世の中にはいろいろな人がおりまして、たくさんのランナーがいます。
それぞれのランナーが、自分の描く理想のランニングを人に伝えようと、様々な表現を用いるわけですが、その中でも忘れられない表現があったので、お伝えしようと思います。
わたしはものごとを表現するのは芸術家の領域、ひとつの才能だと思っています。それを絵や音楽で表現する人もいますが、言語化するというのも一つの才能だと思います。
いい例がカリスマアーティストの歌詞です。彼らがカリスマ歌手なのは、多くの人が言葉にできない「何か」(時代のようなもの)を、聴衆を代弁するかたちで表現してくれるからでしょう。
『(ランニングの)接地は飛行機のランディングをイメージしていた』
こういうことをイメージできる人は、間違いなく才能ある人だと思います。
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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
●腹圧をかける走法。呼吸の限界がスピードの限界。背の低い、太った人のように走る。
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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どんなレースに出ても自分よりも速くて強いランナーがいます。それが市民ランナーの現実です。勝てないのになお走るのはなぜでしょうか? どうせいつか死んでしまうからといって、今すぐに生きることを諦めるわけにはいきません。未完成で勝負して、未完成で引退して、未完成のまま死んでいくのが人生ではありませんか? あなたはどうして走るのですか?
星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。
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※※※YouTube動画はじめました※※※
書籍『市民ランナーという走り方(マラソンサブスリー・グランドスラム養成講座)』の内容をYouTubeにて公開しています。言葉のイメージ喚起力でランニングフォームを最適化して、同じ練習量でも速く走れるようになるランニング新メソッドについて解説しています。
『マラソンの走り方・サブスリー養成講座』
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『飛行機のランディング着地』は『動的バランス走法』
『(ランニングの)接地は飛行機のランディングをイメージしていた』
この発言をしたのはマラソンランナーではありません。
山崎一彦さんという方です。400mハードルのオリンピッククラスの選手だったそうです。
この着陸イメージはわたしの発想としてなく、ちょっとした衝撃を受けました。
飛行機の着陸(ランディング)というのを、みなさん経験したことがありますか? ほとんどの人は経験したことがあると思います。
放浪の旅人として飛行機には乗りまくっている私ですが、飛行機の離陸(テイクオフ)ほど好きな瞬間は他にありません。ジェットの轟音とともに、どんなスーパーカーでも及ばないスピードまで加速した飛行機は、ものすごい力で離陸します。体重の軽い鳥がフワッと宙に浮くようなイメージではありません。ものすごいエネルギーで、重力の鎖を引きちぎるようにしてパワーで空へと飛び立ちます。
『パワーなしに、空を飛ぶことなどできない』ということを飛行機の離陸は教えてくれます。
それに対して着陸というのは、まずガツンと強い衝撃が来ます。
まずタイヤが接地して、ショックアブソーバーが衝撃を吸収、その後、ものすごいスピードで先行する機体を必死にタイヤが追いすがるようにして徐々にスピードを落としていきます。
『(ランニングの)接地は飛行機のランディングをイメージしていた』
ここでいう機体とは上半身のこと。タイヤがシューズ(下腿)のことでしょう。つまり、まずシューズ(タイヤ)が接地するのですが、その後、ものすごいスピードで先行する上半身を必死にシューズが追いすがる、ということでしょう。
表現は違えど、求める境地は似ている
さて、実験です。外を走って試してみましょう。『飛行機のランディング着地』を我々長距離ランナーもやってみようじゃありませんか(※400m、ハードル選手は基本的に短距離ランナーだということを忘れてはいけません)。
走りながら、徐々にスピードを上げていきます。上半身を宙にフワッと浮かせて、上半身を先行させます。
飛行機がランディングするときのように、タイヤ(下腿・靴)は上半身を後ろから必死に追いかけるようにします。
速い、速い。すばらしく速く走れます。逆に、速く走らずしてこのフォームは維持できません。
動的バランスが成立してはじめて成立するフォームです。
同じくハードルの選手で、クレバーな陸上選手としてわたしが尊敬する為末大選手も『走るとは、前にコケそうになるのをこらえる感じ』というような発言をされているのを聞いたことがあります。
わたしの著書『市民ランナーという走り方(グランドスラム養成講座)』で「動的バランス走法」と表現しているものと、表現は違えど、求める境地は同じものでしょう。
スピード練習しなければ、スピードにふさわしいフォームは身につかない。動的バランス走法
顎は引くべきか? 二次的要請に惑わされるな
ちなみにコケそうになるほど前に押し出されるのは上半身と思っていませんか?
