ドラクエ的な人生

自転車で日本一周するならママチャリ(シティサイクル)を選ぶ

職場の人事異動によって往復30kmの僻地に飛ばされることになった私は通勤ロードバイク生活をはじめました。

しかし通勤の場合、雨の日もあります。ロードバイクというのは駆動系コンポーネントが剥き出しであることからもわかるように、雨の日には向いていません。

スリックタイヤも雨に滑りますし、雨の日はパンクしやすくなります。

結局、わたしは自転車二台体制で春夏秋冬の通勤バイク生活を乗り切りました。

晴れの日はロードバイク。雨の日はママチャリです。

わたしはロードバイク乗りですが、もしも一台だけしか自転車を所有できないとしたら、パンクしないタイプのママチャリを選ぶと思います。

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このブログの作者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』のご紹介
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードをガチンコで競うようになるところまでを描いた自転車エッセイ集です。

※書籍の内容

●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル

●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方

●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?

●ロードバイクは屋外で保管できるのか?

●ロードバイクに名前をつける。

●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?

●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法

●ロードバイク乗りが、クロストレーニングとしてマラソンを取り入れることのメリット・デメリット

●ロードバイクとマラソンの両立は可能か? サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?

●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由

初心者から上級者まで広く対象とした内容になっています。

Bitly

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東日本大震災でママチャリを買って帰宅した賢者たち

ママチャリといって思いだすのは、東日本大震災の時のニュースです。

大地震によって電車交通がマヒした東京都内。サラリーマンたちの中には会社に泊まったり、役所が用意した場所に仮眠して朝まで過ごす人たちが大勢いました。

もちろんタクシーで帰る人もたくさんいました。しかしタクシー乗り場は大渋滞でした。これではいつ自分の番が回ってくるか、わかったものじゃありません。

わたしだったら即、家に帰るのを諦めて、漫画喫茶のシートを確保します。マックや居酒屋で夜明かしするのも一泊ぐらいだったら経験してもいいかもしれません。スーパー銭湯のようなところで朝まで過ごすのも大好きです。

当時、私は独身だったので、別に積極的に家に帰らなくてもよかったのです。

隅で寝る

公共スペースでの雑魚寝だって山小屋で慣れていますからなんてことありません。一泊ぐらいなら何なら寝なくたって何とかなるでしょう。

しかし、世の中には何が何でも帰らなければならないという人たちがいます。家族が心配、自宅が心配という人たちです。

そんな中、ニュースで知ったのですが、自転車を買って帰ったという人たちがいたのです。ホームセンターなどの自転車が売り切れになったそうです。いや世の中には賢い人がいるもんだと思いました。

わたしにはそういう発想はありませんでした。自転車というのは10年ぐらいは乗りつづける高価な乗り物で、使い捨て感覚ではなかったからです。

しかしよく考えてみれば、1台2万円ぐらいで買えてしまいます。都内から自宅までタクシーで帰るよりもぜんぜん安いかもしれません。

おまけに大震災当日は車は大渋滞でした。自転車ならタクシーよりも早く家に帰れたかもしれないのです。

距離も20kmぐらいならば、たいしたことはありません。道さえ間違わなければ家に帰れます。

通勤自転車できついのは来る日も来る日もバイク通勤が続くことであって、単発ならばなんてことはないのです。

東日本大震災のあの日、自転車さえあれば家に帰れてしまえたのです。「会社帰りにちょっとママチャリを買って帰る」という柔軟な発想さえあれば。

自転車を買うなんて賢者だなあと、自分にない発想をした人たちに驚いたことをおぼえています。

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ママチャリ・ダンシング最強伝説

ママチャリとは頂点の自転車のこと

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中国の通勤風景。人民服・人民自転車の人たちは、今はもうどこにもいない

もうひとつ、ママチャリといって思い出すのは、中学時代の社会の授業で見た「中国の通勤風景」という写真です。

みわたす限りの人の波。みんなが人民服を着て、みんな同じモノクロの自転車で、ものすごい数の中国人たちが同じ方向に通勤していました。

現在ベトナムでバイクで同じような景色が見られますが、その中国・自転車バージョンでした。

ゲームの『ストリートファイター2』の春麗・チュンリー中国ステージで、背景にやたらと自転車が行ったり来たりするのは、ゲームデザイナーがわたしと同世代で、あの「中国の通勤風景」という写真にわたしと同じようなすごい衝撃を受けたからだと思います。

「この人たちが日本のようにみんな車に乗りだしたら大公害になるぞ」

そう思ったのを覚えています。実際に今、そういう時代になっています。PM2.5などの問題が発生していますよね。わたしの予想通りです。

しかし予想外だったのは自転車のほうです。あのモノクロの人民自転車は姿を消して、スマホで借りる乗り捨てレンタサイクルが大都市では主流となっています。

街角でゴミのようにレンタサイクルが放置されています。どこからでも乗って、どこにでも乗り捨てられるようになっています。

なんどか中国を旅していますが、人民服も、人民自転車も、もはや絶滅しています。

今や中国はベンチャー企業が世界一立ち上がる国だそうです。いやどうも。こんな時代が来るとは予想もしませんでした。

私たちの時代にはこんなブラックジョークがありました。

「日本が中国から輸入しているものの第一位は?」「中国残留孤児

く、黒~~。なんてブラックなジョークなんだ。

その中国がGDPでは日本の3倍ほど。こんな国にODA支援する必要があったのでしょうか? カネ返せ!!

