どうもハルトです。みなさん今日も楽しく走っていますか?
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このブログの作者の書籍『通勤自転車から始めるロードバイク生活』のご紹介
この本は勤務先の転勤命令によってロードバイク通勤をすることになった筆者が、趣味のロードバイク乗りとなり、やがてホビーレーサーとして仲間たちとスピードをガチンコで競うようになるところまでを描いた自転車エッセイ集です。
※書籍の内容
●スピードこそロードバイクのレーゾンデートル
●軽いギアをクルクル回すという理論のウソ。体重ライディング理論。体重ペダリングのやり方
●アマチュアのロードバイク乗りの最高速度ってどれくらい?
●ロードバイクは屋外で保管できるのか?
●ロードバイクに名前をつける。
●アパートでローラー台トレーニングすることは可能か?
●ロードバイククラブの入り方。嫌われない新入部員の作法
●ロードバイク乗りが、クロストレーニングとしてマラソンを取り入れることのメリット・デメリット
●ロードバイクとマラソンの両立は可能か? サブスリーランナーはロードバイクに乗っても速いのか?
●スピードスケートの選手がロードバイクをトレーニングに取り入れる理由
初心者から上級者まで広く対象とした内容になっています。
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自転車のダンシングとは何だ? いわゆる「立ち漕ぎ」
ダンシングという自転車のテクニックがあります。いわゆる「たち漕ぎ」です。
ロードレーサーがゴール前スプリントのときによくやっている、サドルから尻を上げて、車体を左右に振りながら前に進む、競技自転車特有のテクニックです。
みなさん、自転車はペダルを漕がないと前に進まないと思ってはいませんか? 実はそうではありません。
ペダルを回さなくても、ハンドルを左右に振って車体を揺らせば自転車はクネクネと前に進んでいきます。ちょうどヘビが進むように蛇行すればペダルを踏まなくても前に進むことができます。
ペダルに比べれば大した推進力ではありませんが、一秒でも、一瞬でも、一センチでも、ライバルよりも鼻先だけでも先にゴールラインに突っ込もうという覚悟で走るのならば、この蛇行運転を使わない手はありません。
だからゴール前では、ロードレーサーはガンガンに車体を振ります。サカナが身をよじりながら海を進むように、自転車も体をよじって全身の力で前へと進むのです。
スピードを出すための最終形態だといってもいいでしょう。このたち漕ぎ+車体をよじるテクニックのことを「ダンシング」と言ったりします。
ママチャリ・ダンシング
ところでこのダンシングですが、ロードバイクでやるのはすこし技術が必要です。フレームのトップチューブがほぼ地面と水平の高い位置にあるために、車体をよじると内股に引っかかってしまうのです。
だからトップチューブが内股にぶつからないように、ロードバイクをよじらなければならないのですが、ある程度の技術が必要となってきます。
ところがママチャリだと簡単にダンシングができます。またぎやすいようにトップチューブが低い位置にある(トップチューブがない場合もあります)ので、内股にぶつかる心配はありません。車体はよじり放題です。
ママチャリのこのフレームをオープンフレームとかローステップフレームとか呼びます。
ロードバイクのフレームは「三角形がふたつあること」とルールで決まっているので「トップチューブが低いフレームはありません」。現在の技術ならオープンフレームでも強度は保てるのですが、禁止されているのは、過去、弱小メーカーを潰さないように規格化したからだそうです。溶接するのに難しいカタチではないということでしょう。
また普通ばきの靴を履いているので、足首の自由度があることも、ダンシングには有利に働きます。
ロードバイクのビンディングシューズは足首を固定しているので自由度が低いためにダンシングには更なる「慣れ」が必要になってきます。
たち漕ぎは軽いギアではできません。スカッと踏み抜けるペダルの軽さでは、せっかく立ち上がって体重を利用しているダンシングには拍子抜けです。わざわざ立ちあがった甲斐がありません。重たいギアでこそ立ち上がった甲斐があるというものです。体重をかけて重たいペダルを踏み込む。重たいギアを渾身の力で踏み込みながら、車体をよじって進むのです。
私ハルトが著書『サブスリー養成講座』において、マラソンを速く走るためにはピッチ走法よりもストライド走法と推奨しているように、自転車でも私は重ギアブンブン丸ペダリングをお勧めしています。あくまでも速く走るために、という前提ですが。
また本当の意味でのロングライドレースをする場合、筋肉にダメージを残さないためにも、軽いギアをすばやく回した方がいい場合があります。
これはランニングに例えていえばピッチ走法を採用するようなものです。
足を高く上げないでダメージ減を目指す「ひたひた忍者走法」のようなものです。
しかしホビーレーサーが週末、仲間と走るぐらいのウィークエンド・ディスタンスの場合は、本当の意味でのロングライドにはなりません。
ホビーレーサーの場合は、競輪選手のような短距離爆発スパート型の選手が「強い選手」と評価されることでしょう。この場合は、重たいギアをパワーで漕ぐ選択をしたほうが仲間うちで「いい思い」ができるでしょう。
自転車のエンジンは人間だ。
およそママと名の付くものは最強です。ママと名前がつくものにはかないません。
あ、ちなみにこの項の執筆者はイタリア人です。あしからず。ママン。
ママチャリは遅いというのは、錯覚です。あなたの足が遅いのです。
自転車乗りは、どうしてもマシンの性能を競いたがります。その気持ちはよくわかります。かくいう私もディープリムホイールを履いたロードバイクに乗っていますから。
しかし実際のところ、オートバイじゃないんですから、「自転車のエンジンは人間だ」ということをこの際はっきりと認識すべきではないでしょうか。
私は総額18万円ぐらいのロードバイクに乗っていますが、ホリエモンがトライアスロンで乗っている100万円超のバイクをぶち抜く自信があります。乗っている人がホリエモンならば。
逆にクリストファー・フルームやペテル・サガンが乗ってるママチャリには、まず負けるでしょう。
そんなに機材で決まりませんよ。ガンダムのモビルスーツじゃないんですから。乗っている人間が、スピードを決めるのです。
自転車の性能の差が戦力の決定的な差でないことを……教えてやる
「自転車の性能の差が戦力の決定的な差でないことを教えてやる」
そのぐらいの気持ちと気合で乗れば、ママチャリだって車と並走できます。信号の多い市街地ならば「車よりも自転車の方が早いよ」というのは嘘ではありません。
すべての力の爆発力でママチャリを漕げば、車と並走できます。いや、クルマを追い抜けます。
「車より自転車の方が早いよ」市街地ならば、その言葉が嘘じゃなくなるのです。
頂点の自転車ママチャリで、車よりも速く走ろうとするならば、この必殺ママチャリ・ダンシングは欠かせません。
もしもクロスバイクやマウンテンバイクが前方にいたら、頂点の自転車ママチャリの真の力を見せつけてやりましょう。
マウンテンバイクやクロスバイクぐらいならば軽く抜けます。ママン・バイクの本当の力を見せてやりましょう。
ママチャリ・ダンシング最強伝説をつくるのは「あなた」です。