違います。
前に押し倒されるのは、頭でしょうか、胸でしょうか?
ぐっと前に倒れるのは腰(腹)です。
そのバランスをとるために顎が上がってしまうこともあります。思いきり腕を引いたりもします。
頭の位置や腕振りなどは、それ自体に意味がある一時的要請というよりは、前傾姿勢の骨盤を維持するためにバランスをとる必要からの二次的要請の方が強いのです。
陸上のプロコーチは顎を引けといいますが、田中宏暁教授などは「顎は引くな」といっています。どっちが正しいのでしょうか?
わたしにいわせれば顎の位置なんかは二次的要請で、骨盤の前傾を維持するためのバランサーにすぎないのだから、一時的要請の骨盤の動的バランスを維持することに集中すべきだってことになります。骨盤から前に倒れる動的バランスが維持できていれば、顎はあがっていても引いていてもどっちでも構わないのです。そこが重要なんじゃありません。
動的バランス走法は、骨盤(腹)から前に倒れそうになるのをギリギリまでこらえると、反射的に足が前に出てしまうことを利用する走法です。
この走法はあまり自分の筋肉を推進力として使っていないのがおわかりでしょうか。前から重力に引いてもらっているような感じです。倒れこむのを着地筋で支えているだけ、という感じの走法なのです。
自分の力(筋肉)を使っていないかのような軽い走りが理想
この「動的バランス走法」は、あまり自分の筋肉を推進力として使っていないのがおわかりでしょうか。突っ込む上半身を下半身が下支えしながら追っかけていくようは走り方ですから、自力で前に進むというよりは、重力に前に引いてもらっているような感じがします。
わたしは『市民ランナーという走り方(グランドスラム(サブスリー)養成講座)』の中で、まっさきに「やってはいけないフォーム=スクワット走法」という走り方を紹介しました。
どうしてスクワット走法がいけないのかというと、筋肉は負荷をかけるほど意識できる存在だから、自分の筋肉を意識できるようなフォームは「間違ったフォーム」になってしまう可能性が高いという理由からでした。
追い求める理想形よりも、やってはいけないフォームを先に紹介したのは、その方が理想の形が見えてきやすいと判断したからです。
逆に言えば、理想のフォームとは「筋肉に負荷などかかっていないかのような走り」「自分の筋力をつかっていないかのような走り」ということになります。
この「前に進んでいないと保てないフォーム」動的バランス走法は、上手にバランスがとれれば、自分のパワーを使っていないかのように、楽に、軽く走ることができます。
だからこのフォームのことを、多くの人たちが伝えようとしているのです。
究極の表現とは『あなた』自身が見つけるもの。
この講座を読んでサブスリーを達成したいシリアスランナーの『あなた』が、どの表現がピッタリくるか、感じて、走りながらイメージしてみてください。
動的バランス走法、飛行機のランディング走法、おっとっと走法、倒れる一本の棒走法……人によって表現はいろいろですが、求めているフォームは同じものでしょう。
あなたの心にビビッと響く表現はどれですか?
表現は違っても目指している境地は同じですから、「あなた」は、それらの表現の中から、もっとも自分がビビッと感じた「イメージを伝える言葉」を自分の胸に抱いて練習すればいいのです。
あなたの経験に裏打ちされた、あなたの表現ほど、あなたにとってふさわしい言葉は他にありません。それが「自分の言葉」です。走りながら、他人の表現ではなく、ぜひ「自分の言葉」を探してみてください。
私は言葉で「境地」を表現しました。しかし「境地」をあなたが再現するときに同じ言葉を使う必要はありません。その「境地」を表現する「自分の言葉」を探してください。
それがトレーニングというものです。あなたのトレーニングは「自分の言葉」を手に入れてようやく完結するのです。その言葉があなたが生きた証になるのです。
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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
●腹圧をかける走法。呼吸の限界がスピードの限界。背の低い、太った人のように走る。
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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どんなレースに出ても自分よりも速くて強いランナーがいます。それが市民ランナーの現実です。勝てないのになお走るのはなぜでしょうか? どうせいつか死んでしまうからといって、今すぐに生きることを諦めるわけにはいきません。未完成で勝負して、未完成で引退して、未完成のまま死んでいくのが人生ではありませんか? あなたはどうして走るのですか?
星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。
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