しかしよく考えてみれば有史以来、中国の方が常に日本よりも進んだ国だったのです。やっと本来のポジションに戻っただけなのかもしれません。どうせなら第二次世界大戦を黄色人種を代表して戦ってほしかったと思いますが……。

おっと、話しがそれました。自転車のことですよね。中国ではペダルの付いた電気スクーターが流行しています。

こういうやつです。スクーターだけど、ペダルで漕ぐこともできるという。

わたしもこのタイプの自転車を買いたいと思いましたが、このタイプは日本の公道で走ると違反だそうです。

日本!! しっかり!! 規制撤廃してくださいよ。

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自転車で日本一周するならママチャリを選ぶ

先日、千葉の海で日本一周中の若者に出会いました。クロスバイクでした。

日本一周、わたしならばママチャリで行きたいですね。ロードバイクは選ばないと思います。

「YOUは何しに日本へ」というテレビ番組では、日本語を学びながら自転車で日本を一周するというドイツ人をカメラが追いかけていました。

自転車もテント泊も初心者という無茶な男でした。でもその無鉄砲なガッツで、白人は世界を開拓してきたのです。白人はスゴイ

そのドイツ人はクロスバイクの固いサドルで尿道炎になってしまい旅が中断していました。尿道炎を防ぐためには、穴あきサドルというものもあります。

 

もしもママチャリだったならば柔らかく大きなサドルなので、まず尿道炎の問題はありません。

わたし自身、山岳用テントを携行して、三泊四日程度の自転車旅に出たことがあります。もちろんパンクしないママチャリで行きました。

そのとき一切、ロードバイクで出ることは考えませんでした。よくロードバイクで日本一周なんてできるなあと思います。何回パンク修理することになるか、考えただけでウンザリします。

超長旅の場合、どうせスピードなんて出さないのだから、ノーパンクタイヤのママチャリの方がいいと思います。

平均的な自転車の速度は時速16.1kmだそうです。ロードバイクだとペダル回してないぐらいのスピードですけれど、その遅さが旅情をそそるのではないでしょうか。

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ママチャリは安心、快適

ママチャリには標準装備で前かごがあります。また荷台に荷物を括りつけることもできます。

いつもは背中に背負っているザックも前かごに入れれば快適です。

タイヤの泥除けや、ハブダイナモや、スカートの巻き込み防止(ドレスカード・ドレスカバー)など、最強の頑丈さと、叡智の結晶なのがママチャリです。

クルマなんかなくてもママチャリさえあれば、なんとか生きていけるのではないか。わたしはいつもそう夢想するのです。

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自転車は道路交通法上は「軽車両」として扱われ、車道を走るのが基本

実は自転車は道路交通法上は「軽車両」として扱われ、車道を走るのが基本だって知っていますか?

ママチャリ乗りは歩道通行が基本と思っている人もいるかもしれませんが、実は例外です。

ロードバイクに乗るとわかります。オートバイで歩道を走るのが無理なように、ロードバイクで歩道なんて走れません。しかしこのことがロードバイクの大欠点でもあります。

あぶないんですよ、車道。日本の道が狭いのが元凶ですが、命の危険を感じることがあります。

せっかく歩道があるのにそこは走れない。しかし車道は狭い。ロードバイクはオートバイと違ってすべての車に抜き去れる運命にあります。トラックなんかに追い越されるときには死ぬ思いをすることになります。

正直、怖くてロードバイクでは走れないような道が、たくさんあります。そういうときロードバイク乗りは歩道を走っているママチャリをうらやましく思うときがあるのです。

ちなみに自転車が例外的に歩道を走っていい場合というのは、

※自転車通行可の標識があるとき

※交通量が多いとき

※道幅が狭い等安全確保のため必要な場合などやむをえないとき

が該当するそうです。

実際のところ、道路に自転車通行帯がマーキングされている場合などを別にすれば「道幅が狭い等安全確保のため必要な場合などやむをえないとき」にほぼ該当するのではないかと思います。

わたしはロードバイクで歩道を走ったことはありませんが、ママチャリで歩道通行を気にしたことはありません。

よほど人混みの歩道でないかぎり、ママチャリで歩道を走って警察に捕まることはないと思います。

私の通勤経路には警察がありました。毎日のように歩道をママチャリで走っていましたが、一度も注意されたことはありません。

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雨の日の通勤バイクにママチャリを選んだ理由

さて、このようなママチャリですが、わたしが雨の日の通勤バイクにママチャリを選んだのには理由があります。

ロードバイクが雨に弱いマシンだということの他に、

①どうせ雨の日はスピードを出せないので、ママチャリでもたいして通勤時間が変わらないこと。

②河川敷の自転車歩行者専用道路を通るよりも、市街地のショートカットルートを発見したこと。

などがありました。

とくに②の発見は大きかったです。マイナーな車さえ通らないような狭い道を、ときには歩道を走りながら、たくさんの交差点を曲がって、雨の日は勤務地までママチャリで通っていました。

晴れた日は真っすぐの河川敷の自転車道をスピードを出して通いました。

多少距離が長くなっても、信号もありませんし、曲がり角でスピードが落ちることもないので、このルートの方が速く職場に着くことができたからです。

通勤バイクにクロスバイクという中途半端な自転車を一台持ちにする人もいますが、短い距離なら別ですが、往復30km以上あるような遠距離通勤の場合は、いっそロードバイクとママチャリという極端な自転車の二台持ちにして天候によって乗り分けた方が、通勤バイク生活を攻略できると思います。

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