リゾートバイトとは何か? 山岳リゾートでのホテルバイト
職場の同僚(女性)が五十歳で早期退職するそうである。退職してどうするのか聞いたら、上高地の山岳リゾートで住み込みのバイトをするのだそうだ。
いや、なんてうらやましい。それ、おれがやりたい。
そう思った。上高地だから山小屋というよりはホテルである。ちゃんとお風呂もある。下界と変わらない暮らしができるだろう。
いや、ずいぶんと思い切った人生を選んだものである。上高地でのリゾートバイト……どんな仕事をするんだろう。きっと食事の準備をしたり配膳したりお皿を洗ったり、布団を干したり、掃除をしたり、受付をしたりグッズの販売をしたりするんだろうな。
標高3000mの山小屋と違って、上高地のホテルなら、市街地のホテルと変わらない暮らしができるだろう。仕事の休憩には、職場(ホテル)をちょっと出れば梓川、河童橋である。穂高の絶景をいやというほど眺められるだろう。日本全国から登山者(彼女自身も登山好き)がひっきりになしに訪れるだろうから、その人たちとの会話も楽しいだろう。もちろん休日には槍ヶ岳、穂高など何度だって登れる。交通費はゼロだ。
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もちろん、そういうことができるのは「お金に困っていないから」である。子供も成人し、ずっと夫婦共働きだったから、貯金もじゅうぶんにある。お金に困っていないから、自分のおもしろそうなことを仕事にできるのだ。
いや、いいね。うらやましいね。
投資の儲けが本業を超えた場合、「ご職業は?」と聞かれたら「投資家」だと答えるべきか
どこに住むかは、ロケーション、ロケーション、ロケーション
結局、どこに住むかというのは、ロケーション、ロケーション、ロケーションなのである。敷地面積とか、新築だとか築何年の家とか、そういうことはどうでもいい。ロケーションが悪ければ、どれだけすばらしい家に住もうとも魅力的とは言えない。
その点、観光ホテルというのは、限りなく最高のロケーションに位置しているわけで、そこで住み込みバイトをするというのは、とても魅力的な選択だと思う。
もちろん従業員として行くよりも、お客さまとして行く方がずっといい。
しかし彼女の場合、カネに困っているわけではないので、辞めたくなったらいつでも辞められる。いつ首を切られるかわからないアルバイトには、いつ辞めてもいい自由があるはずだ。
上高地でのホテルバイトは秋まで限定である。冬は雪で閉鎖されるからだ。冬はどうするのかと聞いたら「大阪万博でバイトがしたい」と言い出しやがった。
いや、なんてうらやましい。それ、おれがやりたい。
家は関東にあるのだから、大阪万博でバイトするというのは、大阪に住んで楽しむこととセットになっているのだろう。
ワーケーション。リモートスタンダード制度
近頃はテレワークとか、リゾートワークとか、ワーケーションという言葉もある。
ワーケーションというのは、ワークとバケーションを掛け合わせた造語です。リゾート地に住んで、リモートワークで仕事をするという新しい生き方です。友人のNTTdocomo社員なんて「リモートスタンダード制度」というのがあるらしく、基本的に出社不要ならしい。なんてうらやましい。おれだったら沖縄とか伊豆とかで仕事するね。
私の知り合いにお金に困っていて正業の他にアルバイトをしようと考えている人がいるのだが、清掃業を考えているらしい。清掃業って……マンガ喫茶とか、お風呂屋さんとか、パン屋さんとか、もっとリゾートバイトに近い楽しそうな仕事を選べばいいのに。清掃業は自給がいいから、というのが選んだ理由らしいが、飲食店に勤めれば賄いで食事代が浮くのだから、その分、給料が高いのと同じことじゃない?
もっと楽しい生き方を選べばいいのに、と思う。リゾートバイトのように「楽しそう」と思う仕事を選ぶ人がいる反面、清掃業のように「え、マジ?」と思うような仕事を選ぶ人がいる。仕事もいろいろだよなあ、と思う。
どんなバイトをするにせよ、お金があると選択肢がひろがるよね。自分が楽しいと思える仕事だけを選べばいいのだから。スイーツが好きならケーキ屋さんでバイトすればいいのだから。
おれだったらペットショップでバイトしてみたいな。子犬にじゃれつかれて、なんか楽しそうじゃない?