登山用アタックテントに二人で眠れるか、実験してみた
登山用アタックテントで二人眠れるのか? 日帰り圏内の公園で野宿して実験してみた映像がこちらです。
山岳救助を描いた漫画『岳』を読んで、嫁が急に北アルプスの涸沢テント村に行ってみたいと言い出しました。
主人公の島崎三歩が、北アでテント暮らしをしているシーンがたくさん出てきます。それに影響されちゃったんですね。
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登山用アタックテント「ライペン・トレックライズ1(1~2人用)」二人使用実験
所有しているテントは「ライペン・トレックライズ1(1~2人用)」。ガチ登山のアタックにも使える(冬以外)山岳用テントです。キャンプ場でよく見かけるオートキャンプ用の大きなテントではありません。
いちおう二人まで使えるという仕様になっています。しかしこれまで二人で使用したことはありません。本当にふたりで眠れるのでしょうか?
北アの涸沢まで行って失敗しました、では目も当てられないので、近くの公園で試してみることにしました。
ブランケットとヨガマット。普段づかいの手持ち道具で野宿に挑戦
そもそも寝袋もマットも私一人分しか持っていません。それなので今回は人生初テントの妻に寝袋とマットを貸して、私は手持ちの装備で野宿に挑戦しました。
寝袋のかわりに車載のブランケットやひざ掛けを体に巻き付けました。マットがわりにヨガマットを使用しました。すべて普段づかいのアイテムを使いました。これも実験です。
1~2人用テントでも、互い違いに眠れば問題なく使える
1~2人用と説明書に書いてある山岳用テントでしたが、寝るスペース的には、問題ありませんでした。この際、コツは頭と足を互い違いにすることです。
人間、肩の部分がもっともスペースが広いので、肩の部分を互い違いにすることで、ゆったりと眠ることができました。
問題は荷物です。
前室に二セットの靴を置くともはやいっぱいなので、ザック類は室内に持ち込むしかありません。ひとりでテントを使う場合は、テント内にすべての荷物を持ち込みました。荷物と添い寝する感じでした。
しかし二人でテントを使うと、荷物の置き場はちと苦しいものがあります。荷物を上に抱いて眠る感じになってしまいます。
※ちなみに今回、私たちはキャンプ用の椅子を持っていったりして、野宿以外にも、飲酒や、サッカーなど、満喫したので、すべての荷物をテント内に収納することは、はじめから諦めていました。しかし登山だったら椅子やサッカーボールやアイスボックスは持っていかないので、それらは別枠にして実験しています。
問題は巨大な登山用アタックザックです。ザックの中身の半分はテント一式なので空になっていますが、このまま抱いて眠るのは厳しいものがあります。
ザックの中身を全部取り出して足を突っ込んで眠れば、防寒と収納の一石二鳥
さいわい11月の夜は冷え込んで、寝袋なしブランケットのみの私は寒かったので、ザックの中身をすべて出して足をザックに突っ込んで眠りました。これで防寒と収納の一石二鳥です。
あとはザックの中身はやわらかい衣服と、コッヘルなどの道具類のみです。バーナーなど一式の収納ぐらいは可能なので、衣服類は身体の上に抱くようにして眠っても問題ありません。ちょっとしたクッションみたいなものです。身体の下にマット代わりに敷いてもいいぐらいです。
土曜の夜、河川敷では深夜の秘密のパーティーが開催されていた
こうして眠りについた私たちですが、深夜に意外なトラブルが待ち受けていました。
夜中の1時頃、近くの河川敷駐車場に車が止まって、大音響で音楽を流し始めたのです。コロナ禍で居酒屋などで騒げなくなっているので、夜中に河川敷で憂さを晴らしているんだな、と思いました。
パリピたちは酒を飲んで奇声を上げています。毎週末この場所でこのように集まって騒いでいるのかもしれません。
まさか近くに野宿している人がいるとは向こうもわからなかったと思います。
車載ステレオの選曲から四十代~五十代の人ではないかなと想像しました。
カオサン(バンコクの安宿)の夜を思い出しました。こっちは寝ていますが、階下では夜通し朝まで大音響のパーティーナイトが続いています。それが楽しくてわざわざカオサンまで行く(BTSはないのでタクシーで行く)ほどの私たちにとっては、川の土手の向こうでパーティーが開かれているぐらいどうってことありません。
しばらく音楽を聴いているとなんとフォークダンスの曲が流れてきました。
(マイムマイムじゃないか。まさか踊っているのか?)
中学生時代を思い出し、思わず参加しようかと思いましたが、やめておきました。
酒の手土産があれば別ですが、全部昼間に飲んでしまっていたので……。
毎土曜日の夜にはこのように深夜の秘密のパーティーが開かれているのかもしれません。野宿しなければ気づかないことでした。
短辺が開くタイプでないとテントに寝たまま顔だけ出して星空を眺めることはできない
天気予報を確認してから出かけたので、雨が降ることもなく、快適な朝を迎えることができました。
寝袋とマットがワンセット足りませんが、まあなんとか涸沢テント村でお花のひとつとしてテントを立てることはできるでしょう。
ところで漫画『岳』の主人公、島崎三歩は北アのテントで暮らしているのですが、晴れた日には、よくテントから寝たまま顔だけ出して星空を眺めています。
それをやってみたかったのですが、私のテントではダメだということがわかりました。
私のテントは長辺が開くタイプなので、寝たまま顔だけ外に出すというのが不可能なのです。テントの短辺が開くタイプでないと島崎三歩のようにテントに寝たまま顔だけ出して星空を眺めるということはできません。
星空を見上げたければ外に出ろ、ってことみたいです。