、結果的にはよい方向への布石だったりすることがある。そのとき自分が必死にその結果に反するものを望んでも、事態に否決されて、どんどん大きな力に自分が流されているなあと感じるときがあるんだ」 ツバサは幼いころから愛読していたミナトセイイチロウの作品の影響で、独特のロマンの世界をもっていました。そのロマンのゆえに劇団の主宰者キリヤに認められ、芝居の脚本をまかされることになります。自分に人を感動させることができる何かがあるのか、ツバサは思い悩みます。 同時に友人のミカコと一緒に、インターネット・サイバーショップを立ち上げます。ブツを売るのではなくロマンを売るというコンセプトです。 「楽しい、うれしい、といった人間の明るい感情を掘り起こして、その「先」に到達させてあげるんだ。その到達を手伝う仕事なんだよ。やりがいのあることじゃないか」 惚れているけれど、受け入れられないアスカ。素直になれるけれど、惚れていないミカコ。三角関係にツバサはどう決着をつけるのでしょうか。 アスカは劇団をやめて、精神科医になろうと勉強をしていました。心療内科の手法をツバサとの関係にも持ち込んで、すべてのトラウマを話して、ちゃんと向き合ってくれと希望してきます。 自分の不倫は人生を決めた圧倒的な出来事だと認識しているのに、ツバサの母の不倫、自殺については、分類・整理して心療内科の一症例として片付けようとするアスカの態度にツバサは苛立ちます。つねに自分を無力と感じさせられるつきあいでした。 人と人との相性について、ツバサは考えつづけます。 ミナトから最後の作品の続きを書くように頼まれて、ツバサは地獄のような断崖絶壁の山に向かいます。 「舞台は変えよう。ミナトの小説からは魂だけを引き継ぎ、おれの故郷を舞台に独自の世界を描こう。自分の原風景を描いてみよう。目をそむけ続けてきた始まりの物語のことを。その原風景からしか、おれの本当の心の叫びは表現できない」 そこでミナトの作品がツバサの母と自分の故郷のことを書いていると悟り、自分のすべてを込めて作品を引きついて書き上げようとするのでした。 「おまえにその跡を引き継ぐ資格があるのか? 「ある」自分の中にその力があることをはっきりと感じていた。それはおれがあの人の息子だからだ。おれにはおれだけの何かを込めることができる。父の遺産のその上に」 ※※本作は小説『結婚』の前編、バックストーリーに相当するものです。両方お読みいただけますとさらに物語が深まる構成になっています。※※
片翼の翼: なぜ生きるのか? 何のために生きるのか?
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【この記事を書いている人】

アリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。
市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。
また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。
そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。
その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。
登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。

【この記事を書いている人】
瞑想ランニング(地球二周目)をしながら心に浮かんできたコラムをブログに書き綴っているランナー・ブロガーのアリクラハルトと申します。【トウガラシ実存主義】【遊民ユーミン主義】の提唱者。ランニング系・登山系の雑誌に記事を書いてきたプロのライターでもあります。早稲田大学卒業。日本脚本家連盟修了生。その筆力は…本コラムを最後までお読みいただければわかります。あなたの心をどれだけ揺さぶることができたか。それがわたしの実力です。 市民ランナーのグランドスラムの達成者(マラソン・サブスリー。100kmサブ10。富士登山競争登頂)。ちばアクアラインマラソン招待選手。ボストンマラソン正式選手。地方大会での入賞多数。海外マラソンも完走多数(ボストン、ニューヨークシティ、バンクーバー、ユングフラウ、ロトルアニュージーランド、ニューカレドニアヌメア、ホノルル)。地元走友会のリーダー。月間走行距離MAX600km。『市民ランナーという生き方(グランドスラム養成講座)』を展開しています。言葉の力で、あなたの走り方を劇的に変えてみせます。 また、現在、バーチャルランニング『地球一周走り旅』を展開中。ご近所を走りながら、走行距離だけは地球を一周しようという仮想ランニング企画です。 そしてロードバイク乗り。朝飯前でウサイン・ボルトよりも速く走れます。山ヤとしての実績は以下のとおり。スイス・ブライトホルン登頂。マレーシア・キナバル山登頂。台湾・玉山(ニイタカヤマ)登頂。南アルプス全山縦走。後立山連峰全山縦走。槍・穂・西穂縦走。富士登山競争完走。日本山岳耐久レース(ハセツネ)完走。などなど。『山と渓谷』ピープル・オブ・ザ・イヤー選出歴あり。 その後、山ヤのスタイルのまま海外バックパック放浪に旅立ちました。訪問国はモロッコ。エジプト。ヨルダン。トルコ。イギリス。フランス。スペイン。ポルトガル。イタリア。バチカン。ギリシア。スイス。アメリカ。メキシコ。カナダ。タイ。ベトナム。カンボジア。マレーシア。シンガポール。インドネシア。ニュージーランド。ネパール。インド。中国。台湾。韓国。そして日本の28ケ国。パリとニューカレドニア、ホノルルとラスベガスを別に数えていいなら訪問都市は100都市をこえています。(大西洋上をのぞいて)世界一周しています。国内では青春18きっぷ・車中泊で日本一周しています。 登山も、海外バックパック旅行も、車中泊も、すべてに共通するのは必要最低限の装備で生き抜こうという心構えだと思っています。バックパックひとつ。その放浪の魂を伝えていきます。千葉県在住。
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