心配ごと、悩みの種があると、小説がぜんぜん頭に入ってこない
暇だった頃、夢中になって文学を読んでいました。しかし今、ちょっとした事件が身辺に起こって、忙しくしています。心配ごと、悩みの種ができた、という意味です。
すると暇だったころには、あれほど夢中に読んでいた小説が、ぜんぜん頭に入ってきません。作品世界に没頭できないのです。読んでいてもいつのまにか頭の中では自分の悩み事のことを考えています。目は字面を追っているのですが、頭に入ってこないのです。
最近では文学系のYouTubeチャンネルなんかをやっていたりするのですが、仕事が忙しかったり、自分の生活に懸案事項があるときには、わたしにとって文学は、頭に入ってこないものなんだなあ、と思い知りました。
読書がストレス解消法になるって本当か?
よく「読書はストレス解消にいい」というんですよ。「ストレス解消法」とグーグル検索してみてください。ストレス解消に「読書」を勧めている人が必ずいるはずです。物語を追いかけることで悩み事を忘れることができるから、というのがその理由なのですが、それって本当かな?
すくなくとも私の場合は無理でした。悩み事のあるときにはストーリーがぜんぜん頭に入ってきません。
悩み事があるときには、読書など別のことをして逃避行動に走るよりも、むしろ真っ向から取り組んだ方が、私の場合にはストレス解消となります。
わたしにとって文学、小説とは、暇になってはじめて没入できるもの、なのでした。
ストレスがあるからこそ走れる。ストレスがなくなったら走らなくなってしまう
私はランニングが趣味です。ランニングの著作ももっています。このランニングですが、「仕事」「悩みごと」がなかったら、もっとたくさん走ることができるのに、と思ったことが何度もあります。
でも先輩ランナーなどの姿を見ていると、そうではないのだとわかります。実際には「仕事」「悩みごと」「懸案事項」がなくなったら、逆に練習量は減るのだと思っています。
走ることは悩みごとに追いつかれないように、そこから逃げ去るように走っているからです。読書に期待されるストレス解消と同じ効果が私にとってランニングにはあるのでした。ストレスがあるからこそ走れるのであって、ストレスがなくなったら走るのをやめてしまうかもしれません。
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※雑誌『ランナーズ』の元ライターである本ブログの筆者の書籍『市民ランナーという走り方』(サブスリー・グランドスラム養成講座)。Amazon電子書籍版、ペーパーバック版(紙書籍)発売中。
「コーチのひとことで私のランニングは劇的に進化しました」エリートランナーがこう言っているのを聞くことがあります。市民ランナーはこのような奇跡を体験することはできないのでしょうか?
いいえ。できます。そのために書かれた本が本書『市民ランナーという走り方』。ランニングフォームをつくるための脳内イメージワードによって速く走れるようになるという新メソッドを本書では提唱しています。「言葉の力によって速くなる」という本書の新理論によって、あなたのランニングを進化させ、現状を打破し、自己ベスト更新、そして市民ランナーの三冠・グランドスラム(マラソン・サブスリー。100km・サブテン。富士登山競争のサミッター)を達成するのをサポートします。
●言葉の力で速くなる「動的バランス走法」「ヘルメスの靴」「アトムのジェット走法」「かかと落としを効果的に決める走法」
●絶対にやってはいけない「スクワット走法」とはどんなフォーム?
●ピッチ走法よりもストライド走法! ハサミは両方に開かれる走法。
●スピードで遊ぶ。スピードを楽しむ。オオカミランニングのすすめ。
●腹圧をかける走法。呼吸の限界がスピードの限界。背の低い、太った人のように走る。
●マラソンの極意「複数のフォームを使い回せ」とは?
●究極の走り方「あなたの走り方は、あなたの肉体に聞け」
本書を読めば、言葉のもつイメージ喚起力で、フォームが効率化・最適化されて、同じトレーニング量でも速く走ることができるようになります。
あなたはどうして走るのですか? あなたよりも速く走る人はいくらでもいるというのに。市民ランナーがなぜ走るのか、本書では一つの答えを提示しています。
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どんなレースに出ても自分よりも速くて強いランナーがいます。それが市民ランナーの現実です。勝てないのになお走るのはなぜでしょうか? どうせいつか死んでしまうからといって、今すぐに生きることを諦めるわけにはいきません。未完成で勝負して、未完成で引退して、未完成のまま死んでいくのが人生ではありませんか? あなたはどうして走るのですか?
星月夜を舞台に、宇宙を翔けるように、街灯に輝く夜の街を駆け抜けましょう。あなたが走れば、夜の街はイルミネーションを灯したように輝くのです。そして生きるよろこびに満ち溢れたあなたの走りを見て、自分もそんな風に生きたいと、あなたから勇気をもらって、どこかの誰かがあなたの足跡を追いかけて走り出すのです。歓喜を魔法のようにまき散らしながら、この世界を走りましょう。それが市民ランナーという走り方です。
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自分が恋愛中に、恋愛小説なんて読めますか?
だってそうでしょう?
自分が恋愛中に、恋愛小説なんて読めます? 本を読むことなんかよりも、もっと熱中できることが目の前にあるでしょうに。
自分が恋愛の悩みを抱えているときに、別のシチュエーションの恋の悩みなんて聞きたいですか? 同じ状況ならまだ読む気になるかもしれませんが……。
仕事が忙しかったり、自分の生活に懸案事項があるときには、わたしにとって文学は、頭に入ってこないものなんだなあ。これがわたしにとっての文学です。文学なんてその程度のものなのです。
この世界の謎を解き明かしてくれたりとか、すべての悩みを消し去ってくれる悟りの境地を教えてくれるとか、そういう幻想を抱きがちですが、そういうものはないのです。
あなたにとっての文学、小説とはどんなものですか?